今回のテーマは土木や建築、コンクリート界隈ではよく聞く【ワーカビリティー&コンシステンシー】についてです。
ワーカビリティーやコンシステンシーは土木や建築でよく使うコンクリート用語です。
定義や内容をまとめましたのでぜひご覧ください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
ワーカビリティーとは?コンシステンシーなどの(土木)コンクリート用語を解説
ワーカビリティーとは?コンクリートの性質を表す土木用語
ワーカビリティーとは、フレッシュコンクリート(生コン)が材料分離を生じることなく、
- 運搬
- 打ち込み
- 締固め
- 仕上げ
などの作業が簡単にできる「程度」を表す、【コンクリートの作業性】のことです。
たとえば、コンクリートの作業性に一番関係するのが「流動性」
流動性が高ければ高いほど、コンクリートの打ち込みなどはしやすくなるため、【コンクリートの作業性】は高いということです。
お菓子作りなどで例えれば、焼く前のホットケーキの生地は、水が多めだとサラサラしていて、少なくするとモッタリしていますよね。
そんなイメージです。(水多め→作業性高・水少なめ→作業性低)
コンクリートも配合などによって【ワーカビリティー】が変化するというわけ。
ただし、ワーカビリティー(作業性)ばかり良くしていては、コンクリートの強度低下にもつながりますので注意が必要です。
コンクリートのワーカビリティーや強度確保のバランスが大切になります。
コンシステンシーとは?ワーカビリティと併せて覚えたい(土木)コンクリート用語
コンシステンシーとは、主に水量の多少によって左右される
- フレッシュコンクリート
- フレッシュモルタル
- フレッシュペースト(セメント)
などの変形または流動に対する【抵抗性】のことです。
また、次の場合にコンシステンシーは増大すると言われています。
コンシステンシー増大
- 単位水量が小さいほど大きい
- 細骨材率が大きいほど大きい
- 骨材が角ばっているほど大きい(川砂、川砂利より砕砂、砕石)
- 骨材の粗粒率が小さいほど大きい
- セメントの粉末度が高いほど大きい
- コンクリート温度が高いほど大きい
なお、減水剤、AE剤を使用すると、コンクリートのコンシステンシーは一般に減少し、とくに流動化剤などでは著しい変化が生じます。
ワーカビリティーやコンシステンシーがコンクリートに及ぼす影響や要因とは?
それでは、コンクリートにおけるワーカビリティーやコンシステンシーに及ぼす影響と要因について解説していきます。
主に関連する要因は以下のとおりです。
影響や要因
- 単位水量
- セメントの量
- セメントの粉末度
- 骨材
- 混和材料
- セメントの状態
- 練り混ぜの状態
1.単位水量
単位水量とは、コンクリートの単位体積当たりに含まれる水分量のこと!
単位水量を増やせば、流動性は増大し、フレッシュコンクリートのワーカビリティーは向上します。
しかし、水分が多いとコンクリートの粘性は下がります。
その結果、密度の小さい水は浮上し、砂利などの骨材は沈下、コンクリートが不均一な状態となる「材料分離」という現象が起こってしまう可能性が…。
そのため、水セメント比および単位水量は多すぎても少なすぎてもだめで、適切な量を配合することが重要です。
2.セメントの量
セメントはコンクリートの強度を高め、粘性を増大させます。
しかし多すぎると流動性は低下し、ドロッドロの扱いにくいコンクリートになってしまうデメリットがあります。
また少なすぎると全体的にゆるいコンクリートとなり材料分離を起こすので注意が必要です。
3.セメントの粉末度
セメントの粉末度とは、セメント1g当たりの全表面積のことで、粉末度が低いと1gあたりの表面積が多くなります。(粉末度が高い)
そのため、細かいセメントである粉末度の高いセメントを使った場合は、セメントペーストの粘性は増加し、流動性は小さくなります。
反対に、粉末度の低いセメントは粘性を低くし、流動性の高いコンクリートを作ります。
4.骨材
骨材とは、コンクリートに含まれる砂や砂利のこと。
骨材では、
などが、材料分離をまねく結果となってしまい、ワーカビリティーの低下につながります。
5.混和材料
混和材料とは、水+セメント+骨材で構成されるコンクリートに混ぜる薬剤のことです。
AE減水剤やフライアッシュなどの混和材を使用することで、コンクリートのワーカビリティーを保つことができ、施工に必要な粘性および流動性を与えることができます。
そのため、単位水量の少ないコンクリートでも材料分離を起こしにくくし、ワーカビリティーを上げることができます。
一方、混和剤と混和材の違いについては別記事で併せてご確認ください。
6.セメントの状態
セメントは古くなったり、保存状態が悪かったりすると、風化や異常凝結を起こします。
このような状態の良くないセメントは、ワーカビリティーを悪くするので、セメント状態にも気をつけなければいけません。
7.練り混ぜの状態
練り混ぜ不均一で不均等な状態のコンクリートは、ワーカビリティーを悪くします。
十分な練り混ぜが品質の良いコンクリートをつくるには必要不可欠です。
しかし、過度な練り混ぜを行うと、骨材を砕いてしまったり、必要以上に空気量を減らしてしまうおそれがあるので注意しましょう。
以上です。
ありがとうございました。
ワーカビリティーとは?コンシステンシーなどの(土木)コンクリート用語まとめ
ワーカビリティ―とコンシステンシーの意味
コンシステンシー | ワーカビリティー |
コンシステンシーとは、主に水量の多少によって左右される
などの変形または流動に対する【抵抗性】のこと |
ワーカビリティーとは、フレッシュコンクリート(生コン)が材料分離を生じることなく、
などの作業が簡単にできる「程度」を表す、【コンクリートの作業性】のこと |
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学の土木工学科卒業(学士、コンクリート研修室所属)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信中!