土木 コンクリ―ト 土木・土木施工管理技士

マスコンクリート|温度ひび割れ対策や定義・養生の留意点

マスコンクリート

こんにちは、土木学士ちゃんさとです。

今回のテーマは【マスコンクリート】

定義や養生の留意点、温度ひび割れ対策などについてまるっと解説していきます。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学の土木工学科卒業(学士、コンクリート研修室所属)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 転職活動経験あり(現在フリーランス)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信中!

マスコンクリートの定義や基準

宮ヶ瀬ダム(マスコンクリート)

マスコンクリートの定義は以下のとおりです。

【部材あるいは構造物の寸法が大きく、セメントの水和熱などによる温度上昇を考慮して設計・施工しなければならないコンクリートのこと】

具体的に言えば、ダムや橋梁(下部工)など、大量にコンクリートを使用する工事は気をつけなければいけません。

ただし、部材の拘束や環境温度、材料、配合などの施工の条件によっては、比較的「小型の構造物」であっても、セメントの水和熱に起因した温度ひび割れが問題となる場合は、マスコンクリートとして取り扱い、対策を十分に検討してください。

 

そしてマスコンクリートの施工にあたっては、コンクリート標準示方書に示す温度ひび割れに対する照査条件が、実際の施工条件に合致しているか確認しましょう。

コンクリート標準示方書では、マスコンクリートとして取り扱うべき構造物の目安として、

  • 広がりのあるスラブ:厚さ80~100cm以上
  • 下端が拘束された壁:厚さ50cm以上

としています。

また富配合のコンクリートが用いられる場合には、拘束条件によってはマスコンクリートに準じた扱いが必要です。

マスコンクリートは温度ひび割れが発生しやすいため、必要に応じて【ひび割れ指数】を用いて温度ひび割れの検討を行いましょう。

ひび割れ指数とは、温度ひび割れの発生確率および発生するひび割れ幅を計算によって推定する指数のこと!
ひび割れ指数:I I=f/σ (ひび割れ指数=引張強度/内部応力)

ある材齢におけるコンクリートの引張強度:f

ある材齢で発生するコンクリートの内部応力:σ

ひび割れ指数が「1.0」の場合、ひび割れ発生確率は50%とされており、数字が増えるほどひび割れ発生確率が低下します。

ひび割れを防止したい場合は「1.85」、ひび割れをできるだけ制限したい場合は「1.4」を目標としてください。

 

マスコンクリートの施工条件に基づく温度ひび割れの対策

実際の施工条件に基づく温度ひび割れの対策についてみていきましょう。

まずは、マスコンクリートで考慮すべき事項と照査内容は以下のとおりです。

マスコンクリート

  1. 打ち込み区画の大きさ
  2. リフト高さ
  3. 継目の位置および構造
  4. 打継ぎ時間間隔
  5. 打ち込み温度
  6. 気温
  7. 養生

セメント、混和材料については、設計で定めたものを用いることを原則とします。

それ以外のセメント、混和材料を使用する場合には、特性を考慮して温度ひび割れに関する照査を行ってください。

マスコンクリートに用いるセメントは、一般に中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなどの低発熱型のセメントを使用することが望ましいです。

さらにAE剤、減水剤、AE減水剤または高性能AE減水剤を適切に用いれば、コンクリートのワーカビリティーが改善され、単位水量をへらすことができ、それに伴い単位セメント量もへらすことができます。

これら混和剤を用いることで、コンクリートの温度上昇を小さくできるというわけですね 🙂

 

一方で、鉄筋や目地にも注意が必要です。

ひび割れ幅を抑制するため、配置する鉄筋はひび割れ幅の抑制効果について検討した結果に基づいて適切に配置しましょう。

また、温度ひび割れを抑制するための「ひび割れ誘発目地」は、設計図書で定めた構造とし、所定の位置に設けてください。

 

マスコンクリートの施工における配慮や養生の留意点

つづいては、施工における配慮や養生の留意点についてです。

材料、打ち込み温度、養生に分けて解説していきます。

材料

複数のレディーミクストコンクリート工場で製造されたコンクリートを同一箇所に打ち込む場合には、混合したコンクリートが所要のワーカビリティーを有することを確認しましょう。

また、セメントおよび混和剤は同一種類とし、細骨材、粗骨材も可能であれば同一産地のものを用いることが望ましいとされています。

 

打ち込み温度

コンクリート打ち込み

打ち込み温度が所定の値を超えないように、コンクリートの

  • 運搬距離
  • 運搬方法
  • 打ち込み方法
  • 気象条件

などを考慮する必要があります。

さらにコンクリートの打ち込み温度は、あらかじめ計画された温度の上限値を超えないよう、打ち込み前に温度を計測するなどして確認してください。

実際に打ち込み温度が計画時の上限を超えた場合は、施工計画を変更するなどの処置が必要です。

 

養生

温度ひび割れの防止、あるいはひび割れ幅の抑制が計画どおり行えるよう、打ち込み面および型枠面に対して適切に養生を行います。

とくにマスコンクリートは、コンクリート部材内外の温度差および、部材全体の温度降下速度が大きくならないように、コンクリートの温度をできるだけ緩やかに外気温に近づける配慮が必要です。

そしてマスコンクリート打ち込み後の温度制御養生のひとつとして、パイプクーリングがあります。

パイプクーリングとは、コンクリート内部に設置したパイプに水を循環させ、コンクリートを冷却することで温度ひび割れを抑制する工法

パイプ周りのコンクリート温度と通水温度の差の目安は、20℃程度以下とされています。

 

またコンクリートの型枠は、温度ひび割れの防止あるいはひび割れ幅の抑制が適切にできるよう、材料および構造を選定し、適切な期間存置してください。

型枠の取り外し後における、コンクリート表面の急冷を防止するために効果的な養生方法は、シートなどによりコンクリート表面の保温を継続する方法です。

さらに部材内外の温度を小さくするため、保温性の良い型枠を使用し、型枠の存置期間を長くすることも効果的と言えるでしょう。

 

以上です。

そのほか、コンクリート関連は以下の記事またはコンクリートカテゴリーをご覧ください。

ありがとうございました。

 

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