聞いたことあるけどよく分からない【アスベスト】
今回はアスベストの見分け方(酢)について解説していきます。
さらに調べる方法、見た目についてもまとめました。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
アスベストの見分け方(酢)や調べる方法とは?見た目でわかる?
【天井に吹付けられたアスベスト】
アスベストを見た目で判断するのは難しいです。
なぜならアスベストは他の建材と混合しているため、本来の見た目と違うことが多いからです。
そしてロックウールやグラスウールはアスベストに似た見た目をしているため、専門家ではない人では判別が難しいとされています。
ちなみに、アスベストは、繊維が肺に突き刺さったりすると肺がんや中皮腫の原因になることが明らかになり、WHO(世界保健機関)はアスベストを発がん物質と断定しました。
日本でも1968年に制定された大気汚染防止法により、1989年に「特定粉じん」に指定され、使用制限または禁止されるようになりました。
また、アスベストに関連する環境アセスメントについても併せて確認しておくと良いでしょう。
アスベストの見た目の特徴
アスベストは軟らかく、耐熱・耐摩耗性に優れているため、今まではボイラー暖房パイプの被覆や、自動車のブレーキ、建築材料などに広く利用されてきました。
綿や羽のような見た目で、製品によっては青や白、灰色、茶色などと様々な見た目をしています。
さらにアスベストは劣化すると梁や天井などから垂れ下がり、表面が毛羽立つこともあります。
アスベストの見分け方&住宅のどこに使用されている?
アスベスト含有建材は、住宅や倉庫では外(内)壁、屋根、軒裏などに成形板として使用されていることが多いです。
とくに建築の内装では、アスベストが含まれる蛇紋岩は大理石(石材)に似ていることから、床や壁にも多く使用されていました。(現在は原則使用禁止)
変成岩 | 大理石 | ビアンコカララ
トラバーチン オニックス |
硬くて綿密
光沢が美しい |
酸やアルカリに弱い | 内装の床・壁
テーブルの甲版 |
蛇紋岩 | 蛇紋石 | 緑色の縞模様
大理石に似ている |
原石の加工や風化などにより石綿(アスベスト)になる
※現在は原則として製造・使用禁止 |
内装の床・壁
※現在は原則として製造・使用禁止 |
またビルや公共施設では、梁・柱の耐火被覆、機械室などの天井・壁の吸音用などに吹付け材として使用されています。
一方、アスベストは材料の色や光沢の色は、青色、灰色、白色、茶色に仕上がっています。
青色の場合は、クロシドライト(青石綿)による吹付け石綿であり、茶色の場合は、アモサイト(茶石綿)による吹付け石綿です。
2層吹きになっている場合は、下吹きが青色または灰色、上吹きが白色の場合は吹付け石綿であることが多いでしょう。
【アスベスト★イメージ】
また吹き付けアスベストの場合、かんたんな見分け方があります。
外壁や屋根、断熱材などを指で剥ぎ取り、指先でコロコロと転がしてみてください。
通常は粉々に砕けて粒状になりますが、アスベストが含まれていると繊維の状態を維持します。
そして指で剥ぎ取ったものに酢をかけてみましょう。
普通は酢酸の効果で建材が溶け始めますが、アスベストが含まれている場合は、酢を吸収してゲル状に変化します。
ただし、目視や簡易的な見分けだけでの判別はむずかしいでしょう。
住宅であれば建築を担当した会社に、公共的な建築や土木の構造物であれば、工事の資料を保管している可能性がありますので確認してみるのも良いです。
一方、アスベストと似ているロックウールとの比較をまとめましたのでぜひご確認ください。
見分け方 | アスベスト | ロックウール |
お酢(酸)をかける | 溶けない | 溶ける |
顕微鏡を使う | 直径の細い繊維が束になっている | 棒状で繊維の直径が太く束にはならない |
指で触る | 手のひらに載せて指でこすっても砕けず繊維状を保つ | 手のひらに載せて指でこすると粉々になる(繊維状にみえない) |
アスベストの見分け方(酢)や調べる方法とは?見た目でわかる?まとめ
アスベストとは、日本語では「石綿」とも言われ、天然に存在する繊維状の鉱物
他の建材と混ざっていることが多いため、専門家でないとアスベストを見た目で判断するのは難しい
吹き付けアスベストの見分け方
➀外壁や屋根、断熱材などを指で剥ぎ取り、指先でコロコロと転がす
⇒通常は粉々に砕けて粒状になるが、アスベストが含まれていると繊維の状態を維持する
②指で剥ぎ取ったものに酢をかけてみる
⇒普通は酢酸の効果で建材が溶け始めるが、アスベストが含まれている場合は、酢を吸収してゲル状に変化する
見分け方 | アスベスト | ロックウール |
お酢(酸)をかける | 溶けない | 溶ける |
顕微鏡を使う | 直径の細い繊維が束になっている | 棒状で繊維の直径が太く束にはならない |
指で触る | 手のひらに載せて指でこすっても砕けず繊維状を保つ | 手のひらに載せて指でこすると粉々になる(繊維状にみえない) |
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
- ブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信
- 書籍【土木技術者のための土木施工管理の基礎】好評発売中!