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河川測量とは?法線測量や定期横断測量のやり方かんたん解説

河川測量

今回のテーマは【河川測量】

基本的な作業工程から用語の意味までまるっと解説しました。

さらに法線測量や定期横断測量のやり方についてもまとめましたのでぜひご確認ください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

河川測量とは?法線測量や定期横断測量のやり方かんたん解説

河川測量とは公共測量のひとつです。

河川の維持管理や河川の設計・施工に必要なデータを得るために行われ、河川だけでなく湖沼、海岸などの測量も含まれます。

具体的には、洪水や高潮などの災害発生を防ぐ調査や、河川の形状や水位、断面、流速、流量などが測定され、図面が作成されます。

 

河川測量の作業手順

河川測量の作業手順はこんな感じ 🙂

見出し(全角15文字)

  1. 作業計画
  2. 距離標設置測量
  3. 水準基標測量
  4. 定期縦断測量
  5. 定期横断測量
  6. 深浅測量
  7. 法線測量(⇒港湾の場合:海浜測量と汀線測量)
  8. 品質評価
  9. 資料およびデータ作成
  10. 検査・納品
海浜測量は、海岸において前浜と後浜を含む範囲の等高、等深線図を作成する測量

汀線(ていせん)測量は、最低水面と海浜との交線(水際線)を定める測量のことだよ

河川測量における各測量の説明

河川測量(横断)

河川測量における主要な各測量について解説していきます。

距離標設置測量

距離標設置測量とは、河心線(洪水流下時の流れの中心)の接線に対して、直角方向の両岸における堤防法肩または法面などに、平面位置や標高値を明確にした距離標を設置する作業のことです。

測量をする近くの3級基準点などから放射法によって設置します。

距離標を設置するときは、破損したりなくなったりするおそれのない場所に設置するように注意してください。

また設置間隔は、河川の河口や幹川の合流点における河川の起点から、河心線に沿って200m間隔を標準とします。

設置後は【点の記】を作成しよう!

※点の記:基準点(三角点・水準点・基準多角点など)の設置・測量の記録のこと

一方で、距離標は水準基標を兼ねることが多いです。

基準点測量についても併せてチェックしておきましょう。

 

水準基標測量

水準基標測量は、定期縦断測量の基準となる水準基標の標高を定める測量です。

水準基標とは水準測量における基準点のようなものと覚えておけばOK!

2級水準測量により、水位標の位置に近い場所に設置され、その間隔は5㎞から20㎞を標準とします。

そして河川水系の高さ基準を統一するために、河川両岸に設けられるものであり、左右両岸を環閉合するように関連付ける必要があります。

 

定期縦断測量

定期縦断測量は、河川の維持管理や調査が目的です。

距離標や構造物などの縦断測量を定期的に実施し、縦断面図データファイルを作成します。

また定期縦断測量の路線は、水準基標から出発して他の水準基標に結合することを原則とし、左右両岸の距離標の標高、堤防の変化点、主要構造物について距離標からの距離と標高が測定されます。

平地においては3級水準測量、山地においては4級水準測量または、間接水準測量にて実施されると覚えておきましょう。

 

定期横断測量

定期横断測量は水際杭を境にして陸部と水部に分け、陸部は横断測量、水部は深浅測量を行います。

陸部における測量は路線測量と同様、地盤の変化点や構造物などの標高を観測し、横断起点(No.0)を左岸距離標にとり、右方向をプラスの追加距離として表します。

陸部の測量範囲は堤内20~50mで、横断図は上流から下流を見た図となりますので注意してください。

 

深浅測量

深浅測量とは、水底部の地形を明確にするため、水面を基準として、水深、測深位置(船位)と水位(潮位)を同時に測定し、水部の横断面図データを作成する作業をいいます。

水深の測定では音響測深機を用いるのを標準とし、浅い場合は標尺(ロッド)やロープ(レッド)などを用います。

測深位置の測定には、ワイヤーロープやTS、GNSSなどが使われ、水際杭からの距離が測定され、水位(潮位)の測定には、水位標から直接よみとる方法や水際杭から直接水準測量を行って決定する方法などが一般的です。

 

法線測量(⇒港湾の場合:海浜測量と汀線測量)

法線測量とは、計画資料に基づき、河川または海岸において構造物の新設や改修・修繕などを行う場合に現地の法線上に杭を設置し線形図を作成する作業のことです。

海浜測量は、海岸において前浜と後浜を含む範囲の等高、等深線図を作成する測量で、汀線(ていせん)測量は、最低水面と海浜との交線(水際線)を定める測量のことを指します。

 

河川測量とは?法線測量や定期横断測量のやり方かんたん解説まとめ

河川測量とは公共測量のひとつであり、河川の維持管理や河川の設計・施工に必要なデータを得るために行われ、河川だけでなく湖沼、海岸などの測量も含まれる

河川測量の作業手順 ポイント
①作業計画 河川の状況や時期を勘案すること
②距離標設置測量 距離標は河川の左岸、右岸の両岸に設置

設置間隔は河心線に沿って200mを基準とし、構造物などがある場合は追加距離で表す

設置箇所は河心線の接線直角方向の堤防または法面とし、破損や地盤変動のないところが望ましい

水準基標を兼ねる場合が多い

未改修河川では河心線を洪水時の流心線で想定

近くに基準点がないときは、3級基準点測量により距離標を設置する

③水準基標測量 2級水準測量により、水位標の位置に近い場所に設置され、その間隔は5㎞~20㎞を標準とする
④定期縦断測量 平地においては3級水準測量、山地においては4級水準測量または間接水準測量にて実施される

縦断図面データの縮尺は、横1/1,000~1/100,000、縦1/100~1/200を標準とする

⑤定期横断測量 水際杭を境にして陸部と水部に分け、陸部は横断測量、水部は深浅測量を行う

陸部の観測は左岸、右岸の距離標を基準とし、地形変化点については水際杭まで観測を行う

陸部、水部の観測結果は左岸の距離標を基準とし、右岸方向を右に取り追加距離で表す。(左岸距離標から左方向はマイナス)

横断図は上流から下流を見た図となる

⑥深浅測量 水深の測定では音響測深機を用いるのを標準とし、浅い場合は標尺(ロッド)やロープ(レッド)などを用いる

測深位置の測定には、ワイヤーロープやTS、GNSSなどが使われ、水際杭からの距離が測定される

水位(潮位)の測定には、水位標から直接よみとる方法や水際杭から直接水準測量を行って決定する

⑦法線測量(⇒港湾の場合:海浜測量と汀線測量) 計画資料に基づき、河川または海岸において構造物の新設や改修・修繕などを行う場合に現地の法線上に杭を設置し線形図を作成する作業のこと
⑧品質評価 データの精査を実施
⑨資料およびデータ作成 データに基づき成果品および電子データの作成
⑩検査・納品 検査を実施し、合格すれば業務の完了

河川測量(横断)

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画、設計、施工管理、維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛けの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報を発信中!

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