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剛体のつり合いをわかりやすく解説!力学かんたん基礎知識(例題あり)

剛体のつり合い

今回のテーマは力学のひとつ【剛体のつり合い】

言葉の定義や剛体つり合いの条件などをわかりやすくまとめました。

例題もありますのでぜひご活用ください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ!

剛体のつり合いをわかりやすく解説!力学かんたん基礎知識(例題あり)

まずは言葉の定義から!

剛体のほか、構造力学の公式が確認したい方はまた別記事でどうぞ!(^^)!

剛体のつり合い①剛体や質点など言葉の定義

力学や物理を勉強していると、分からない単語が出てきたりしますよね。

単語の意味や定義をしっかり理解することで、知識習得に役立ちます。

とくに剛体のつり合いのなかでよく出てくる単語は【剛体】や【質点】の2つです。

剛体 物体に力を加えると、大なり小なり変形しますが、この変形を無視して、物体に加わった物体の運動のみに関係すると考える時、この物体を【剛体】と呼びます。
質点 物体には大きさがあり、いくつか力が働く場合、それらの作用点はふつう離れていますが、このような条件を無視して物体を1つの点と見なします。

そしてすべての力が同じ作用点に働くと考える時、この物体を【質点】と呼びます。

また剛体と質点のちがいは、”回転運動を考えるかどうか”

物体を【質点】と見なす場合には回転運動は考えなくて良いです。

一方、【剛体】においては回転運動が起こり得ると覚えておきましょう。

 

剛体のつり合い②重心が静止しているための条件

剛体にF₁、F₂、F₃・・・の力が働いていても、その重心が静止しているためには、それらの力の合力が0であればOKです。

式にするとこんな感じ 🙂

F₁+F₂+F₃+・・・・=0

実際には、それぞれの力のX成分、Y成分を(F₁x、F₁y)(F₂x、F₂y)(F₃x、F₃y)・・・として

X成分の和、Y成分の和がそれぞれ0になればよいので、

A

1)F₁x+F₂x+F₃x+・・・・=0

2)F₁y+F₂y+F₃y+・・・・=0

が成立すると、剛体の重心は静止しています。

 

 

剛体のつり合い③剛体が回転しない条件

剛体に働く力の合力が0という条件だけでは、偶力となる場合も含まれるので、剛体のつり合い条件としては不十分です。

偶力とは、大きさが等しく向きが反対で、作用線が同一でない2つの力のこと。物体を回転させることができる力だよ!

剛体が回転しないためには、それぞれの力における、任意の定点まわりのモーメントM₁、M₂、M₃・・・の和が0にならなければなりません。

B

式:M₁+M₂+M₃+・・・・=0

つまり、一般に物体にはたらく力が釣り合うのは、以下のA、Bの式が両方成り立つときです。

A F₁x+F₂x+F₃x+・・・・=0

F₁y+F₂y+F₃y+・・・・=0

X,Y方向にかかるそれぞれの力
B M₁+M₂+M₃+・・・・=0 任意の点で回転させる力(モーメント)

 

剛体のつり合い④例題(壁に立てかけた棒のつり合い)

それではここで、剛体のつり合いに関する例題を解いてみましょう。

問題はこちら 🙂

【例題】

1本の棒が壁に立てかけてあります。壁はなめらかですが、床には摩擦があります。棒に働く重力Wのベクトルを基にして、棒に働く力のベクトルをすべて図示しなさい。

剛体のつり合い問題

 

 

 

【解答】

棒が釣り合うためには、棒に働く力の合力が0になることと、力のモーメントの和が0になることの2つをクリアしなければいけないよ!

剛体のつり合い

棒は壁から垂直抗力N₁を受けます。

壁はなめらかであるため、摩擦力はありません。

床からは垂直抗力N₂と摩擦力Fを受けます。

摩擦力の向きは、棒が滑りだそうとする向きと反対であるため、左向きです。

棒に働く力の合力が0になるためには、水平方向でN₁=F、鉛直方向でW=N₂とならなければなりません。

よって、N₂のベクトルと同じ長さになります。

次に力のモーメントの和が0になるためには、N₂とFの合力R(抗力)とN₁、Wの3つの力の作用線が交わればよいです。

つまりN₁とWの作用線の交点をDとし、Dを通るようにRの作用線を決めれば、Fの大きさが決まり、N₁の大きさが確定します。

そのほか、構造力学の問題を解いてみたい方は別記事でまとめていますので併せてご確認ください。

 

剛体のつり合いをわかりやすく解説!力学かんたん基礎知識まとめ

①物体にはたらく力の合力=0

②力のモーメントの和=0

上記2つ条件を満足すれば剛体は釣り合う!

言葉の定義

剛体 物体に力を加えると、大なり小なり変形しますが、この変形を無視して、物体に加わった物体の運動のみに関係すると考える時、この物体を【剛体】と呼びます。
質点 物体には大きさがあり、いくつか力が働く場合、それらの作用点はふつう離れていますが、このような条件を無視して物体を1つの点と見なします。

そしてすべての力が同じ作用点に働くと考える時、この物体を【質点】と呼びます。

剛体と質点の違い 回転運動を考えるかどうかが違い

質点→回転運動を考えない

剛体→回転が起こり得る

 

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛けなどの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信中!

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