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粗粒率の計算とは?粗骨材の定義や粗粒率の基準をまるっと解説

砂利(粗骨材)

骨材とは砂利や砂の総称で、コンクリートをつくるときの材料のひとつです。

そして今回は【粗骨材(そこつざい)】について解説していきます。

さらに粗粒率の計算や基準もまとめていますのでぜひご確認下さい。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

 

粗粒率の計算とは?粗骨材の定義や粗粒率の基準をまるっと解説

まずは簡単に定義から!

粗骨材・細骨材の定義

骨材には粗骨材と細骨材の2種類があって、意味のちがいはこんな感じです 🙂

粗骨材

(そこつざい)

5㎜ふるいに重量で85%以上とどまるもの(砂利)
細骨材

(さいこつざい)

10㎜ふるいを全部通り、5㎜ふるいを重量で85%以上通るもの(砂)

骨材はコンクリート容積の約7割を占めるものなので、コンクリートの品質におよぼす影響はとても大きいと言えるでしょう。

 

粗骨材の粗粒率計算や基準

骨材の粒度はふるい分け試験を行い、その結果を粒度曲線あるいは粗粒率で表します。

粗粒率は、80、40、20、10、5、2.5、1.2、0.6。0.3、0.15㎜ふるいの1組を用いてふるい分け試験を行い、各ふるいにとどまる全試料の質量百分率の和を100で割って求めます。

ふるい分け試験において、質量で少なくとも90%が通るふるいのうち、最小寸法のふるい呼寸法で示される粗骨材の寸法が、粗骨材の最大寸法です。

主に15㎜、20㎜、25㎜、40㎜の骨材が使用されています。

粗粒率の計算例)

ふるい(㎜) 質量百分率(%) 計算式
80 0 (20+40+75+100×6)/100

=7.4

40 20
20 40
10 75
5 100
2.5 100
1.2 100
0.6 100
0.3 100
0.15 100

一般的に粗粒率の基準は、細骨材で2.3~3.1、粗骨材で6~8が望ましいとされています。

また粗粒率が小さいと粒径が小さく打ち込みやすいですが、セメント量は多くなる傾向にあります。

粗骨材のコンクリート用骨材として要求される性質

まずは骨材として、適切な粒度があり、不純物などが含まれていないことが大前提です。

さらにはセメントの反応や風化による劣化を起こさないような、化学的にも安定している骨材が求められます。

 

一方でもうひとつの基準として、JISA5308【レディーミクストコンクリート】では、レディーミクストコンクリート用骨材の種類を以下のとおり規定しています。

骨材の種類

  1. 砕石
  2. 砕砂
  3. スラグ骨材
  4. 人工軽量骨材
  5. 再生骨材
  6. 砂利

とくに再生骨材にはH、M、Lの3種類があります。

種類の概要はこんな感じです。

種類 概要 品質
再生骨材H コンクリート構造物の解体材に対し、破砕、磨砕、分級などの高度な処理をして製造される高品質の再生骨材
再生骨材M コンクリート構造物の解体材に対し、破砕、磨砕、分級などの中程度な処理をして製造される高品質の再生骨材
再生骨材L コンクリート構造物の解体材に対し、破砕などの簡易的な処理を行って製造される再生骨材

とくに再生骨材Hは、JISA5021に規定され、対応するJIS規格の規定を満足するため、普通コンクリートや舗装コンクリートに適用されます。

 

骨材(粗骨材・細骨材)における有害物質の種類や限度

粗骨材や細骨材にシルトや粘度が多量に含まれていると、コンクリート所要のコンシステンシーを得るための単位水量が多くなります。

また、コンクリート強度が低下するだけでなく、乾湿によってそれらが体積変化を起こし、コンクリートのひび割れを生じさせるおそれがあるのです。

 

コンクリート標準示方書では、有害物質含有量の限度を規定しています。

たとえば、海砂に含まれる塩化物の量が許容限度0.04を超える場合は、水洗いなどを行い許容値限度以下にして使用しなければなりません。

以下の表は、有害物含有量の種類と限度についてです。

参考にしてください。

有害物含有量の限度(重量百分率)
種類 粗骨材

(最大値)

