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写真測量まとめ(UAV・空中写真・航空レーザ)概要とちがい

写真測量

写真測量と一言で言っても、種類はUAV、空中写真、航空レーザなどさまざまです。

原理や作業工程は異なりますので、しっかり違いをチェックしておきましょう。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

 

写真測量(UAV・空中写真・航空レーザ)の概要と作業工程

写真測量は主に、①UAV測量、②空中写真測量、③航空レーザ測量の3つに分けることができます。

①UAV(無人航空機)写真測量

ドローン

UAVとはUnmanned Aerial Vehicleの略で無人航空機のこと。

UAVを用いた測量は、ドローンに代表される無人航空機による、数値地形図データまたは三次元点群データを作成する技術です。

一般的にはUAVとドローンは同じ意味で使われることが多いでしょう。

 

また、測量に用いられるUAVは、以下のような性能を有するものが必要です。

UAV測量に必要な性能

  1. 自立飛行可能
  2. 異常時の自動帰還機能
  3. 飛行区域の地表風に耐える飛行能力
  4. 撮影時の飛行姿勢、デジタルカメラの水平および写角の確保

 

またUAVを用いた測量の作業工程は、数値地形図作成と三次元点群作成の2つに分かれます。

UAV測量の作業工程

  1. 数値地形図作成
  2. 三次元点群作成

流れはそれぞれこんな感じ 🙂

数値地形図作成

UAV数値地形図作成

  1. 作業計画
  2. 標定点の設置
  3. 撮影
  4. 空中三角測量
  5. 現地調査
  6. 数値図化
  7. 数値編集
  8. 補測編集
  9. 数値地形図データファイルの作成
  10. 品質評価
  11. 成果品などの整理・検査・納品

 

三次元点群作成

UAV三次元点群作成

  1. 作業計画
  2. 標定点および検証点の設置
  3. 撮影
  4. 三次元形状復元計算
  5. 点群編集
  6. 三次元点群データファイルの作成
  7. 品質評価
  8. 成果などの整理・検査・納品

さらにくわしくは以下の記事をご覧ください。

UAVとは?UAVを用いた測量の作業工程や地形図作成について

 

②空中写真測量

空中写真測量は、飛行機などにより上空から撮影された連続する空中写真を用いて、数値地形図を作成する作業です。

カメラはフィルム航空カメラやデジタル航空カメラなどがあります。

また空中写真から地形図を作成する原理は以下のとおりです。

空中写真の原理

  1. 重複する2枚の空中写真を用いて撮影時の状態を再現
  2. 空間的な位置関係を合わせて、対象地域のステレオモデルを作成
  3. ステレオモデルと実際の地形との整合性を取ることにより、縮尺や空間位置(方位や座標)を決定
  4. 整合性の取れたモデルから平面図化し、地形図を作成

また作業工程のながれは以下のとおりです。

空中写真測量の作業工程

  1. 作業計画
  2. 標定点の設置
  3. 対空標識の設置
  4. 撮影
  5. 同時調整
  6. 現地調査
  7. 数値図化
  8. 数値編集
  9. 補測編集
  10. 数値地形図データファイルの作成
  11. 品質評価
  12. 成果などの整理

 

さらにくわしくは以下の記事をご覧ください。

空中写真測量|航空レーザ測量の違いや写真地図作成

空中写真測量|作業工程やパスポイント&タイポイントについて

 

③航空レーザ測量

航空レーザ測量システムは、飛行機に搭載されたGNSS、IMU、レーザ測距儀で構成されています。

そしてこれにより地形を計測し、グリッドデータ(格子状の標高データ)などの数値地形図データファイルを作成します。

航空レーザ測量の作業工程は以下のとおりです。

航空レーザ測量のながれ

  1. 作業計画
  2. 地上固定局の設置
  3. 航空レーザ計測
  4. 調整用基準点の設置
  5. 三次元計測データ作成
  6. オリジナルデータ作成
  7. グラウンドデータ作成
  8. グリッドデータ作成
  9. 等高線データ作成
  10. 数値地形図データファイル作成
  11. 品質評価
  12. 成果などの整理

航空レーザ測量はGNSSにより飛行機の位置、IMUにより飛行機の姿勢を計測し、レーザ測距装置により地上を左右にスキャンしながら飛行します。

レーザの照射方向と地表からの反射時間により飛行機と地上との距離を決定し、地上固定局(電子基準点)とキネマティック法により飛行機の地上に対する位置を決定して、地上でのレーザ反射場所の標高と位置(x,y,z)が決まる仕組みです。

