こんにちは、土木学士ちゃんさとです。
今回のテーマは水理学で欠かせない【常流と射流の違い】
基本的な水の性質について解説していきます。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
この記事を書いた人

- 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
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- 1級土木施工管理技士、危険物取扱者(乙4)、玉掛けなどの資格もち
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常流と射流の違いとは?
水路の流れのうち、水深が比較的浅く速度のはやい流れを射流、深い水深でゆっくりした流れを常流とよびます。


たとえば、流れている水路に小石を投げ入れて波を起こしたとします。
この場合、水面を伝わる波の速度Cは、
C=√gh
で計算できます。
hは水深、gは重力加速度(9.8m/s²)です。
流れの速度が速いかゆっくりかは、投げ入れた小石で起きるこの波の速度Cを基準にします。
流れの速度Vが、波速Cよりも遅いとき、すなわち
V<√gh
のときが常流
これに対して流れの速度Vが波速Cより速いとき、すなわち
V>√gh
のときが射流です。
ちなみに常流と射流の境界である流れの速度Vと波速Cが等しくなるときを限界流と呼びます。
これらの関係性をまとめるとこんな感じ 🙂
常流 | 限界流 | 射流 |
流れの速度Vが、波速Cよりも遅いとき
V<C(√gh) |
流れの速度Vと波速Cが等しくなるとき
V=C(√gh) |
流れの速度Vが波速Cより速いとき
V>C(√gh) |
常流と射流とフルード数
わたしと小鳥と鈴と…みたいなタイトルになっちゃいましたが…(笑)
気を取り直して、常流と射流とフルード数の関係を解説していきます。
常流、射流の区別を水路の流れの速さと波速の大小で表しましたが、フルード数とは、流れの速度Vと波速Cの比(無次元量)のことです。
F=V/C=V/√gh
つまり、フルード数Fが1より小さいときは常流、1より大きい場合が射流です。
常流や射流の違いによって、開水路の性質は大きく変わることになります。
常流・射流・限界流の波の伝わり方
それぞれの流れについて、波の伝わり方の違いも見ていきましょう。
仮に流れのない水槽に石を投げいれると、波は同心円を描いて周囲に広がっていきます。
常流の場合は心が少しずつずれますが、上下流を含めて周囲に広がります。
これに対して射流の場合は、波は上流側に伝わらず、下流側のみに広がっていくのです。
このとき、波の円に接する線上に、衝撃波が発生しています。
以上です。
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ありがとうございました。