今回のテーマは【交通容量】
交通計画に属する分野で、道路条件や交通条件を表したものです。
設計基準交通量や可能交通量の求め方について解説していきます。
いくつか種類があるので、サクッと確認しておきましょう。
交通容量とは?求め方&設計基準交通容量や可能交通量・30番目時間交通量
交通容量とは、ある道路条件や交通条件のもとで、道路上のある地点を通過できる最大の交通量のことを指します。
一般には、ひとつの車線上または道路上の一断面を、1時間に通過できる自動車の最大数である「時間交通量」を指すことが多いようです。
とはいえ、道路の種類もさまざまであるため、交通容量(または交通量)にもいくつか種類があります。
交通容量の種類
- 基本交通容量(台/時)
- 可能交通容量(台/時)
- 設計交通容量(台/時)
- 設計基準交通量(台/日)
基本交通容量(台/時)の求め方
基本交通容量とは、理想的な道路条件および交通条件のもとで、単位断面を単位時間内に通過できる最大の乗用台数のこと。
「理想的な」条件をもう少し具体的に記述すると、
- 幅員が十分にある(3.5m以上)
- 側方余裕が十分にある(1.75m以上)
- 乗用車のみ
- 速度制限なし
などの条件が挙げられます。
これらの条件から基本交通容量を算出します。
可能交通容量(台/時)の求め方
可能交通容量は、実在する道路および交通条件のもとで通過できる最大の台数で、具体的には、基本交通容量に道路条件や交通条件による補正率を乗じて算出します。
補正率の種類としては、①幅員による補正②側方余裕による補正③沿道条件による補正④大型車混入率による補正などです。
ちなみに大型車などは乗用車に換算して考えます。
その大型車混入による乗用車への換算係数は、大型車の混入率が一定であれば、道路の縦断勾配が大きくなると増加するので、可能交通容量を算出するための補正値は減少することになります。
設計交通容量(台/時)の求め方
設計交通容量は、道路を設計する場合に、一定水準以上の交通状態を保持できるように設定した交通容量です。
可能交通容量に、3段階ある計画水準に応じた低減率を乗じて算出します。
設計基準交通量(台/日)の求め方
設計基準交通量とは、設計交通容量(台/時)を日交通量(台/日)に換算したものです。
以下に設計基準交通量を算出するまでの流れを示します。
算出の流れ
①基本交通容量(台/時)
↓ 道路条件・交通条件による補正
②可能交通容量(台/時)
↓ 計画水準(3段階)による低減率
③設計交通容量(台/時)
↓ 24時間(1日)交通量に換算
④設計基準交通量(台/日)
一方で、道路勾配の計算なども併せてチェックしておくとよいでしょう。
30番目時間交通量とK値とは?
1年にわたる各1時間ごとの交通量を24時間×365日(=8,760個)だけ計測して、それを大きい順に並べたときの30番目の値のこと。
つまり、30番目時間交通量は、その1年間でこの交通量を超えた時間を合計すると30時間となる値です。
なお一般には、30番目時間交通量を設計時間交通量としています。
また、年平均交通量に対する30番目の時間交通量の比率(%)をK値とし、以下の式で表します。
K値=30番目の時間交通量/年平均日交通量(%)
交通容量の求め方!設計基準交通容量や可能交通量・30番目時間交通量まとめ
🚙交通容量とは、ある道路条件や交通条件のもとで、道路上のある地点を通過できる最大の交通量のこと
交通容量(交通量)の種類 | 概要 |
基本交通容量 | 理想的な道路条件および交通条件のもとで、単位断面を単位時間内に通過できる最大の乗用台数のこと。 |
可能交通容量 | 実在する道路および交通条件のもとで通過できる最大の台数で、具体的には、基本交通容量に道路条件や交通条件による補正率を乗じて算出する |
設計交通容量 | 道路を設計する場合に、一定水準以上の交通状態を保持できるように設定したもの |
設計基準交通量 | 設計交通容量(台/時)を日交通量(台/日)に換算したもの |
設計基準交通量の求め方
①基本交通容量(台/時)
↓ 道路条件・交通条件による補正
②可能交通容量(台/時)
↓ 計画水準(3段階)による低減率
③設計交通容量(台/時)
↓ 24時間(1日)交通量に換算
④設計基準交通量(台/日)
🚙30番目時間交通量は、その1年間でこの交通量を超えた時間を合計すると30時間となる値で、一般には、30番目時間交通量を設計時間交通量としている
以上です。
ありがとうございました。