こんにちは、ちゃんさとです。

こんな疑問にお答えします。
ベーン試験は土質試験のなかの原位置試験に分類されます。
地盤調査に使われるベーン試験についてくわしく見ていきましょう。
この記事を書いている人

- 元公務員の主婦ブロガー💻
- 国公立大学の土木工学科卒業
- その後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらきましたが、人間関係のストレスや組織体制が合わないと感じて退職しました。
- 1級土木施工管理技士の資格もち
- 今はちゃんさとブログで土木施工管理技士や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信をしています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
ベーン試験とは?
ベーン試験とは、斜面や基礎地盤の安定計算に使われる、土の粘着力c(せん断強さ)を求める試験です。
ベーン試験機に十字型の羽(ベーン)をロッドの先端にとりつけて地盤中に押し込みます。
そしてロッドを回転させて、ベーンが地盤をせん断するときのロッドのトルクから土の粘着力cを求めます。
この試験には、ボーリング孔を利用して孔底から地中に押し込む【ボアホール式】と、地表から地中に押し込む【押込み式】があります。
対象とする地盤は軟弱な粘性土地盤であり、一般にN値2以下の粘土、シルトなどの地盤に有効です。
逆に、砂やN値4以上の粘性土に対しては試験の実施がむずかしいとされています。
試験可能な深さはだいたい15mくらいです。
この試験方法は、土質試験のなかの原位置試験に分類され、【JGS 1411「原位置ベーンせん断試験方法」】として基準化されています。
ベーン試験の目的
ベーン試験の目的は、軟弱地盤を判定するために地盤の粘着力を求めることです。
細粒土の斜面や基礎地盤の安定計算などに使われます。
ベーン試験から求められるのはせん断強さ(≒粘着力c)
ベーン試験から求められるのは、土のせん断強さです。
粘着力cとほぼ一致(同じ値)します。
Tv=(M-Mf)/π(D²H/2+D³/6)
言葉の定義
- Tv:ベーンせん断強さ(kN/㎡)
- M:測定最大トルク(kN・m)
- Mf:試験機の摩擦トルク(kN・m)
- D:ベーンブレードの幅(m)
- H:ベーンブレードの高さ(m)
また、回転ロッドの先端につけたベーンをボーリング孔底または地表から押し込んで、所定の速度で回転させたときの測定最大トルクや鋭敏比Stvを求めることができます。
乱した土の場合は、ベーンを10回以上回転させ行います。
鋭敏比Stv=Tfv÷Trv
言葉の定義
- Tfv:乱さない土のベーンせん断強さ(kN/m2)
- Trv:乱した土のベーンせん断強さ(kN/m2)
鋭敏比とは、土がこねくり返された前後の土の強度の比のこと!
土をこねくり返すと土の強度は減少することが多いです。
一般的な粘土の鋭敏比は2~4ですが、関東ロームなどは8~10くらいあります。
鋭敏比の大きければ大きいほど流動化しやすく、施工しにくい状態です。
ベーン試験方法
ベーン試験方法は以下のとおりです。
【ベーン試験フロー】
ベーンを回転させ、測定をくりかえすことで地盤のせん断強さ(粘着力)を求めることができます。
まとめ
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参考になればうれしいです。
今回は以上です。
ありがとうございました。