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埋戻し土A・B種別や埋め戻しの作業手順・注意点などかんたん解説

埋め戻し土(基本&注意点)

こんにちは、1級土木施工管理技士のちゃんさとです。

 

今回のテーマは【埋戻し(土)】

埋め戻しとは、建物の基礎や配管などを埋めるために掘削(土を掘ること)した土を、地面に戻す作業のことです。

土木や建築工事でよく使われる専門用語と言えますね。

【掘削・床掘・埋戻し】積算のちがいや使い分けについては別記事でご確認ください。

そんなわけで、土木(建築)の基本である【埋戻し】についてA・B種別や作業手順・注意点などを解説していきます。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ!

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信しています。
  • 書籍【土木技術者のための土木施工管理の基礎】好評発売中!

 

【埋戻し土】A・B・C・D種別の材料や工法の違い

土木作業(埋め戻し)

工事などで埋戻しを行う際は、基本的に現場で掘削した土を元に戻すことが基本です。

しかし例えば、現場の地盤が軟弱だと、構造物が沈下してしまうおそれがあります。

また反対に、岩石や玉石が多いと埋設物を破損してしまう可能性があります。

だからそんなときは、建設発生土をそのまま使うのではなく、良質な土に置き換えて埋め戻すことがあるというわけです。

 

埋戻し土は大きく分けて4種類あります。

A~D種で金額や性質も違いますし、埋戻し土の種別は、工事発注者の仕様書により指定されることもあります。

以下は、A種~D種までの埋戻し土の種別です。

種別 材料 工法
A種 山砂等の良質土で、水締めのきく砂質土 水締め、機器による締固め
B種 工事現場内で発生した根切り土の中で、有機物やコンクリート塊等を含まない良質土 機器による締固め
C種 他の工事現場での建設発生土で良質な土 機器による締固め
D種 再生コンクリート砂 水締め、機器による締固め

 

埋戻し土A種

A種は山砂の砂質土であり、良質土を指します。

埋戻し土は、腐植土や粘性土よりも砂質土を用いる方が良いです。

透水性の良い砂質土とし、とくに山砂は川砂や海砂と比べて均等係数が最も高く(色々な粒径が混じっている)、締固めて強固になるからです。

締固めは、水締めや機器による工法が可能です。

 

また、山砂における特徴を以下にまとめておきましたので参考にしてください。

山砂の特徴

  • 最大粒径 100mm以下
  • 4.75mmふるい通過質量百分率 25~100%
  • 75μmふるい通過質量百分率  0~25%
  • 塑性指数 10以下

 

埋戻し土B種

B種は根切りによって発生した砂質土です。

根切り(ねぎり)とは、建物の基礎や地下室などをつくる場合に、地盤面下を掘削して、所要の空間をつくること。

「根伐り」と書くこともあるよ

これは有機物やコンクリートガラなどを含まない良質土を想定しているので、現場の地盤が粘土層や有機物の多い(畑の土)場所では、B種にできません。

 

埋戻し土C種・D種

C種とD種は、建設発生土における産廃の有効利用が目的です。

工事間でのやりとりを行い、できる限り建設発生土を抑えることが推奨されています。

 

一方で、現場の土を有効利用し埋め戻し土に使用する方法もあります。

それは軟弱地盤にセメントや石灰を混ぜて地盤を強くする方法です。

土を敷き均してから石灰等を散布し混合させ転圧するという手順で作業が行われます。

ただし施工にあたっては、土と石灰の混合方法や割合などが安定処理の効果を左右するので、試験施工を行い、その結果を確認した後に実施することが必要です。

土と石灰添加量との関係を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。

土の種類 石灰の種類 試験配合比 摘要
粘土あるいは粘土分の多い土 消石灰 5~15% モンモリロナイト系粘土は効果大

関東ロームの場合は15~25%は必要な場合あり

高含水比粘性土は生石灰が有効

生石灰 3~15%
シルト質の土 消石灰 5~10% 粘土分が適当量含まれると有効

※試験配合比は、5mm以下の土の乾燥重量に対する百分率

 

埋め戻しの作業手順!水締め方法や締固め(転圧)機械について

振動ローラ

埋め戻しの方法は以下のとおりです。

  • 水締め
  • 機械による締固め

水締めとは、砂に水をかけながら締め固めていく工法です。

水締めを行うには、埋め戻しの土が十分に水のいきわたる透水性の良い砂であることが前提である点に注意してください。

一方で、透水性の悪い砂質土、粘土質の土には、ローラーなどの機械を使って締め固めを行いましょう。

締固め機械の種類はこんな感じ 🙂

締固め機械の種類

  1. ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)
  2. タイヤローラ
  3. タンピングローラ
  4. タンパ(ランマ―)
  5. 振動コンパクタ
  6. 振動ローラ

また埋め戻しの作業の一例としては、ダンプやなどで土砂を運搬し、バックホウなどで掘削・行います。

さらにバックホウのほか、クレーンなどで埋め戻す場合もあります。

 

埋戻し(土)作業手順の注意点

埋め戻しにおける注意点はこんな感じです。

埋戻し作業の注意点

  1. 現地地盤の土質に応じて適切な機種、重量の締固め機械を選定する
  2. 軟弱地盤または地下水位が高い場合は排水処理を行う
  3. 埋め戻した際、構造物とのすりつけ部や端部は締固めが不十分となりやすいので小型機械(タンパやランマ)を積極的に使用する

また併せて、法面排水の工法や注意点についてもチェックしておきましょう。

 

埋め戻し土はしっかり締固めを行わなければなりません。

理由は、良質な土をローラなどの締固め機械で締め固めると、土は圧縮され破壊されながら配列を変え、大きな粒子の間隙をより細かい粒子が埋めて密な状態となります。

こうした高密度に締め固められた土は、外部からの水浸の影響を受けにくくなり、安定した状態を保つことができるというわけです。

また、土の密度が高まることで地盤の圧密沈下や変形を防ぎ、結果、構造物の沈下や傾きも防ぐことができます。

 

埋戻し土A・B・C・D種別や埋め戻しの作業手順・注意点まとめ

種別 材料 工法
A種 山砂等の良質土で、水締めのきく砂質土 水締め、機器による締固め
B種 工事現場内で発生した根切り土の中で、有機物やコンクリート塊等を含まない良質土 機器による締固め
C種 他の工事現場での建設発生土で良質な土 機器による締固め
D種 再生コンクリート砂 水締め、機器による締固め

水締めとは、砂に水をかけながら締め固めていく工法

水締めを行うには、埋め戻しの土が十分に水のいきわたる透水性の良い砂であることが前提である点に注意が必要!

一方で、透水性の悪い砂質土、粘土質の土には、ローラーなどの機械を使って締め固めを行うこと。

締固め機械の種類

  1. ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)
  2. タイヤローラ
  3. タンピングローラ
  4. タンパ(ランマ―)
  5. 振動コンパクタ
  6. 振動ローラ

埋戻し作業の注意点

  1. 現地地盤の土質に応じて適切な機種、重量の締固め機械を選定する
  2. 軟弱地盤または地下水位が高い場合は排水処理を行う
  3. 埋め戻した際、構造物とのすりつけ部や端部は締固めが不十分となりやすいので小型機械(タンパやランマ)を積極的に使用する

以上です。

ありがとうございました。

 

 

 

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