透視図法とは、目で見た時のように手前にあるものが大きく、遠くにあるものは小さく見える様子(遠近感)を表す手法です。
そして、この透視図法で描かれたものを透視図、あるいはパースと呼びます。
建築やインテリアコーディネーターのお仕事ではとくに、立体的に表現されたインテリア空間の図があると、平面や展開図では表しきれない空間の雰囲気を効果的に与えることができます。
この記事では透視図法の種類や原理、特徴などをていねいに解説していきますので、ぜひご覧ください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
透視図法の考え方と種類
たとえば上記のイラストは、画面手前からまっすぐのびた未知の両側に住宅街が広がる様子が描かれています。
小さく、低く描かれた建物は遠くにあるように見えますよね。
これは道路と住宅が遠くの1点に向かって集まるように描かれた構図によって、図に遠近感が与えられているからです。
透視図法の考え方と主な記号
原理を実際に透視図に表すのは少し複雑ですが、その図法を簡単にいうと下の図のとおりです。
【透視図概略イメージ図】
人が画面越しに見た光景を画面上に写し取ったものと考えることができます。
また透視図法に使われる主な記号と意味はこんな感じ 🙂
記号 | 意味 |
PP(Picture Plane) | 画面(絵が描かれる面) |
GL(Ground Line) | 基線(画面PPの下端) |
SP(Standing Point) | 立点(観察者の立ち位置) |
HL(Horizontal Line) | 水平線(地平線) |
VP(Vanishing Point) | 消点(奥行きの線が集まる遠くの1点のこと) |
EP(Eye Point) | 視点(観察者の目の位置) |
EL(Eye Level) | 視点高(観察者の視点の高さ) |
VC(Center of Vision) | 視心(EPからPPに伸ばした点) |
透視図法の種類
透視図法の種類には、図に設定されている消点の数によって1消点透視図法、2消点透視図法、3消点透視図法の3つがあります。
それぞれの透視図法の特徴を確認していきましょう。
1消点透視図法(平行透視図法)
1消点透視図法は、上記の図のように消点(VP)が画面の中にあり、消点に向かう奥行き方向だけ立体感が生まれます。
消点が1つなので比較的かんたんに作図でき、インテリア空間などのイメージを伝えやすいことから、室内パースを描く方法として最も多く使われている図法です。
VPの位置や、人とPP(画面)とのキョリの取り方を変えると奥行き方向の見え方も変わります。
たとえば、室内全体をバランスよく見せたい場合は上記左図のようにVPをほぼ真ん中に設けます。
一方、床面と左側の壁を広く見せたい場合は、上記右図のようにVPを右上にとるように設定すると良いでしょう。
2消点透視図法(有角透視図法)
2消点透視図法は、焦点を左右に設けて物の奥行きを2方向に表現するものなので、1消点透視図法では得られない左右方向の立体感が生まれます。
さらに日ごろ目で見ている世界に近い雰囲気のものを表せるのが特徴です。
主に建築物の外観を描くのに用いられていますが、室内を表現するのにも効果的な方法です。
3消点透視図法(斜透視図法)
3消点透視図法は、左右と高さの3方向に消点があります。
ビルのような高さのある建物を描くのに適した手法です。
一方、インテリアのプレゼンテーションではほとんど使われません。
以上です。
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