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舗装打ち換え工法の手順や基準!切削オーバーレイとの違いも解説

アスファルト舗装

今回のテーマは【舗装の打ち換え工法や手順・基準】について 🙂

そのほか単価や切削オーバーレイとの違いなどについてもまとめましたので参考にしてください。

また、アスファルトとコンクリートのちがいについて知りたい方は別記事でご確認ください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ!

 

舗装打ち換え工法の手順や基準!切削オーバーレイとの違いも解説

まずはアスファルト舗装の合材の種類や特徴、よく使われる例についてみていきます。

アスファルト舗装と一言でいっても、使う場所や用途によって材料の種類がちがいます。

アスファルト舗装の種類(合材) 特徴 よく使われる例
(再生)密粒度アスファルト舗装 維持管理・補修も簡単といった点でもコストが低く済む

施工が簡単なので工期を短縮することができ、コストカットできる

県道や市道などの道路

駐車場

排水性アスファルト舗装 上部に透水性のアスファルト、下部に非透水性のアスファルトを敷き、その2つの層の間を雨水などが通って排水される

水によるタイヤと地面との摩擦が起きづらくなりハンドルやブレーキが利かなくなるハイドロプレーニング現象の防止が可能

走行安全性向上と車内のロードノイズを軽減できる

高速道路

国道

高密度ギャップアスファルト舗装 加熱アスファルト混合物という、ギャップ粒度を配合した特殊なアスファルトを使用

ギャップ粒度とは様々な大きさの材料を混合してスベリの抵抗を高めるもので、それにゴムや樹脂を加え、さらに滑りづらくなっている

ブレーキをかけた時の停止距離が短くなる

山道

事故の多い場所

透水性アスファルト舗装 粗い材料を使いアスファルトに隙間を生むことによって雨水をしみこませ、地面の下へ浸透させることができる

比較的安価に施工でき、雨水を地面の下に逃がすことができるので側溝などの氾濫防止や水たまりの防止が可能

勾配がある場所では、アスファルト下に浸透される雨水が土壌を洗い流すことによって、強度不足になる可能性もある

歩道

駐車場

保水性舗装 水分を吸収する材質をアスファルト内部に重鎮する

雨が降るとアスファルトの中に浸みこんだ水分が材質に吸収され、雨が止んで気温が上がると、吸収された水分が蒸発する仕組み

打ち水などと同じ気化熱によって路面温度の上昇を防ぐことができる

ヒートアイランド現象は、アスファルトやコンクリートが熱を溜め込むことで引き起こされるが、この方法で緩和できる可能性がある

道路

駐車場

公園

カラーアスファルト舗装 顔料や着色した石などを混ぜ合わせた舗装

無機質な色合いのアスファルトを着色することによって、景観がよくなるだけでなく、高速道路などで路線の区別にも使われている

路線の区別

景観での必要な着色

 

そして、アスファルト舗装の補修・打ち換え方法にもいつくか種類があります。

アスファルト舗装の補修・打ち換え工法 特徴
打ち換え工法 既設舗装のひび割れの程度が大きい場合に、路盤もしくは路盤の一部までを打ち換える
線状打換え工法 打換え工法の一種で、既設舗装に線状にひびわれが生じている場合に、その線状のひびわれ部分のみを打ち換える
切削オーバーレイ工法 既設アスファルト混合物層を切削により撤去してから、その上に加熱アスファルト混合物を舗設する
パッチング工法 既設舗装の路面に生じたポットポール、局所的なひびわれなどをアスファルト混合物で穴埋めする
わだち部オーバーレイ工法 摩耗などによってすり減った部分を補うことを目的として、既設舗装のわだち部のみを加熱アスファルト混合物を舗設する

打ち換え工法は既設舗装のひび割れの程度が大きい場合に、路盤もしくは路盤の一部までを打ち換え、切削オーバーレイ工法は既設アスファルト混合物層を切削により撤去してから、その上に加熱アスファルト混合物を舗設する工法です。

 

アスファルト舗装の新設・打ち換え手順

アスファルト舗装の手順はこちら 🙂

アスファルト舗装の手順

  1. 路床(路体)
  2. 下層路盤
  3. 上層路盤
  4. 基層(アスファルト)
  5. 表層(アスファルト)

道路の断面でみるとこんな感じです。

一般的な道路断面図

ちなみにアスファルト乳剤にはタックコートとプライムコートの2種類があります。

プライムコートとタックコートの違いやアスファルト乳剤については別記事でご確認ください。

 