細骨材

(最大値)

粘度塊 0.25(1) 1.0(1)
骨材の微粒分量試験で失われるもの 1.0(2)
 コンクリートの表面がすりへり作用を受ける場合 3.0(3)
 その他の場合 5.0(3)
塩化物(塩化物イオン量) 0.04(4)

(1)試料はJISA1103による骨材の微粒分量試験を行ったあとにふるいに残存したものを用いる。

(2)砕石の場合で、骨材の微粒分量試験で失われるものが砕石粉であるときには、最大値を1.5%にしてもよい。また、高炉スラグ粗骨材の場合は最大を5.0%としてよい。

(3)砕砂および高炉スラグの細骨材の場合で、骨材の微粒分量試験で失われるものが石粉であり、粘土、シルト等を含まないときは、最大値を各々5%、および7%としてよい。

(4)細骨材の絶乾重量に対する百分率であり、NaCⅼ換算した値で示す。プレテンションプレストレストコンクリート部材に用いる場合は0.02%以下

 

一方で、骨材の化学的安定に関する事項として【アルカリ骨材反応】があります。

この場合、骨材の反応性は化学法やモルタルバー法で判別します。

また骨材の耐久性は、同種の骨材を用いた既存の実例に基づいて判断するのが適切です。

しかし過去における適当な使用例がない場合は、JISA1122による硫酸ナトリウムによる安定性試験や、凍結融解試験などの促進耐久性試験を行って、その結果から判断しましょう。

標準示方書では、硫酸ナトリウムによる安定性試験における損失質量の上限を細骨材で10%、粗骨材で12%としていますが、これらの限度を超えるものでも、過去の実例や凍結融解試験などにより耐久が認められた場合は使用できることもあります。

 

粗骨材や細骨材の吸水率・表面水率・密度

骨材の表面水率

状態 記号 計算式
絶乾 Wd 吸水率

{(WsーWd)/Wd}×100(%)

表面水率

{(WwーWs)/Ws}×100(%)

有効吸水率

{(WsーWx)/Ws}×100(%)

気乾 Wx
表乾 Ws
湿潤 Ww

骨材の吸水率は原則として、粗骨材は3.0%以下、細骨材は3.0%となってます。

吸水率は骨材の石質、大きさなどによって異なりますが、一般に比重の大きい骨材は吸水率が小さいです。

そして吸水率の大きい砕石は、安定性試験における損失重量も大きい傾向があります。

細骨材率については別記事で併せてご確認ください。

 

また表乾状態における骨材の密度を表乾密度、絶乾状態におけるそれを絶乾密度といいます。

原則として、細骨材と粗骨材の絶乾密度は2.5g/cm³以上でなければなりません。

表乾密度は、コンクリートの配合計算などに用いるよ

 

粗粒率の計算とは?粗骨材の定義や粗粒率の基準をまるっと解説まとめ

粗骨材

(そこつざい)

5㎜ふるいに重量で85%以上とどまるもの(砂利)
細骨材

(さいこつざい)

10㎜ふるいを全部通り、5㎜ふるいを重量で85%以上通るもの(砂)

一般的に粗粒率は、細骨材で2.3~3.1、粗骨材で6~8が望ましいとされている

骨材の吸水率は原則として、粗骨材は3.0%以下、細骨材は3.0%

原則として、細骨材と粗骨材の絶乾密度は2.5g/cm³以上でなければならない

有害物含有量の種類と限度

有害物含有量の限度(重量百分率)
種類 粗骨材

(最大値)

細骨材

(最大値)

粘度塊 0.25(1) 1.0(1)
骨材の微粒分量試験で失われるもの 1.0(2)
 コンクリートの表面がすりへり作用を受ける場合 3.0(3)
 その他の場合 5.0(3)
塩化物(塩化物イオン量) 0.04(4)

 

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛けの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法土木知識をメインに情報を発信中!

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