こんにちは、土木学士のちゃんさとです。

こんなことありませんか?
名前も似てるし、どっちがどんな役割だったか、こんがらがってしまいますよね~ 🙄
そんなわけで今回は、プライムコートとタックコートのちがいを図解でまとめました。
ぜひ参考にしてください。
この記事を書いている人

- 元公務員の主婦ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(土木学士)
- 某県庁の公務員土木職として7年間はたらきましたが、人間関係のストレスや組織体制が合わないと感じて退職しました。
- 1級土木施工管理技士の資格もちです。
- 今はブログで土木施工管理技士や公務員のあれこれ、仕事などをメインにさまざまな情報発信をしています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
プライムコートとタックコートの違い
プライムコートとタックコートのちがいは、散布箇所(つかう位置)と役割がちがいます。
プライムコートをつかう場所は基層を上層路盤のあいだで、役割は路盤とアスファルトとのなじみをよくするためです。
そしてタックコートは表層と基層につかい、接着の役割をもちます。
一般的な道路断面図
一般的な道路断面 |
表層 |
タックコート (表層と基層のあいだ) |
基層 |
プライムコート (基層と上層路盤のあいだ) |
上層路盤 |
下層路盤 |
路床 |
路体 |
アスファルト乳剤 | タックコート | プライムコート |
散布箇所(使う位置) | 表層と基層のあいだ(アスファルト層) | 基層と上層路盤のあいだ |
種類 | PK4(タックコート用) | PK3(プライムコート用およびセメント安定処理層養生用) |
効果 | 基層と表層の接着を強化する | 路盤とアスファルトのなじみを良くする |

一方で、基層がない断面の場合について考えてみましょう。
考え方としては、アスファルトとアスファルトをつなぐ場合にタックコートと覚えておくと良いです。
だから土や砕石の上にアスファルトを施工するときはプライムコートを使います。
ちなみに瀝青安定処理路盤の上に舗装する場合はタックコートなのでご注意くださいね。
プライムコートの目的
プライムコートを散布する目的は以下のとおりです。
- 路盤表面部に浸透し、その部分を安定させる
- 雨などによる路盤の洗掘、表面水の浸透を防止
- 路盤から水分が毛管上昇するのを遮断する効果
- 路盤とその上に施工するアスファルト混合物とのなじみを良くする
(引用:日本アスファルト協会)

ちなみにプライム(prime)は英語で「最初の、はじめの」という意味です。

プライムコートの施工上の注意点
プライムコートには一般的にPK3(プライムコート用およびセメント安定処理層養生用)と呼ばれるアスファルト乳剤を使います。
散布量は一般に1~2リットル/m2が標準です。
散布面積が広い場合は、アスファルトディストリビュータを用いてまんべんなく散布します。
(参考写真:アスファルトディストリビュータ)
タックコートの目的
タックコートの目的は、アスファルト層である「表層」と「基層」のあいだに散布し、層間の接着を強化することです。

ちなみにタック(tack)というのは英語で「つなげる」、「結合する」という意味があります。
くわしい定義は以下のとおりです。
「新たに舗設するアスファルト混合物層とその下層の瀝青安定処理層、中間層、基層との接着および継目部や構造物との付着を良くするために行います」
(引用:日本アスファルト協会)
タックコートを散布しないと、アスファルト層間の接着強度が弱くなります。
そうすると車が走行するときに層間でズレが生じ、アスファルト層の早期損傷につながってしまうのです。
タックコートの施工上の注意点
タックコートは、一般的にPK4(タックコート用)と呼ばれるアスファルト乳剤を使います。
散布量は0.3~0.6リットル/m2が標準です。
アスファルト乳剤の散布にはプライムコートと同じく、アスファルトディストリビューターを使用します。
(参考写真:アスファルトディストリビュータ)
まとめ
プライムコートとタックコートのちがいは、散布箇所(使う位置)と役割!
一般的な道路断面 |
表層 |
タックコート (表層と基層のあいだ) |
基層 |
プライムコート (基層と上層路盤のあいだ) |
上層路盤 |
下層路盤 |
路床 |
路体 |
アスファルト乳剤 | タックコート | プライムコート |
散布箇所(使う位置) | 表層と基層のあいだ(アスファルト層) | 基層と上層路盤のあいだ |
種類 | PK4(タックコート用) | PK3(プライムコート用およびセメント安定処理層養生用) |
効果 | 基層と表層の接着を強化する | 路盤とアスファルトのなじみを良くする |
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。