アスファルト舗装の手順①路床・路体

アスファルト舗装構造

路床は路面から約1メートルの深さに位置するため、まずはそこまで掘削します。

地盤があまりにも軟弱な場合、地盤強化の施工を行うこともあります。

軟弱地盤対策工法もいろいろありますので併せて確認しておきましょう。

 

アスファルト舗装の手順②下層路盤

路盤は舗装の中間地点を支える部分のことで、上層と下層に分けて、それぞれ荷重や衝撃を分散させる役割があります。

路床の上に、砕石や砂利などを敷き詰めていく作業です。

下層路盤に使う砕石は、荷重をしっかり受け止めるために比較的大粒なものが多いですよ 🙂

 

アスファルト舗装の手順③上層路盤

ロードローラー

下層路盤の上に、上層路盤にも同じように砕石を敷いていきます。

上層路盤はすぐ上の基盤から伝わってくる荷重を均一に受け止めて下層へ分散させる役割があるため、敷かれる砕石は比較的小粒なものが多いです。

また荷重分散のロスをできるかぎり減らすために、均一な大きさに整えられた砕石が用いられます。

敷き終えた砕石は、ロードローラーなどで締め固めるのが一般的です。

 

アスファルト舗装の手順④基層

路盤の上に敷かれる層で、ここからの材料がアスファルトになります。

基盤は上層路盤と上部の表層との間でクッションとなる層のため、使用されるアスファルトは柔軟性に富んだものが多いです。

ごつごつとした砕石の上層路面を柔らかいアスファルトで覆い、表層との密着性を高めるはたらきをしています。

 

アスファルト舗装の手順⑤表層

アスファルト表層の転圧作業

舗装の最上部であり、私たちがよく目にしているのが表層です。

基層によって支えられている表層には、柔軟性よりも耐久性を重視したアスファルトが用いられます。

路面にかかる荷重と衝撃を分散して基層へと伝え、路面を平坦に保つことで快適に通行ができる役割をもっています。

 

また路面に水が溜まらないように排水溝に向かって傾斜を付ける余盛り作業を行い、余盛が済んだら仕上げとして敷き詰めたアスファルトをローラー等で締固め作業(転圧)を行います。

敷かれたばかりのアスファルトはやわらかいですが、転圧を行うことで固く締まった路面ができあがるのです。

 

そのとき注意すべきは温度管理です。

アスファルトは高温で柔らかくなり、冷えると固まりますが、転圧の途中で冷えてしまうと歪みやひび割れの原因となります。

一般的には、アスファルトフィニッシャで敷きならすときのアスファルト混合物の温度は、平坦性を確保しながら110℃を下回らないようにしています。

 

 

アスファルト舗装の厚さ基準

アスファルト舗装の道路

国土交通省による舗装の基準においては、交通量によってその厚さが定められています。

舗装計画交通量

(台/日)

表層と基層を加えた最小厚さ

(cm)

T<250 5

※舗装計画交通量がとくに少ない場合は3cmまで低減可能

250≦T<1,000 10(5)
1,000≦T<3,000 15(10)
3,000≦T 20 20(15)

舗装計画交通量がとくに少ない場合は、3cmまで低減することが可能です。

また上層路盤に瀝青安定処理工法を用いる場合は、( )内の厚さまで低減することができるとされています。

(引用:舗装の構造に関する技術基準-国土交通省)

 

つまり道路などでのアスファルト舗装の基準は、3cm~20cmの範囲内で交通量によって決まるということです。

いっぽう駐車場や歩道などでは、3cmほどの厚さがあれば十分ということがわかりますね 🙂

 

アスファルト舗装の打ち換え単価(価格)や耐用年数はどれくらい?

アスファルト舗装の価格は、1㎡あたり5,000円前後が相場(目安)です。

ただし、以下の項目で単価は変動しますのでご注意ください。

アスファルト舗装の単価項目

  1. 面積(広さ)
  2. 地域(土地)
  3. 地盤環境
  4. アスファルトの種類

またアスファルト舗装の耐用年数は10年ほどです。

ですが交通量や使い方によっては10年よりもはやくひび割れなどが起こる可能性もありますので注意してください。

 

