こんなお悩みを解決します。
土木や建築工事では、かならずと言っていいほど足場が必要ですよね。
なかでも型枠支保工は足場のなかでもよく使われる工法です。
型枠支保工講習の受験資格(作業主任者)や、届け出の高さ基準、届け出などをざっくりまとめましたので参考にしてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
型枠支保工足場の基準とは?作業主任者や高さ・届け出まるっと解説
型枠支保工を行うには、講習を受け修了試験に合格して【型枠支保工組立て等作業主任者】になる資格を獲得しなければなりません。
型枠支保工の組立て等作業主任者は、2日間にわたる13時間の技能講習を受講し、そのあとの修了試験を受けることで取得可能な資格です。
講習内容は、型枠と型枠支保工の組立て・解体、工事用設備、機械器具、作業環境、作業者への教育などの知識、関係法令などなど。
いっぽうで、とび1・2級の資格があり、かつ2年以上の実務経験があると講習が3時間に短縮されるなど、資格や経験により講習内容が異なります。
講習後の修了試験は、講習をきちんと受けていれば受かるはずです。(たぶん(笑))
型枠支保工組立て等作業主任者講習 | |
受験資格 |
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講習内容 | 講習2日間(13時間)
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受験地 | 全国各地の講習機関 |
受験料 | それぞれの講習機関による(1万円くらい) |
受験申込・問い合わせ | 各都道府県の労働局労働基準部安全課、健康安全課、労働基準監督署
建設業労働災害防止協会 |
型枠支保工足場の組立て等【作業主任者】について
型枠支保工の組立てまたは解体作業については、型枠支保工組立て等作業主任者講習を修了した人のなかから、【型枠支保工組立て等作業主任者】を選任してください。
また、型枠支保工組立て等作業主任者に行わせる職務は以下のとおりです。
- 作業方法を決定し、作業を直接指揮すること
- 材料の欠点の有無ならびに器具・工具を点検し、不良品をとりのぞくこと
- 作業中、安全帯および保護帽の使用状況を監視すること
型枠支保工足場の届け出・基準高さとは?
支柱の高さが3.5m以上ある型枠支保工については、工事開始の30日前までに所轄の労働基準監督署長に届け出ることが義務づけられています。
型枠支保工の届け出基準
- 支柱の高さが3.5m以上
- 工事開始の30日前までに労働基準監督署に届け出る
型枠支保工足場の組立・解体時の注意点
型枠支保工の組立・解体するときの注意点は以下のとおりです。
- 敷角の使用、コンクリートの打設、杭の打ち込みなどのときは、支柱の沈下防止のための措置をおこなうこと
- 支柱の脚部の固定、根がらみの取り付けなど、支柱の脚部の滑動を防止するためのを措置をおこなうこと
- 支柱の継手は、突合せ継手または差込み継手とすること
- 鋼材と鋼材との接続部および交差部は、ボルト・クランプなどの金具を使って緊結すること
- 型枠が曲面のものであるときは、控えを取り付けたりして、型枠の浮きあがりを防ぐこと
- 支柱は大引きの中央に取り付けるなど、偏心荷重がかからないようにすること
- 型枠支保工の組立て・解体などの作業をおこなう区域には、関係作業員以外の作業員の立ち入りを禁止すること
- 強風、大雨、大雪などの悪天候のため、作業の危険が予想されるときは、作業を中止すること
- 材料、器具または工具を上げるまたは下ろすときは、吊り網、吊り袋を使うこと
- 取り外した型枠は、高所から投げたり、落下させたりせず、ロープなど使って損傷を与えないように下ろすこと
- 敷板・敷角をはさんで型枠支保工を段状に組み立てるときは、原則として敷板・敷角を2段以上はさまないこと
- 敷板・敷角をつないでいる場合には、敷板・敷角を緊結して、支柱は敷板・敷角に固定すること
型枠支保工の種類と特徴
いっぽうで【型枠支保工】と一言でいえど、部材の種類によって特徴や注意点が異なります。
鋼管(単管)支柱による支保工
鋼管(単管)支柱で使われる部材などの注意点は以下のとおりです。
鋼管(単管)支柱の部材等 | 注意点 |
水平材 | 高さ2m以内ごとに2方向に水平つなぎを設け、かつ水平つなぎの変位を防止すること |
はり(大引き) | はり、または大引きを上端にのせる場合は、上端に鋼製の端板をとりつけ、これをはり、または大引きに固定すること |
継手 | 突き合わせ継手または差込み継手とすること |
接合部 | 専用器具を使って緊結すること |
根がらみ・敷角 | 滑動・沈下防止のため、根がらみ・敷角を使うこと |
パイプサポート支柱による支保工
パイプサポート支柱を使うときの注意点は以下のとおりです。
パイプサポート支柱の部材や方法 | 注意点 |
パイプサポート |
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水平つなぎ | 高さが3.5mを超えるときは、2m以内ごとに2方向に水平つなぎを設けること |
接合部 | 専用金具(ボルト・クランプ等)で緊結すること |
パイプサポート・補助サポート・ウィングサポートの材料については、厚生労働大臣の定める構造規格に適合するものを使ってください。
鋼管わく支柱
鋼管わく支柱を使うときの注意点は以下のとおりです。
- 鋼管わくと鋼管わくとのあいだに交差筋かいを設けること
- 最上層および5層以内ごとに、2方向に水平つなぎを設けること
- はり、または大引きを上端に乗せる場合は、上端に鋼製の端板を取りつけ、これをはり(大引き)に固定すること
組立鋼柱による支保工
つづいては、組立鋼柱についてです。
- 高さ4mを超えるときは、高さ4m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けること
- はり、または大引きを上端に乗せる場合は、上端に鋼製の端板を取りつけ、これをはり(大引き)に固定すること
木材による支保工
さいごに、木材支保工の注意点です。
- 高さ2m以内ごとに2方向に水平つなぎを設けること
- 継いで使うときは、2個以上の添え物を使って継ぐこと
- はり、または大引きを上端に乗せる場合は、上端に鋼製の端板を取りつけ、これをはり(大引き)に固定すること
【型枠支保工足場の点検】コンクリート打設時の注意点
コンクリートの打設時に型枠支保工を使っているときは、点検や確認をしっかり行いましょう。
コンクリート打設時の注意点や型枠支保工の点検については以下のとおりです。
点検時の注意点
- 型枠支保工などに偏圧がかからないようにあらかじめ、打設順序および1日の打設高さを定め、均等に打設すること
- コンクリートの打設中の、型枠支保工に異常が認められたときにおける作業中止に関する措置を、あらかじめ確認しておくこと
- 異常があったときは作業を中止して、適切な措置を行うこと
- コンクリートの打設作業を行うときは、その日の作業開始前に型枠支保工を点検し、異常があったときは補修をすること
- コンクリート打設中は、型枠、型枠支保工、シュート、ホッパなどの状態を適宜点検し、安全を確かめること
型枠支保工足場の基準とは?作業主任者や高さ・届け出まるっと解説まとめ
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国公立大学の土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。