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ダムの役割とは?ダムの働きや構造&種類まとめ

ダムの働きや役割

こんにちは、ちゃんさとです。

 

ダムの働きや役割ってなんだろう?

ダム管理の経験がある私が、こんな疑問をサクッと解決。

ダムの働きや役割、種類や構造についてまとめましたので、参考にしてください。

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと 女性/既婚 1992年生まれ
  • 元公務員の主婦ブロガー💻
  • 国公立大学の土木工学科卒業
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらきましたが、人間関係のストレスや組織体制が合わないと感じて退職しました。
  • ダム管理や水道、道路、河川、砂防などの経験あり
  • 1級土木施工管理技士の資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信をしています。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

 

ダムの役割や働き

ダムの役割は、

  1. 洪水調節
  2. 農業用水の供給
  3. 工業用水の供給
  4. 水道水の供給
  5. 発電などの利水のため
  6. 河川の流水機能の維持

などが挙げられます。

ダムの働きは、洪水時には水を貯めたり、雨が少ない時は流す水を増やしたりして、水の量(河川)を調整しています

たとえば洪水時など、ダムがなければそのまま河川はあふれ、道路が冠水したり、家が浸水したりしてしまいます。

ダムは水量を調整をすることで、わたしたちの安全な暮らしを守ってくれているのです。

 

 

さらにこまかく分類すると、以下の表のようになります。

分類 役割 内容 代表的な日本のダム
治水 洪水調節 計画した水量を超えないように水量を調整し、洪水被害を軽減する 加治川治水ダム

益田川ダム

河川流水機能維持 河川の正常かつ一定流量を維持して、魚類などの河川生態系の保護を目的とする 品木ダム(湯川)

坂本ダム(碓氷川)

利水 農業用水の供給 土地改良事業、かんがい排水事業などの対象農地に農業用水を供給する 大迫ダム(紀の川)

北山ダム(嘉瀬川)

工業用水の供給 製紙、製鉄、精密機械などの工場などに工業用水を供給する 府中ダム(綾川)

河内ダム(板〇川)

上下水道用水の供給 飲料水や水洗用水などの上水道用水に供給する 小河内ダム(多摩川)

笹流ダム(笹流川)

発電 水位の落差を利用し発電をおこない、工業用、家庭用などの電力を供給する 黒部ダム

佐久間ダム(天竜川)

レクリエーション ダム観光やボート競技などのスポーツを目的に、水位を維持する 武庫川ダム(武庫川)

石井ダム(烏原ダム)

複合 多目的ダム 上記の複数の目的を兼ね備えており、国や県が管理する大規模なダムが多い 奥三面ダム(三面川)

玉川ダム

宮ケ瀬ダム(中津川)

九頭竜ダム

塩原ダム

 

また、ダムでよく使われることばをまとめました。

意味を確認しておきましょう。

ダムの諸元 単位 内容 ダム概略図
提高 基礎岩盤設置部からダム堤頂までの高さ ダムの構造★概略図
堤頂長さ ダム堤頂全体の長さ
提体積 ダム提体の体積
総貯水量 満水時の貯水総量で、洪水調節容量、利水容量、堆砂容量、死水容量の合計
有効貯水量 総貯水量から堆砂容量と死水容量を引いた治水・利水に利用される貯水容量
流域面積 ダム湖に流入するすべての流域の総面積
湛水面積 ダム湖の満水時における表面積

 

 

ダムの種類と構造

ダムの種類はどんなものがあるの?

 

ダムの種類は大きく分けて

  1. 重力式コンクリートダム
  2. アーチ式コンクリートダム
  3. 中空重力式コンクリートダム
  4. バットレス式ダム
  5. 重力式アーチダム
  6. ロックフィルダム
  7. アースフィルダム
  8. コンバインダム(複合ダム)

となります。

 

またさらに内容や構造をくわしく説明すると、以下の表のとおりです。

ダムの種類 内容 ダムの構造
重力式コンクリートダム コンクリートの自重で、提体にはたらく水圧や外力に対抗するもの。

コンクリート量が多く重量が大きくなるので、基礎の岩盤は良質でかたいものでなければならない

重力式コンクリートダムの構造★図解
アーチ式コンクリートダム ダム本体に働く水圧や外力をアーチの形を通して両岸の岩盤に伝えることにより対抗するもの。

アーチ部分は圧縮力がはたらき、コンクリート量は少なくなるが、両岸の岩盤がかたいものでなければならない

アーチ式コンクリートダムの構造★図解
中空重力式コンクリートダム 重力式を変形させたもの

内部が空洞でコンクリート量が少なく経済的

バットレス式ダム 表面のコンクリート壁を胸壁(バットレス)で支えたもの
重力式アーチダム 重力式とアーチ式の特性を兼ね備えたダムで、コンクリート量が少なくて済む
ロックフィルダム 岩石が50%以上を占めるダム

遮水方式により、

  1. 均一型
  2. 表面遮水型
  3. ゾーン型

に分けられる

近くから大量の岩石や遮水用粘土が入手できる場合に適している

ロックフィルダム(均一型・表面遮水型・ゾーン型)図解
アースフィルダム 土が50%以上を占めるフィルダムで、提体全体で遮水する均一型がほとんどである

基礎地盤の弱いところでも施工が可能であるが、高いダムにはあまり適さない

アースフィルダムの構造★図解
コンバインダム(複合ダム) コンクリートとフィルダムの2種類の型式を複合してつくるダム

両岸の地質が異なる場合に適用される

コンバインダム(複合ダム)の構造★図解

 

