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高流動コンクリートの配合やスランプフロー!施工の流れも分かりやすく解説

高流動コンクリート

今回のテーマは【高流動コンクリート】

配合やスランプフローなど、施工技術者たちの疑問をわかりやすく解説していきまーす!

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ!

 

高流動コンクリートの配合やスランプフロー!施工の流れも分かりやすく解説

高流動コンクリートは、その名のとおり、「流動性が高い」コンクリートのことであり、通常のコンクリートより使用する水が少ないのが特徴です。

構造物の形が複雑だったり、鉄筋量が増えたりすることで、コンクリートを密実に充てんすることが難しい場面で活躍するコンクリートと言えるでしょう。

また、振動・締固めなしで型枠の隅々まで充てんできることから、「締固めコンクリート」、「自己充填コンクリート」などと呼ばれたりもします。

 

一方で、似ているコンクリートとして挙げられるのは「流動化コンクリート

高流動コンクリートと流動化コンクリートの違いのひとつは水分量がです。

流動化コンクリートは普通コンクリートに流動化剤を混ぜたものになるので、水分量は普通コンクリートと同じです。

しかし高流度コンクリートは普通コンクリートよりも、使用する水分を少なくした緻密なコンクリートと覚えておきましょう。

また、水セメント比(水結合材比)が小さめに設定されるため、強度・耐久性の特性は、高強度コンクリートに近いものとなります。

 

特徴としては以下のとおりまとめておきますので参考にしてください。

高流動コンクリート

  1. 振動・締め固めなしで型枠のすみずみまで確実に充填できる
  2. 過密な鉄筋でも十分コンクリートが充填できる
  3. 複雑な形状でも十分コンクリートが充填できる
  4. 少ない水での調合であるため緻密なコンクリートになる
  5. バイブレーターの騒音もなく、無騒音で工事ができる
  6. ブリーディング、レイタンスの発生か少ない
  7. 通常のコンクリートと比べて型枠にかかる側圧は大きい
  8. コンクリートポンプによる圧送時の抵抗が大きい

種類としては、粉体系高流動コンクリート、増粘剤系高流動コンクリート、併用系高流動コンクリートの3種類があります。

粉体系高流動コンクリート 増粘剤を使用せず、主に紛体量を増やし、適切な材料分離抵抗性(高粘性)のあるコンクリート

粉体としては、普通ポル トランドセメント、フライアッシュ、シリカヒューム、高ビーライト系ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、石灰石微粉末などが用いられる

増粘剤系高流動コンクリート 増粘剤により、適切な材料分離抵抗性のあるコンクリート
併用系高流動コンクリート 紛体量を増やし適切な材料分離抵抗性があり、増粘剤によってフレッシュコンクリートの品質変動を少なくしたコンクリート

 

高流動コンクリートの配合や施工の流れ

コンクリート打設

製造において、高流動コンクリートは、一般のコンクリートよりも粘性が高いので、練混ぜ性能の高いミキサを選定します。

コンクリート標準示方書(土木学会)では、重力式ミキサではなく、強制練りミキサの使用が指定されています。

なぜかというと、同じ容量なら重力式よりも強制練りのミキサの方が、練混ぜ性能が高いためです。

1回あたりの練混ぜは、ミキサの最大容量の~90%までとし、練混ぜ時間は、90秒以上とすることを原則としています。

また骨材の表面水率の変動が粘性に及ぼす影響が大きいので、配合としては

  • 細骨材の表面水率は5%以下
  • 粗骨材の表面水率は1%以下

となるように管理することが望ましいとされています。

高流動コンクリートは、決められた自己充填性を保持している間に運搬、打設ができるようにする必要があります。

 

コンクリート運搬

コンクリートポンプ

コンクリートポンプを使用するときに、高流動コンクリートは圧送抵抗が大きいため、コンクリートポンプの種類、圧送管径、配管経路、配管長などをしっかり検討する必要があります。

また、補助的にバイブレーターを使用する場合、材料分離が起きないように過度の振動を与えないようにすることもポイントです。

 

型枠について

高流動コンクリートは通常のコンクリートと比べて型枠にかかる側圧は大きくなります。

よって高流動コンクリートは液圧として型枠に作用する力を検討する必要があるため、場合によっては型枠の補強等が必要になります。

 

混和剤や骨材について

混和剤は、高性能AE減水剤がほぼ必ず用いられます。

骨材は、自己充填性を向上させるために実積率の高い骨材の使用が推奨されています。

コンクリート打設

長距離の流動は材料分離を引き起こす可能性があるため、流動距離は構造物の形状、寸法、配筋状態、配筋等を考慮して決定しましょう。

高流動コンクリートは自己充填性が高いコンクリートですが片押しで自由流動させて良い限度の距離が規定されています。

  • JASS5(日本建築学会)の規定:20m
  • コンクリート標準示方書(土木学会):15m
  • 広く平面的に打設する場合:8m

また最大自由落下高さは、5m以下を標準としています。

 

