この記事のテーマは【橋の構造に関する部材名称・部位と種類】です。
橋っていっても、いろんな構造や種類がありますよね。
今回は橋梁の構造(部材名称・部位)や種類について、パッと見イメージできるように図解や写真で分かりやすくまとめました。
ぜひ参考にしてください 🙂
それではさっそく参りましょう、【橋梁の構造と種類】スタートです!
一般的な橋梁の名称や部位の意味をチェック
まずは一般的な橋梁の構造と名称です 😉
以下、図解参照
橋梁構造(構成)の名称・部位 | 意味 |
上部工 | 道路、鉄道、水路などの輸送路の通過荷重を直接支持する |
下部工 | 上部構造を支える部分。橋台(アバット)、橋脚(ピア)および基礎からなる |
主桁 | 橋台または橋脚間で、上部構造全体の荷重を支持して下部構造に伝える桁
断面形状によりI桁と箱桁 材料により鋼桁、鉄筋コンクリート桁、PC(プレストレストコンクリート)桁などがある |
橋長 | 橋台のパラペット前面間のキョリ |
支間 | 支承中心間のキョリ |
径間 | 橋台あるいは橋脚の前面間のキョリ |
桁下高 | 上部の下部に確保される空間の高さ |
橋脚(ピア) | 橋のあいだを支える柱のことで、ピアとも呼ばれる
基礎の工法や直接基礎、井筒基礎などがある |
橋台(アバット) | 橋の両端(はじまりと終わり)を支える台
アバットとも呼ばれる |
躯体 | 橋台、橋脚において上部工を支えている本体部分を指す |
パラペット | 橋台において躯体より上の部分に突出した部分
上部構造と一般部を仕切っており、胸壁とも呼ばれる |
杭基礎 | 杭を用いた基礎で、軟弱な地盤などで施工される |
ケーソン基礎 | ケーソンとは鉄筋コンクリートなどでできた箱のこと。
大きな荷重を受ける場合やほかの工法では施工が難しい場合などに用いられる |
支承 | 上部構造と下部構造との間に設置される部材で、上部構造の荷重を下部構造に伝達するための機能をもつ |
固定支承 | 上部構造の回転は自由
一方で水平移動に対しては拘束する機能を有する支承のこと |
可動支承 | 上部構造を支持し下部構造に支持力を伝える構造部分のうち、回転以外に変位も妨げないようにした支持構造
一般的には特定の方向にのみ可動 |
伸縮装置 | 橋梁の端部においてその伸縮を可能なように路面に設ける装置 |
橋梁の名称や部位➀上部工・上部構造
橋梁のうち、橋台・橋脚の上に設けられる部分のを指します。
道路、鉄道、水路などの輸送路の通過荷重を直接支持します。
橋梁の名称や部位②下部工・下部構造
上部構造を支える部分です。
橋台(アバット)、橋脚(ピア)および基礎から構成されます。
橋梁の名称や部位③主桁
橋台または橋脚間で、上部構造全体の荷重を支持して下部構造に伝える桁(けた)のこと。
断面形状によりI桁と箱桁などの種類があります。
材料の種類は、鋼桁、鉄筋コンクリート桁、PC(プレストレストコンクリート)桁などです。
橋梁の名称や部位④桁下高
橋梁の桁の下部に確保される空間の高さのことです。
橋梁の名称や部位⑤橋脚・ピア
橋のあいだを支える柱のことで、ピアとも呼ばれます。
また、橋脚に使用される基礎構造の名称と定義は以下のとおり!
橋脚(ピア)に使用される基礎構造の名称
直接基礎 | 硬い地盤をそのまま使用できる場合に採用される基礎のこと |
井筒基礎 | 地中深く設置した鋼管矢板や鋼管杭で地盤を囲って締切り、その中にコンクリートを充填して構築する基礎のこと |
杭基礎 | 杭を用いた基礎で、軟弱な地盤などで施工される |
ケーソン基礎 | ケーソンとは鉄筋コンクリートなどでできた箱のこと。
大きな荷重を受ける場合やほかの工法では施工が難しい場合などに用いられる |
橋梁の名称や部位⑥躯体
橋台、橋脚において上部工を支えている本体部分を指します。
橋梁の名称や部位⑦パラペット
橋台において躯体より上の部分に突出した部分
上部構造と一般部を仕切っており、胸壁とも呼ばれます。
橋梁の名称や部位⑧支承
上部構造と下部構造との間に設置される部材で、上部構造の荷重を下部構造に伝達するための機能をもち、固定支承と可動支承の2種類に分けられます。
【固定支承】
上部構造の回転は自由
一方で水平移動に対しては拘束する機能を有する支承のこと
【可動支承】
上部構造を支持し下部構造に支持力を伝える構造部分のうち、回転以外に変位も妨げないようにした支持構造
一般的には特定の方向にのみ可動
橋梁の名称や部位⑨伸縮装置
橋梁の端部においてその伸縮を可能なように路面に設ける装置のことです。
橋梁の名称や部位⑩橋長
橋長は橋台のパラペット前面間の長さを指します。
橋梁の名称や部位⑪支間・支間長
支間長は、支承中心間から支承中心間までの距離のことです。
橋梁の名称や部位⑫径間・径間長
径間長は、橋台あるいは橋脚の前面間の距離のことです。
また、橋梁関連の用語も併せてチェックしておくとよいでしょう。
橋梁の構造・種類別の名称と部位➀力学的分類
橋の構造形式は力学的に、
- 曲げモーメントとせん断力に抵抗する部材構造
- 軸力(引張・圧縮)に抵抗する部材構造
の2つに大きく分けられます。
橋の種類をまとめるとこんな感じ 🙂
曲げモーメントとせん断力に抵抗する部材構造 | 軸力(引張・圧縮)に抵抗する部材構造 |
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曲げモーメントとせん断力に抵抗する部材名称と構造・部位
床版橋
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<床版橋>
鉄筋コンクリート造の床版(スラブ)を使用した、もっとも単純な構造の橋 小規模はものが多く、現場打ち・二次製品などが使われる |
単純桁橋 | <桁橋>
木桁、RC桁、PC桁、鋼桁などを並べたもの 実績が多く、よく使われる構造 1本の桁を両端2点で支えるものを単純桁橋、3点以上で支えるものを連続桁橋という |
連続桁橋 | |
ゲルバー橋 | <ゲルバー橋>
連続桁橋の途中に、ヒンジ構造の継目がある橋 地盤沈下の影響が少ないことが特徴 |
