公務員・仕事 仕事 土木全般

ダムの緊急放流とは?元ダム管理担当者が分かりやすく解説!

ダムの緊急放流

こんにちは、ちゃんさとです。

 

今回はダムの【緊急放流】について解説します。

私は某県庁の地方公務員土木職として、ダムの管理を行う部署ではたらいていました。

ダム管理経験者の私が【緊急放流】について分かりやすく説明します。

 

ちなみにこの「緊急放流」という言葉は正式名称ではありません。

正しくは、「異常洪水時防災操作(いじょうこうずいじぼうさいそうさ)」と言います。

でも固苦しいので【緊急放流】で説明しますね。

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと 女性♀既婚 1992年生まれ
  • 元地方公務員(土木職)の主婦ブロガーです。
  • 1級土木施工管理技士の資格を取得しています。
  • 県庁の公務員土木職で異動は3回経験し7年間はたらきました。
  • 経験した仕事内容は、整備(道路、河川、砂防)、水道、ダムの工事や維持管理の仕事です。
  • 現在は、土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事などをメインにブログでさまざまな情報発信をしています。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

ダムの緊急放流とは?~分かりやすく教えて~

 

ダム放流

 

ポイント

「緊急放流」とは、ダムが貯められる水量をはるかに超える水量、まさに、異常な洪水が起こったときに、入ってきた水(流入量)と同じ量(放流量)を下流に流すこと!

つまり、流入量=放流量です。

 

ダムにはもう貯めることができないよというサインなんです。

この操作を開始時点で、ダムはもうキャパオーバーで、ダムの特性である水を貯めるということはできなくなっています。

ここ最近の異常気象は、10年前~40年前ほどと比べると全く異なるものです。

 

多くのダムは30年~40年ほど前につくられています。

今後はこの異常気象に対して、ダムの更新工事や修繕工事または流入量予測システム業務などが増えていくでしょう。

実際に国や県では老朽化対策への予算がつき、さまざまな対策が急ピッチで進められています。

 

 

ダムの緊急放流をしなかったらどうなるの?~分かりやすく教えて~

洪水被害

 

それでは逆に【緊急放流】をしなかった場合どのようなことが起こるのでしょうか。

例えば、大雨のときにダムの放流操作をしなかったとします。(ゲートダムの場合)

そうすると、どんどんダムの水位は上がっていき、ダムの堤頂(一番高いところ)から一気に下流へ水が流れてしまう越流(えつりゅう)または、ダム決壊(ダムが壊れる)のおそれがあります。

 

ダムの規模にもよりますが、いつも流している水の量よりも何十倍、何百倍もの水(もしくはそれ以上)が、一気が下流に流れます。

その結果、下流の河川で氾濫が起こり、道路が冠水したり、家が浸水してしまう可能性が出てくるわけです。

 

また、この越流状態になると、ダムを管理している人たちも、下流にどれくらいの水が流れ込み、どんな状態になってしまうのか分かりません。

下流に住む人たちの安全を第一に考えているため、ダムを管理する人たちはこの状態を絶対阻止しなければなりません。

もちろん、緊急放流をしなくて済むのならそれに越したことはありません。

 

しかし緊急放流をするときは、相手が自然(雨や台風)であるため、ほとんどがやむを得ない状況です。(雨の量はある程度の予測はできるが正確な数字は分からないから)

大雨や台風のとき、ダムでは常に下流が氾濫しないよう、大雨の時などは24時間体制で放流量を調整しています。

いっぽうで【緊急放流】をしない場合でも、大雨などにより河川は氾濫する場合もあります。

「緊急放流をしたから河川が氾濫した」という考え方ではなく、

「緊急放流をしなければいけないほど、今までに考えられなかった雨が降っている」という考え方が正しいです。

 

いっぽう、緊急放流時のダム管理職員の仕事内容については、以下の記事でくわしく書いています。

【緊急放流】の誤解を解く!仕事内容から元ダム管理職員が解説

興味のある方はどうぞ!

 

 

ダム水の使い道や役割とは?

ダム全体(寺山ダム)

ここまで、ダムの緊急放流についてお話ししました。

そんななかで、こんな質問をされたことがあります。

台風がくると分かっていれば、ダムを空っぽにしておけばよかったのでは?

たしかにこう考える人もいますよね。

 

しかし、ダムの役割は洪水に備えるためだけではないのです。

ダムの水は使い道が2つあります。

ダムの水の使い道

  • 治水(ちすい)
  • 利水(りすい)

の2つです。

 

ちすい…?りすい…?

簡単に説明すると、

治水(ちすい):洪水などから下流を守るため、ダムで放流する水の量を調節すること(洪水調節)

利水(りすい):ダムに貯めた水を、農業用水、水道用水・かんがい用水・発電に利用すること

この2つの役割があります。

どちらも大切な役割です。

もちろん事前に台風がくることが分かっていればできる限り水位を低くしています。

しかし利水という役割もあるため、ダムを空っぽにすることは不可能なのです。

 

さらにくわしくダムの役割やランキングなどについて知りたい方は、以下の記事をどうぞ!

ダムの役割とは?ダムの構造と種類まとめ

日本のダムランキング(高さ・貯水量・発電量・堤体積)

 

まとめ

まとめると、

ダム緊急放流まとめ

  • 緊急放流とは、流入量=放流量
  • 緊急放流の時は、ダムはもうキャパオーバー!
  • 緊急放流しないと越流やダム決壊のおそれがあり、河川氾濫の可能性が高まる!
  • 緊急放流しなくても大雨により河川氾濫は起こりうる!
  • ダムには治水と利水の2つの役割があるため、ダムを空っぽにはできない

 

【緊急放流】の意味、なんとなく分かっていただけたでしょうか。

【緊急放流】するということは、異常気象により非常事態が起こっているということです。

河川の近くにお住まいの方々はとくに、市町の誘導やハザードマップに従ってすぐに避難をしてくださいね!

 

 

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

-公務員・仕事, 仕事, 土木全般

© 2022 土木LIBRARY Powered by AFFINGER5