土木工事などには欠かせない【建設機械】
建設機械とコーン指数、運搬距離、土木作業などとの関係(目安や適用基準)をまとめましたので参考にしてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
この記事を書いた人

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- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
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建設機械の走行時におけるコーン指数(目安)
建設機械は現場の土の硬軟により、その走行性が著しく変化します。
この走行性のむずかしさ(容易さ)を表すものを【トラフィカビリティ】といい、コーン指数によって判定します。
コーン指数とは地盤のつよさを表す指標のひとつで、コーンペネトロメーターという機械により測定するのが一般的です。
またコーン指数が大きい土ほど走行性がよいので覚えておきましょう。
【コーンぺネトロメーター概略図】

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建設機械の走行に必要なコーン指数の目安を、以下の表にまとめましたので参考にしてください。
建設機械名 | 走行に必要なコーン指数(kN/㎡) |
超湿地ブルドーザ | 200kN/㎡以上 |
湿地ブルドーザ | 300kN/㎡以上 |
普通ブルドーザ(15t級) | 500kN/㎡以上 |
普通ブルドーザ(21t級) | 700kN/㎡以上 |
スクレープドーザ | 600kN/㎡以上 |
被牽引式スクレーパ | 700kN/㎡以上 |
自走式スクレーパ | 1,000kN/㎡以上 |
ダンプトラック | 1,200kN/㎡以上 |
建設機械と運搬距離の適用基準
つづいては建設機械と運搬距離の関係 🙂
建設機械における、適用距離と勾配基準をまとめましたので参考にしてください。
建設機械名 | 適用距離 | 勾配基準 |
ブルドーザ | 60m以下(短距離) | 30°程度まで |
スクレープドーザ | 40~250m(中距離) | 15~25% |
被牽引式スクレーパ | 60~400m(中距離) | 15~25% |
自走式スクレーパ | 200~1,200m(長距離) | 10%以下
(坂路が短い部分は15%以下) |
ショベル系掘削機 | 100m以内のごく短距離
100m以上はダンプトラックと組み合わせる |
ー |
ショベル系掘削機
(トラクターショベル+ダンプトラック) |
長距離 | ー |
ダンプトラック | 長距離 | 10%以下
(坂路が短い部分は15%以下) |
建設機械と主な土木作業の種類
建設機械と主な土木作業の種類との関係はこちら 😉
土木作業の種類 | 建設機械の種類 |
木の伐開除根 | ブルドーザ
レーキドーザ バックホウ |
掘削 | ショベル系掘削機(バックホウ、ドラグライン、クラムシェル)
トラクタショベル ブルドーザ リッパ ブレーカ |
積み込み | ショベル系掘削機(バックホウ、ドラグライン、クラムシェル)
トラクタショベル |
掘削と積み込み | ショベル系掘削機(バックホウ、ドラグライン、クラムシェル)
トラクタショベル |
掘削と運搬 | ブルドーザ
スクレープドーザ スクレーパ |
運搬 | ブルドーザ
ダンプトラック ベルトコンベア |
敷き均し整地 | ブルドーザ
モータグレーダ タイヤドーザ スクレーパ |
含水量調節 | プラウ
ハロウ モータグレーダ 散水車 |
締固め | ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)
タイヤローラ タイピングローラ 振動ローラ 振動コンパクタ タンパ ブルドーザ |
砂利道補修 | モータグレーダ |
溝堀り | トレンチャ
バックホウ |
法面仕上げ | バックホウ
モータグレーダ |
さく岩 | レックドリル
ドリフタ ブレーカ クローラドリル |
また、建設機械のなかでも締固め機械においては、道路土工要領で基準が定められています。
締固め機械
\ 土質 |
ロード
ローラ |
タイヤ
ローラ |
振動
ローラ |
タンピング
ローラ |
ブルドーザ | 振動
コンパクタ |
タンパ | 備考 | ||
普通型 | 湿地型 | |||||||||
盛土
路体 |
岩塊など
掘削・締固めによっても、容易に細粒化しない岩 |
◎ | ●
大 |
●
大 |
硬岩塊 | |||||
風化した岩や土丹など
掘削・締固めにより部分的に細粒化する岩 |
〇
大 |
◎ | ◎ | ●
大 |
●
大 |
軟岩塊 | ||||
単粒度の砂
細粒分の欠けた切込み砂利 砂丘の砂など |
○ | ○ | ● | ● | 砂
レキまじり土 |
|||||
細粒分を適度に含んだ粒度分布の良い締固め容易な土
マサ 山砂利など |
◎
大 |
◎ | ◎ | ● | ● | 砂質土
レキ混じり砂質土 |
||||
細粒分は多いが鋭敏比の低い土
低含水比の関東ローム 軟質土丹など |
〇
大 |
◎ | ● | 粘性土
レキ混じり粘性土 |
||||||
含水比調節が困難でトラフィカビリティが容易に得られない土
シルト質の土など |
● | 水分を過剰に含んだ砂質土
シルク質土 |
||||||||
高含水比で鋭敏性の高い土
関東ロームなど |
● | ● | 鋭敏な粘性土 | |||||||
路床 | 粒度分布の良いもの | ○ | ◎
大 |
◎ | ● | ● | 粒調材料 | |||
単粒度の粒度分布の悪いレキまじり砂
切込砂利など |
○ | ○
大 |
◎ | ● | ● | 砂
レキ混じり砂 |
||||
法面 | 砂質土 | ◎
小 |
◎ | ● | ||||||
粘性土 | ○
小 |
○ | ○ | ● | ||||||
鋭敏な粘土
粘性土 |
● |
(参考:道路土工要領)
◎⇒有効なもの
○⇒使用できるもの
●⇒トラフィカビリティの関係でほかの機械が使用できないので、やむを得ず使用するもの
●⇒施工現場の規模の関係で、他の機種が使用できない場所でのみ使用するもの
大⇒大型機種
小⇒小型機種
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以上です。
ありがとうございました。