養生

高流動コンクリートは、ブリーディング量が少ないので表面が乾燥しやすいのがデメリット。

乾燥を防ぐために、初期養生をしっかり対策しましょう。

 

高流動コンクリートのスランプフロー

日本建築学会「高流動コンクリートの材料・調合・製造・施工指針(案)・同解説」においては、高流動コンクリートの目標スランプフローを55、60、65cmとしています。

そしてスランプフロー試験の方法は以下のとおり。

スランプフロー試験方法

  1. スランプコーンに詰め始めてから、2分以内に詰め終わらせる
  2. 詰め方は、突き固めや振動を与えない1層詰めとするか、3層詰めの場合、各層5回突き固める
  3. スランプコーンを引き上げる時間は、高さ 30 cm で 2〜3秒とするが、コンクリートがコーンとともに持ち上がる恐れがある場合は、10秒でゆっくり引き上げる
  4. コーンの内側にコンクリートの付着が多い場合は、静かにコンクリートの中心部にかき落とす
  5. コンクリートの動きが止まったら、直径が一番大きく広がった所と、そこと直交する部分の直径を1mm単位で測定する(測定した両直径の差が50mm以上となった場合、試験をやり直す)
  6. フローの流動停止時間を測定する場合は、コーンの引き上げるタイミングでストップウォッチをスタートし、目視でコンクリートの動きが止まったタイミングで止める
  7. スランプフローの結果は、両直径の平均値を5mmまたは0.5cm単位に丸めて表示

ここで簡単に、スランプフロー試験方法のポイントも載せておきます。

粘性が大きくなりがちなスランプフローコンクリートの場合、コーンを引き上げたとき、詰めたコンクリート自体もコーンにへばりついて持ち上がる事があります。

そんなときはコーンの上げ方に気を付け、平板とコーンの隙間からコンクリートが流れ出ていくように”ゆっくり”と引き上げましょう。

スランプフローは1mm単位で測定し、平均値を5mm単位に丸めます。

5mm単位で測定する間違いがよくありますが、1mmで測定し、平均値を5mmに丸めるが正しいやり方です。

一方、一般的なスランプ試験方法も併せて確認しておきましょう。

 

高流動コンクリートの配合やスランプフロー&施工の流れまとめ

流動化コンクリートは普通コンクリートに流動化剤を混ぜたものになるので、水分量は普通コンクリートと同じ

高流動コンクリート

  1. 振動・締め固めなしで型枠のすみずみまで確実に充填できる
  2. 過密な鉄筋でも十分コンクリートが充填できる
  3. 複雑な形状でも十分コンクリートが充填できる
  4. 少ない水での調合であるため緻密なコンクリートになる
  5. バイブレーターの騒音もなく、無騒音で工事ができる
  6. ブリーディング、レイタンスの発生か少ない
  7. 通常のコンクリートと比べて型枠にかかる側圧は大きい
  8. コンクリートポンプによる圧送時の抵抗が大きい
粉体系高流動コンクリート 増粘剤を使用せず、主に紛体量を増やし、適切な材料分離抵抗性(高粘性)のあるコンクリート

粉体としては、普通ポル トランドセメント、フライアッシュ、シリカヒューム、高ビーライト系ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、石灰石微粉末などが用いられる

増粘剤系高流動コンクリート 増粘剤により、適切な材料分離抵抗性のあるコンクリート
併用系高流動コンクリート 紛体量を増やし適切な材料分離抵抗性があり、増粘剤によってフレッシュコンクリートの品質変動を少なくしたコンクリート

日本建築学会「高流動コンクリートの材料・調合・製造・施工指針(案)・同解説」においては、高流動コンクリートの目標スランプフローを55、60、65cmとしている。

スランプフロー試験方法

  1. スランプコーンに詰め始めてから、2分以内に詰め終わらせる
  2. 詰め方は、突き固めや振動を与えない1層詰めとするか、3層詰めの場合、各層5回突き固める
  3. スランプコーンを引き上げる時間は、高さ 30 cm で 2〜3秒とするが、コンクリートがコーンとともに持ち上がる恐れがある場合は、10秒でゆっくり引き上げる
  4. コーンの内側にコンクリートの付着が多い場合は、静かにコンクリートの中心部にかき落とす
  5. コンクリートの動きが止まったら、直径が一番大きく広がった所と、そこと直交する部分の直径を1mm単位で測定する(測定した両直径の差が50mm以上となった場合、試験をやり直す)
  6. フローの流動停止時間を測定する場合は、コーンの引き上げるタイミングでストップウォッチをスタートし、目視でコンクリートの動きが止まったタイミングで止める
  7. スランプフローの結果は、両直径の平均値を5mmまたは0.5cm単位に丸めて表示

 

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 転職活動経験あり(現在フリーランス)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信中!

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