舗装の打ち換え工法の手順や基準!切削オーバーレイとの違いまとめ

アスファルト舗装

アスファルト舗装の種類(合材) 特徴 よく使われる例
(再生)密粒度アスファルト舗装 維持管理・補修も簡単といった点でもコストが低く済む

施工が簡単なので工期を短縮することができ、コストカットできる

県道や市道などの道路

駐車場

排水性アスファルト舗装 上部に透水性のアスファルト、下部に非透水性のアスファルトを敷き、その2つの層の間を雨水などが通って排水される

水によるタイヤと地面との摩擦が起きづらくなりハンドルやブレーキが利かなくなるハイドロプレーニング現象の防止が可能

走行安全性向上と車内のロードノイズを軽減できる

高速道路

国道

高密度ギャップアスファルト舗装 加熱アスファルト混合物という、ギャップ粒度を配合した特殊なアスファルトを使用

ギャップ粒度とは様々な大きさの材料を混合してスベリの抵抗を高めるもので、それにゴムや樹脂を加え、さらに滑りづらくなっている

ブレーキをかけた時の停止距離が短くなる

山道

事故の多い場所

透水性アスファルト舗装 粗い材料を使いアスファルトに隙間を生むことによって雨水をしみこませ、地面の下へ浸透させることができる

比較的安価に施工でき、雨水を地面の下に逃がすことができるので側溝などの氾濫防止や水たまりの防止が可能

勾配がある場所では、アスファルト下に浸透される雨水が土壌を洗い流すことによって、強度不足になる可能性もある

歩道

駐車場

保水性舗装 水分を吸収する材質をアスファルト内部に重鎮する

雨が降るとアスファルトの中に浸みこんだ水分が材質に吸収され、雨が止んで気温が上がると、吸収された水分が蒸発する仕組み

打ち水などと同じ気化熱によって路面温度の上昇を防ぐことができる

ヒートアイランド現象は、アスファルトやコンクリートが熱を溜め込むことで引き起こされるが、この方法で緩和できる可能性がある

道路

駐車場

公園

カラーアスファルト舗装 顔料や着色した石などを混ぜ合わせた舗装

無機質な色合いのアスファルトを着色することによって、景観がよくなるだけでなく、高速道路などで路線の区別にも使われている

路線の区別

景観での必要な着色

アスファルト舗装の補修・打ち換え工法 特徴
打換え工法 既設舗装のひび割れの程度が大きい場合に、路盤もしくは路盤の一部までを打ち換える
線状打換え工法 打換え工法の一種で、既設舗装に線状にひびわれが生じている場合に、その線状のひびわれ部分のみを打ち換える
切削オーバーレイ工法 既設アスファルト混合物層を切削により撤去してから、その上に加熱アスファルト混合物を舗設する
パッチング工法 既設舗装の路面に生じたポットポール、局所的なひびわれなどをアスファルト混合物で穴埋めする
わだち部オーバーレイ工法 摩耗などによってすり減った部分を補うことを目的として、既設舗装のわだち部のみを加熱アスファルト混合物を舗設する

アスファルト舗装の施工手順

①路床(路体) 路床は路面から約1メートルの深さに位置するため、まずはそこまで掘削

地盤があまりにも軟弱な場合、地盤強化の施工を行うこともある

②下層路盤 路盤は舗装の中間地点を支える部分のことで、上層と下層に分けて、それぞれ荷重や衝撃を分散させる役割

下層路盤に使う砕石は、荷重をしっかり受け止めるために比較的大粒なものが多い

③上層路盤 上層路盤はすぐ上の基盤から伝わってくる荷重を均一に受け止めて下層へ分散させる役割があるため、敷かれる砕石は比較的小粒なものが多い

荷重分散のロスをできるかぎり減らすために、均一な大きさに整えられた砕石が使われる

④基層(アスファルト) 基盤は上層路盤と上部の表層との間でクッションとなる層のため、使用されるアスファルトは柔軟性に富んだものが多い

ごつごつとした砕石の上層路面を柔らかいアスファルトで覆い、表層との密着性を高めるはたらきがある

⑤表層(アスファルト) 基層によって支えられている表層には、柔軟性よりも耐久性を重視したアスファルトが用いられる

路面にかかる荷重と衝撃を分散して基層へと伝え、路面を平坦に保つことで快適に通行ができる役割

道路のアスファルト舗装の基準は、3cm~20cmの範囲内で交通量によって決まる(参考:舗装の構造に関する技術基準-国土交通省)

駐車場や歩道などのアスファルト舗装は3cmほどの厚さがあれば十分

アスファルト舗装の単価(価格)は、1㎡あたり5,000円前後が相場(目安)だが、面積、地域、地盤、アスファルトの種類によって変動するため注意が必要

アスファルト舗装の耐用年数は10年ほどだが、交通量や使い方によっては10年経たずに補修が必要になる場合もある

 

以上です。

そのほか、土木施工管理技士の試験対策で、アスファルト舗装についてYouTubeでまとめています。

興味のある方はぜひご覧くださいね 😉

ありがとうございました。

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報を発信中!

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