ラーメン橋(門形) | <ラーメン橋(門形)>
主桁、橋脚、橋台などが一体となって外力に抵抗する橋 このほか、π型、函型などがある
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ラーメン橋(π型) | <ラーメン橋(π型)>
主桁、橋脚、橋台などが一体となって外力に抵抗する橋 このほか、門形、函型などがある |
軸力の引張・圧縮に抵抗する部材名称と構造・部位
トラス橋
三角に組み合わされた構造 応力が分散するため、スパンの長い橋に適している |
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アーチ橋
主桁がアーチ状で、両端で支える橋 |
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タイドアーチ橋
アーチの両端に作用する水平力を、タイと呼ばれる水平材で受けもつ構造 |
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ランガ―橋
軸方向圧縮力はアーチリブで受けもち、 曲げモーメントやせん断力は、補剛桁、補剛トラスでうけもつ構造 |
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ローゼ橋
曲げモーメント、せん断力をアーチリブと桁の両方で受けもつ構造 |
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吊り橋
ケーブルを主塔間に凹状に張り、橋体を吊るした橋で、長大橋に適している構造 |
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斜張橋
橋脚上に設置した主塔から斜めにケーブルを張り、橋桁を支える構造 景観的にも美しい |
橋梁の名称・部位②橋の路面位置による種類と構造
橋は路面の位置によっても分けることができます。
種類をまとめたものは以下のとおりです。
路面位置による
橋の分類 |
橋の構造 |
上路橋
路面が主桁・主構の上方にある橋 |
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中路橋
路面が主桁の中間部にある橋 |
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下路橋
路面が主桁の下方にある橋 |
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二層橋
路面が上下二層になっている橋 |
橋梁の構造別名称③橋の用途別と材料別による種類
橋の用途別名称
橋を用途別に分けると、
- 道路橋
- 鉄道橋
- 水路橋
などに分類されます。
またこれらが同時に設置される橋を【併設橋】と呼びますよ 😎
橋の使用材料別名称
橋をつくる材料(部材)によっても種類別に分けることができます。
材料による橋の種類
- 木橋
- 石橋(レンガ)
- 鋼橋
- コンクリート橋
それぞれ強度や耐久性が異なるため、目的により比較して、材料を決めるようにしましょう。
一方、橋梁工事の流れや工法についてはまた別記事でご確認ください。
橋梁の部材名称や部位・構造など種類まとめ
一般的な橋梁構造の名称・部位
橋梁構造(構成)の名称・部位 | 意味 |
上部工 | 道路、鉄道、水路などの輸送路の通過荷重を直接支持する |
下部工 | 上部構造を支える部分。橋台(アバット)、橋脚(ピア)および基礎からなる |
主桁 | 橋台または橋脚間で、上部構造全体の荷重を支持して下部構造に伝える桁
断面形状によりI桁と箱桁 材料により鋼桁、鉄筋コンクリート桁、PC(プレストレストコンクリート)桁などがある |
橋長 | 橋台のパラペット前面間のキョリ |
支間 | 支承中心間のキョリ |
径間 | 橋台あるいは橋脚の前面間のキョリ |
桁下高 | 上部の下部に確保される空間の高さ |
橋脚(ピア) | 橋のあいだを支える柱のことで、ピアとも呼ばれる
基礎の工法や直接基礎、井筒基礎などがある |
橋台(アバット) | 橋の両端(はじまりと終わり)を支える台
アバットとも呼ばれる |
躯体 | 橋台、橋脚において上部工を支えている本体部分を指す |
パラペット | 橋台において躯体より上の部分に突出した部分
上部構造と一般部を仕切っており、胸壁とも呼ばれる |
杭基礎 | 杭を用いた基礎で、軟弱な地盤などで施工される |
ケーソン基礎 | ケーソンとは鉄筋コンクリートなどでできた箱のこと。
大きな荷重を受ける場合やほかの工法では施工が難しい場合などに用いられる |
支承 | 上部構造と下部構造との間に設置される部材で、上部構造の荷重を下部構造に伝達するための機能をもつ |
固定支承 | 上部構造の回転は自由
一方で水平移動に対しては拘束する機能を有する支承のこと |
可動支承 | 上部構造を支持し下部構造に支持力を伝える構造部分のうち、回転以外に変位も妨げないようにした支持構造
一般的には特定の方向にのみ可動 |
伸縮装置 | 橋梁の端部においてその伸縮を可能なように路面に設ける装置 |
橋の力学的分類と名称・部位
曲げモーメントとせん断力に抵抗する部材構造 | 軸力(引張・圧縮)に抵抗する部材構造 |
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橋の種類や名称
路面位置別 | 用途別 | 材料別 |
上路橋
中路橋 下路橋 二層橋 |
道路橋
鉄道橋 水路橋 併設橋 |
木橋
石橋(レンガ) 鋼橋 コンクリート |
今回は以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いている人
- 元公務員(土木)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木)として7年間勤務した経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。