 

ダムの構造【付帯設備の働き】

つづいては、ダムの付帯設備について説明します。

さらにくわしくダムの設備についてみていきましょう。

 

ダムの主な付帯設備はこちらです。

ダム付帯設備 説明 構造
洪水吐

(こうずいばき)

計画以上の洪水流入に対し、ダムと貯水池の安全を確保するためつくられた放流設備

ダムはかならず洪水吐をつくらなければならない

洪水吐は上流から

  1. 流入部
  2. 導流部
  3. 減勢工

に区分される。

また、洪水調節を目的とするダムでは、

  • 常用洪水吐
  • 非常用洪水吐

の2つをもつダムが多く、余水吐と呼ぶ場合もある

西荒川ダム(洪水吐)
監査廊

(かんさろう)

ダムの提体内部に設置された通路

主に点検、測定、ゲート操作、維持管理のために使われる

ダム監査廊内
取水設備 利水や治水のためにつくられた設備

取水設備の種類は

  1. 提体支持型
  2. 独立塔型
  3. 地山設置型

などがある

また利水目的により、①表面、②中層部、③下層部から取水可能な選択取水がある

寺山ダム取水設備
インクライン 湖内に溜まった流木やごみを排除したり、ダム湖面調査のためのボートをおろしたりする管理用設備

ダムの上流側に設置されることが多い

ダムのインクライン

ダムには提体以外にも、維持管理、安全対策などにおいてさまざまな付帯設備が設置されています。

 

 

まとめ

ダムは私たちの生活に欠かせない水を調整して、安全に暮らせるようにつくられたもの

つくられた目的(治水・利水など)により、ダムの種類や規模はさまざまである

ダムの働きや役割

  1. 洪水調節
  2. 農業用水の供給
  3. 工業用水の供給
  4. 水道水の供給
  5. 発電などの利水のため
  6. 河川の流水機能の維持

ダムの諸元

ダムの諸元 単位 内容
提高 基礎岩盤設置部からダム堤頂までの高さ
堤頂長さ ダム堤頂全体の長さ
提体積 ダム提体の体積
総貯水量 満水時の貯水総量で、洪水調節容量、利水容量、堆砂容量、死水容量の合計
有効貯水量 総貯水量から堆砂容量と死水容量を引いた治水・利水に利用される貯水容量
流域面積 ダム湖に流入するすべての流域の総面積
湛水面積 ダム湖の満水時における表面積

ダムの種類

ダムの種類 内容
重力式コンクリートダム コンクリートの自重で、提体にはたらく水圧や外力に対抗するもの。

コンクリート量が多く重量が大きくなるので、基礎の岩盤は良質でかたいものでなければならない

アーチ式コンクリートダム ダム本体に働く水圧や外力をアーチの形を通して両岸の岩盤に伝えることにより対抗するもの。

アーチ部分は圧縮力がはたらき、コンクリート量は少なくなるが、両岸の岩盤がかたいものでなければならない

中空重力式コンクリートダム 重力式を変形させたもの

内部が空洞でコンクリート量が少なく経済的

バットレス式ダム 表面のコンクリート壁を胸壁(バットレス)で支えたもの
重力式アーチダム 重力式とアーチ式の特性を兼ね備えたダムで、コンクリート量が少なくて済む
ロックフィルダム 岩石が50%以上を占めるダム

遮水方式により、

  1. 均一型
  2. 表面遮水型
  3. ゾーン型

に分けられる

近くから大量の岩石や遮水用粘土が入手できる場合に適している

アースフィルダム 土が50%以上を占めるフィルダムで、提体全体で遮水する均一型がほとんどである

基礎地盤の弱いところでも施工が可能であるが、高いダムにはあまり適さない

コンバインダム(複合ダム) コンクリートとフィルダムの2種類の型式を複合してつくるダム

両岸の地質が異なる場合に適用される

ダムの付帯設備

ダムの付帯設備 概要
洪水吐 計画以上の洪水流入に対し、ダムと貯水池の安全を確保するためつくられた放流設備
監査廊 ダムの提体内部に設置された通路
取水設備 利水や治水のためにつくられた設備
インクライン 湖内に溜まった流木やごみを排除したり、ダム湖面調査のためのボートをおろしたりする管理用設備

 

 

いっぽうダム関連で、ダムの洪水時には【緊急放流】が行われます。

緊急放流とは、ダムの規模を超える大雨などでダムが貯水機能を失ったため、流入量と同じ量を放流することです。

ダムとしての水の調整ができなくなった状態です

さらにくわしく知りたいかたは、以下の記事をご覧くださいね 🙂

【緊急放流】の誤解を解く!仕事内容から元ダム管理職員が解説

ダムの緊急放流とは?元ダム管理担当者が分かりやすく解説!

ダムの規模別ランキングは以下の記事をどうぞ

日本のダムランキング(高さ・貯水量・発電量・堤体積)

 

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

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