こんにちは、土木学士ちゃんさとです。
今回のテーマは【道路勾配の計算】について
計算方法や測定機械、道路標識など、道路勾配にまつわる基礎知識をまとめてみました。
ぜひ参考にしてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
この記事を書いた人

- 元公務員(土木)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木)として7年間はたらいた経験をもつ
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報を発信中!
道路勾配の計算方法
道路勾配の計算方法は、道路勾配のパーセンテージ(%)と角度を求める2つのやり方があります。
道路勾配(%)の求め方
道路勾配(%)=垂直キョリ÷水平キョリ×100
たとえば、水平キョリ100mすすむ間に、垂直キョリ1mあがるとすると、
1÷100×100=1%
1%の道路勾配になります。
また、角度が分かっている場合は、
tan(角度)=道路勾配(%)
で求めることができます。
道路勾配(角度)の求め方
道路勾配(角度)=tan⁻¹(垂直キョリ÷水平キョリ)
%と同じように具体例を示します。
水平キョリ100m、垂直キョリ1mだと、
tan⁻¹(1÷100)=0.5729…
約0.57°(度)くらいの角度になりますよ 🙂
道路勾配の測り方
道路勾配は、ホームセンターなどで売っている傾斜(勾配)計などを、道の段差ブロック(路肩ブロック)の上に置くと測れます。
(AD)
道路勾配測り方の注意点
- 路面の凸凹したところは避ける
- 勾配を知りたい中間地点くらいで計測するのがよい
路面はでこぼこがあるので、路面に置く場合は定規などを置いてその上に置くと良いでしょう。
坂道の始まり部および終わり部は緩やかなので(縦断曲線となっている)、その区間を過ぎた中間地点あたりで測るのが望ましいですね 😎
ちなみに勾配を測定する機械の種類はこんな感じです 😛
高度計 | 気圧高度計 | 気圧を測定して高度を表示する計器
高度が高くなると気圧が下がるという関係 気圧高度計を搭載した腕時計及びサイクルコンピュータがある |
GPS高度計 | GPSの機能を使って高度を表示
GPS受信機に搭載されていることがある |
|
傾斜計
(サイクルコンピュータ:道路勾配を計測する機能の付いたもの) |
気圧計を使って高度差を出し、それを距離で割って短区間(100m以上)の平均勾配を表示 | |
重力の向きを検知するセンサーを使って、現在の勾配を表示 |
道路勾配の標識(計算例あり)
道路勾配を表わす道路標識は、上り勾配と下り勾配の2種類あります。
勾配はパーセント(%)で表されていますよ 🙂
ちなみに写真の勾配は9%
角度を計算してみましょう。
水平キョリをY、垂直キョリをXとすると、
9%=X÷Y×100
X/Y=9/100…①
①を角度の式に代入すると、
角度=tan⁻¹(9/100)=5.142…
角度は5.1°くらいということが計算できましたね。
【公式】道路勾配の角度=tan⁻¹(勾配(%)÷100)
まとめ
道路勾配計算まとめ
道路勾配の計算方法
求めるもの | 計算式 | かんたん解説 |
道路勾配(%) | 垂直キョリ÷水平キョリ×100 | キョリから勾配(%)を求める |
tan(角度) | 角度から勾配(%)を求める | |
道路勾配(角度) | tan⁻¹(垂直キョリ÷水平キョリ) | キョリから勾配(角度)を求める |
tan⁻¹(勾配(%)÷100) | 勾配(%)から勾配(角度)を求める |
道路勾配を測る機械は、傾斜(勾配)計や高度計などがある
勾配を表わす道路標識は、上り勾配と下り勾配の2種類ある(%表示)
以上です。
参考になればうれしいです。
いっぽう、道路勾配の基準や道路の種類など、道路に関するものについては、以下の記事がおすすめです。
- 道路勾配の基準かんたん解説【縦断勾配・横断勾配・片勾配・合成勾配】
- 道路の種類をわかりやすく★土木学士がかんたん解説
- 道路(交通)法による車両制限★高さ・重量・幅かんたん解説
- 道路法24条と32条のちがい★わかりやすくかんたん解説
- 道路工事とはどんなお仕事?工事の種類や内容まるっと解説
興味ある方はぜひご覧ください。
ありがとうございました。