航空レーザ測量

またGNSS/IMUとは、GNSSとIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)をシステム的に組み合わせたもので、言い換えれば「位置&姿勢計測システム」のことです。

これによりレーザ測距装置の位置と姿勢情報をリアルタイムで計測・記録することができます。

さらにくわしくは以下の記事をご覧ください。

航空レーザ測量|データ作成や作業のながれをやさしく解説

 

写真測量まとめ★UAV・空中写真・航空レーザのちがい

3つのちがいはこんな感じです。

UAV測量 空中写真測量 航空レーザ測量
UAVとはUnmanned Aerial Vehicleの略で無人航空機のこと

UAVを用いた測量は、ドローンに代表される無人航空機による、数値地形図データまたは三次元点群データを作成する技術

空中写真測量は、飛行機などにより上空から撮影された連続する空中写真を用いて、数値地形図を作成する作業

カメラはフィルム航空カメラやデジタル航空カメラなどがある

航空レーザ測量システムは、飛行機に搭載されたGNSS、IMU、レーザ測距儀で構成

そしてこれにより地形を計測し、グリッドデータ(格子状の標高データ)などの数値地形図データファイルを作成

【作業工程】

①UAV数値地形図作成

  1. 作業計画
  2. 標定点の設置
  3. 撮影
  4. 空中三角測量
  5. 現地調査
  6. 数値図化
  7. 数値編集
  8. 補測編集
  9. 数値地形図データファイルの作成
  10. 品質評価
  11. 成果品などの整理・検査・納品

②三次元点群作成

  1. 作業計画
  2. 標定点および検証点の設置
  3. 撮影
  4. 三次元形状復元計算
  5. 点群編集
  6. 三次元点群データファイルの作成
  7. 品質評価
  8. 成果などの整理・検査・納品
【作業工程】

  1. 作業計画
  2. 標定点の設置
  3. 対空標識の設置
  4. 撮影
  5. 同時調整
  6. 現地調査
  7. 数値図化
  8. 数値編集
  9. 補測編集
  10. 数値地形図データファイルの作成
  11. 品質評価
  12. 成果などの整理
【作業工程】

  1. 作業計画
  2. 地上固定局の設置
  3. 航空レーザ計測
  4. 調整用基準点の設置
  5. 三次元計測データ作成
  6. オリジナルデータ作成
  7. グラウンドデータ作成
  8. グリッドデータ作成
  9. 等高線データ作成
  10. 数値地形図データファイル作成
  11. 品質評価
  12. 成果などの整理
【UAV(無人航空機)に必要な条件】

①自立飛行可能

②異常時の自動帰還機能

③飛行区域の地表風に耐える飛行能力

④撮影時の飛行姿勢、デジタルカメラの水平および写角の確保

【原理】

①重複する2枚の空中写真を用いて撮影時の状態を再現

⓶空間的な位置関係を合わせて、対象地域のステレオモデルを作成

③ステレオモデルと実際の地形との整合性を取ることにより、縮尺や空間位置(方位や座標)を決定

④整合性の取れたモデルから平面図化し、地形図を作成

【仕組み】

航空レーザ測量はGNSSにより飛行機の位置、IMUにより飛行機の姿勢を計測し、レーザ測距装置により地上を左右にスキャンしながら飛行

レーザの照射方向と地表からの反射時間により飛行機と地上との距離を決定し、地上固定局(電子基準点)とキネマティック法により飛行機の地上に対する位置を決定して、地上でのレーザ反射場所の標高と位置(x,y,z)が決まる仕組み

GNSS/IMUとは、GNSSとIMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)をシステム的に組み合わせたもので、言い換えれば「位置&姿勢計測システム」のこと

これによりレーザ測距装置の位置と姿勢情報をリアルタイムで計測・記録することができる

飛行機で言えば、UAVは無人で空中写真と航空レーザは有人となります。

無人航空機と言えば【ドローン】

ドローン操縦の資格を取りたいのであれば、続々とスクールなども開催されているようです。

測量士としても必須な資格になるかもしれませんね。

今後ドローン操縦の需要は確実に増えていきますので、個人でも企業でも、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 

また空中写真と航空レーザのちがいは、撮影するカメラやシステムがそれぞれの異なると言えるでしょう。

それぞれの特徴を理解し、現場に合った適切な測量を実施してください。

 

以上です。

ありがとうございました。

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