今回のテーマは【コンクリートひび割れの補修工法】について!
コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針を参考に、主な材料や注入工法についてまとめました。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
コンクリートひび割れの補修工法とは?注入工法や材料の分類も解説
乾燥収縮などのひび割れを補修するときに、まずはひび割れ部の挙動について確認します。
ひび割れの挙動は小または大の2つに分けられ、動く可能性があるなら「大」と判断しましょう。
小と大、それぞれの適用可能なひび割れ幅と工法は以下のとおりです。
ひび割れの大きさ | 適用可能なひび割れ幅 | 工法 |
小 |
0.2mm未満 | 塗膜弾性防水材
ポリマーセメントペースト |
0.2~1.0mm | エポキシ樹脂系注入材
アクリル樹脂系注入材 注入用ポリマーセメント |
|
1.0mm以上 | ポリマーセメントモルタル
可とう性エポキシ樹脂 |
|
大 | 適用可能なひび割れ幅 | 工法 |
0.2mm未満 | 塗膜弾性防水材 | |
0.2~1.0mm | (軟質系)エポキシ樹脂系注入材
アクリル樹脂系注入材 |
|
1.0mm以上 | シーリング材(ウレタン樹脂、シリコン樹脂)
可とう性エポキシ樹脂 |
(参考引用:コンクリートのひび割れ調査、補修・補強指針)
挙動があるときは、セメントはひかえたほうが良いとされています。
一方で、主なひび割れパターンについては別記事でご確認ください。
コンクリートひび割れの補修工法!主な注入工法&材料
コンクリートひび割れにおける、主な注入工法や材料をみていきましょう。
NETIS登録されている(いた)ものをピックアップしました。
国土交通省によって運営されNew Technology Information System の頭文字をとり、ネティスと呼ばれているよ
工法・材料名 | 材料 | 適用幅 | 注入方式 | |
工法 | ビックス工法 | エポキシ樹脂 | 0.2~1.0mm | 低圧式 |
IPHシステム | エポキシ樹脂 | - | 低圧式 | |
アルファ―ゾルG注入工法 | 特殊ポリマー樹脂 | - | 高圧式 | |
ビトパッカー工法 | アクリル樹脂 | 0.2未満も可能 | 高圧式 | |
リハビリシリンダー工法 | 超微粒子高炉スラグ+亜硝酸リチウム | 0.2~0.5mm | 低圧式 | |
Qロック工法 | アクリル樹脂 | ~0.2mm | 塗布型 | |
CAP工法 | エポキシ樹脂 | ~0.3mm | 塗布型 | |
材料 | ハイスタッフ | 超微粒子高炉スラグ | 0.2~1.0mm | 高圧式 |
TSクラックフィラー | 超微粒子セメント | 0.15mm~ | 高圧・低圧 | |
無機質結晶増殖型注入材 | 高炉スラグ微粒子 | 0.05~1.0mm | 低圧式 | |
ADOX1380W | エポキシ樹脂 | 0.2mm~ | - |
注入方式の違いは、
- 低圧注入用器具
- 高圧注入方法
- 塗布方式
の3つです。
低圧注入用器具には、ビックス工法のゴム圧方式やIPHシステムのばね方式などがあります。
高圧注入方法はビトパッカー工法、塗布方式はCAP工法などが有名です。
さらにコンクリートの技術が発展し、コンクリート自身がひび割れをなおすものも出てきています。
コンクリートひび割れの補修工法とは?注入工法や材料の分類も解説まとめ
コンクリートひび割れの補修方法と材料
ひび割れの大きさ | 適用可能なひび割れ幅 | 工法 |
小 |
0.2mm未満 | 塗膜弾性防水材
ポリマーセメントペースト |
0.2~1.0mm | エポキシ樹脂系注入材
アクリル樹脂系注入材 注入用ポリマーセメント |
|
1.0mm以上 | ポリマーセメントモルタル
可とう性エポキシ樹脂 |
|
大 | 適用可能なひび割れ幅 | 工法 |
0.2mm未満 | 塗膜弾性防水材 | |
0.2~1.0mm | (軟質系)エポキシ樹脂系注入材
アクリル樹脂系注入材 |
|
1.0mm以上 | シーリング材(ウレタン樹脂、シリコン樹脂)
可とう性エポキシ樹脂 |
工法・材料名 | 材料 | 適用幅 | 注入方式 | |
工法 | ビックス工法 | エポキシ樹脂 | 0.2~1.0mm | 低圧式 |
IPHシステム | エポキシ樹脂 | - | 低圧式 | |
アルファ―ゾルG注入工法 | 特殊ポリマー樹脂 | - | 高圧式 | |
ビトパッカー工法 | アクリル樹脂 | 0.2未満も可能 | 高圧式 | |
リハビリシリンダー工法 | 超微粒子高炉スラグ+亜硝酸リチウム | 0.2~0.5mm | 低圧式 | |
Qロック工法 | アクリル樹脂 | ~0.2mm | 塗布型 | |
CAP工法 | エポキシ樹脂 | ~0.3mm | 塗布型 | |
材料 | ハイスタッフ | 超微粒子高炉スラグ | 0.2~1.0mm | 高圧式 |
TSクラックフィラー | 超微粒子セメント | 0.15mm~ | 高圧・低圧 | |
無機質結晶増殖型注入材 | 高炉スラグ微粒子 | 0.05~1.0mm | 低圧式 | |
ADOX1380W | エポキシ樹脂 | 0.2mm~ | - |
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
- ブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報を発信
- 書籍【土木技術者のための土木施工管理の基礎】好評発売中!