今回は、【コンクリートを製造する場合の細骨材や粗骨材の計量値計算】についてです。
(ブログに質問して頂いた方、ありがとうございます)
まちがえることも多く、勉強するにはとても良い内容でしたので記事にて共有しておきます。
さらに細骨材率と空気量の関係もまとめました。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
細骨材率を大きくするとどうなる?空気量との関係&細骨材や粗骨材の計量値計算
細骨材率と空気量にはとくに関連性があり、細骨材が0.15~0.6mmの粒径の部分が多いと空気泡は連行されやすく、0.15mm以下の微粒分が多くなると空気泡は連行されにくくなると言われています。
また細骨材率を大きくすると空気量が増加します。
一方で、コンクリートの細骨材率を大きくすると粘りが減って流動性が増し、スランプは大きくなり(元の高さよりも落下する)、そして強度は低くなります。
細骨材率はワーカビリティー(材料分離を生じることなく、運搬、打込み、締固め、仕上げなどの作業が容易にできる程度を表す言葉)を満足しつつ、コンクリートの強度ができるだけ固くなるように最低限にするのが望ましいでしょう。
よって、細骨材と空気量には関連性があると言え、計算する際には空気量を含んだ計算方法となってます。
そして粗骨材は空気量との関連性はあまり見られないため、空気量を含めない計算方法になっています。
また空気量としては、エントレインドエアとエントラップエアがありますので、チェックしておきましょう。
細骨材(率)や粗骨材の計量値計算(コンクリート製造する場合)
はじめに定義として、細骨材は10㎜網ふるいを全部通り、5㎜網ふるいを質量で85%以上通る骨材のことです。
細骨材率についてはまた別記事でまとめていますので併せてご確認ください。
そして骨材の問題は以下のとおり。
計算問題
問題:1m3のコンクリートを製造する場合における、骨材の計量値に関する記述のうち、正しいものはどれか。
なお、以下の数値を使って計算せよ。
分かっている数値
- セメント密度:3.15kg/cm3
- 細骨材の表乾密度:2.57g/cm3
- 粗骨材の表乾密度:2.70/cm3
- 細骨材の表面水率:2.5%
- 単位水量:165kg/m3
- 水セメント比:55%
- 細骨材率:42%
- 空気量:4.5%
【選択肢】
- 細骨材の計量値は、769kg
- 細骨材の計量値は、791kg
- 粗骨材の計量値は、1066kg
- 粗骨材の計量値は、1158kg
解答
了解しました!この条件に基づいて、**1m³のコンクリートを製造する場合における骨材の計量値(湿潤質量)**を求める手順とともに、正しい選択肢を導きます。
セメント量の算出
水セメント比W/C = 55% = 0.55
単位水量W = 165 kg/m³
[ C = \frac{W}{W/C} = \frac{165}{0.55} = 300 , \text{kg/m}^3 ]
空気量を除いたモルタル+粗骨材の絶対容積を算出
コンクリート全体の単位体積 = 1.000 m³
空気量 = 4.5% → 空気の体積 = 0.045 m³
したがって、有効骨材+ペーストの体積は:
[ 1.000 - 0.045 = 0.955 , \text{m}^3 ]
セメント・水の体積
セメントの密度 = 3.15 g/cm³ = 3.15 kg/L
水の密度 ≒ 1.00 kg/L
- セメント体積:300 ÷ 3.15 = 95.24 L
- 水体積:165 ÷ 1.00 = 165.00 L
[ \text{セメント+水の体積} = 0.09524 + 0.165 = 0.26024 , \text{m}^3 ]
骨材の絶対容積
[ 骨材の合計絶対容積 = 0.955 - 0.26024 = 0.69476 , \text{m}^3 ]
細・粗骨材の絶対容積への分配
細骨材率 = 42% →
- 細骨材の絶対容積 = 0.69476 × 0.42 = 0.2918 m³
- 粗骨材の絶対容積 = 0.69476 × 0.58 = 0.40296 m³
表乾状態での骨材の質量算出
- 細骨材の密度:2.57 g/cm³ = 2.57 kg/L
- 粗骨材の密度:2.70 g/cm³ = 2.70 kg/L
- 細骨材質量(表乾)= 0.2918 × 2.57 × 1000 = 750.93 kg
- 粗骨材質量(表乾)= 0.40296 × 2.70 × 1000 = 1087.99 kg
細骨材の湿潤質量(表面水率を反映)
表面水率 = 2.5%
[ 750.93 × 1.025 = 769.70 , \text{kg} ]
(粗骨材には表面水率の指定がないため、表乾状態のまま計量)
✅【最終解答】
- セメント:300 kg
- 水:165 kg
- 細骨材(湿潤):769.7 kg
- 粗骨材(表乾):1088.0 kg(小数第1位四捨五入)
よって選択肢の答えは1
1.細骨材の計量値は、769kg
細骨材の表面水率の計算方法についてはまた別記事でご確認ください。
細骨材率を大きくするとどうなる?空気量との関係&細骨材や粗骨材の計量値計算まとめ
ポイント
細骨材率と空気量にはとくに関連性があり、細骨材が0.15~0.6mmの粒径の部分が多いと空気泡は連行されやすく、0.15mm以下の微粒分が多くなると空気泡は連行されにくくなる
細骨材率を大きくすると空気量が増加
コンクリートの細骨材率を大きくすると粘りが減って流動性が増し、スランプは大きくなり(元の高さよりも落下する)、そして強度は低くなる
細骨材率はワーカビリティー(材料分離を生じることなく、運搬、打込み、締固め、仕上げなどの作業が容易にできる程度を表す言葉)を満足しつつ、コンクリートの強度ができるだけ固くなるように最低限にするのが望ましい
細骨材は10㎜網ふるいを全部通り、5㎜網ふるいを質量で85%以上通る骨材のこと
細骨材と空気量には関連性があり、計算する際には空気量を含んだ計算方法となっている
粗骨材は空気量との関連性はあまり見られないため、空気量を含めない計算方法となっている
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人

- 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛けなどの資格もち
- 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信中!