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基礎工とは?工法・杭の種類&比較!どんな土木工事か分かりやすく解説

基礎工法(種類&比較)

基礎工は、建物や橋梁などの荷重を確実に地盤へ伝えるための“土木工事の土台”となる重要な工程です。

地盤の強さや支持層の深さによって、浅い基礎・深い基礎・杭基礎・ケーソン基礎など多様な工法が使い分けられます。

本記事では、基礎工の基本から、既製杭・場所打ち杭などの工法の違い、メリット・デメリットまでを分かりやすく整理。

どの現場でどの工法が選ばれるのか解説します。

 

基礎工とは?工法・杭の種類&比較

杭基礎機械

冒頭でもお話しましたが、基礎工とは、大きな構造物などをつくるときに、構造物を支えるためのもの(杭・鋼管・コンクリート)を構築する土木工事です。

荷重を地盤に伝えるため設置され、主に地中につくられます。

そして基礎工法はまず、

基礎工法

  1. 浅い基礎
  2. 深い基礎

かの2つに分けられ、そこからさらに、

  1. 直接基礎(浅)
  2. 杭基礎(深)
  3. ケーソン基礎(深)
  4. 特殊基礎(深)

の4つに分類されます。

浅い基礎工法

浅い基礎は、地表近くの地盤に直接建物の荷重を伝える基礎で、原地盤の支持力をそのまま利用するのが特徴です。

施工が比較的容易でコストも低く、住宅や小規模構造物で多く採用されますが、軟弱地盤では地盤改良が必要になります。

深い基礎工法

深い基礎は、地表付近の地盤が弱い場合に、強固な支持層まで杭やケーソンを到達させて荷重を伝える基礎です。

不同沈下に強く、大規模建築物や橋梁などで用いられます。

施工は複雑で費用も大きいものの、安定性と支持力に優れています。

基礎工ってひとことで言っても、たくさんの工法があるんだね!

次の章では、それぞれの基礎工法(①直接基礎、②杭基礎、③場所打ち杭基礎、④ケーソン基礎)について解説します。

基礎工法・土木工事➀直接基礎

それでは、それぞれの基礎工法(①直接基礎、②杭基礎、③場所打ち杭基礎、④ケーソン基礎)について解説します。

直接基礎は、良質な支持層が浅い位置に存在する場合に適用されます。

そして外力をほとんどの底面で地盤に伝えるため、基礎底面と地盤とのなじみがとても大切です。

 

また、直接基礎の設計においては、以下の条件を満たす必要があります。

①基礎が鉛直支持(沈下)、水平支持(活動)、転倒に対し安定であること

  1. 基礎底面における鉛直地盤反力が底面地盤の許容鉛直支持力をこえないこと
  2. 基礎底面におけるせん断力が底面地盤の許容せん断抵抗力をこえないこと
  3. 基礎に作用する荷重の合力の偏心量が許容偏心量をこえないこと

②基礎の変位量が、許容変位量をこえないこと

③基礎に作用する荷重の合力の偏心量が、許容偏心量をこえないこと

 

さらに鉛直支持(沈下)、水平支持(活動)、転倒に対し安定について補足すると以下のとおりです。

項目 内容
鉛直支持(沈下)に対する安定 鉛直荷重に対しては、側面の摩擦抵抗はあまり期待できないので、鉛直地盤反力のみで抵抗させる
水平支持(活動)に対する安定 水平荷重は一般的に、基礎底面のせん断地盤反力のみで抵抗させる。

基礎底面地盤の許容せん断抵抗力は、基礎底面と地盤の間に働くせん断抵抗力に対し、常時1.5、暴風時・レベル1地震時1.2の安全率を確保して求める

転倒に対する安定 荷重の合力作用位置は、常時は底面中心より底面幅の1/6以内、地震時は底面幅の1/3以内であることが条件

 

基礎・土木工事②杭基礎

杭基礎工法は、

杭基礎工法

  1. 既製杭基礎工法
  2. 場所打ち杭基礎工法

のふたつに分類できます。

 

既製杭基礎工法

既製杭基礎工法をこまかく分けるとこんな感じ 😎

既製杭工法フローチャート

【打込み工法】

工法名 概要
打撃工法(ドロップハンマ) 打ち込みに使用するハンマの重量は、杭重量以上あるいは杭1mあたりの重量の10倍以上がのぞましい。ハンマ落下高さは2m以内で施工。
打撃工法(ディーゼルハンマ) 上下するラムの落下部分によって空気が圧縮され、燃料の噴射によって爆発させて打ち込む。地盤が固く抵抗が大きいと爆発力が増大し作業効率がUP。
振動工法(バイブロハンマ) 上下動の振動をあたえ、杭周辺の摩擦を低下させる。杭とハンマの重量と上下加速度によって打ち込む。
振動工法(油圧ハンマ) ラムの落下高を調整できる。杭打ち時の騒音が小さい。油煙の飛散なし(低公害型)。
圧入工法(打込み式) 圧入機械の重量を反力として、油圧ジャッキや多滑車などを使った静荷重で既製杭を押し込む。載荷試験を行いながら支持力確認ができる。

【埋込み工法】

工法名 概要
プレボーリング工法 地盤を掘削して根固め液と杭周固定液を注入したあと、RC杭・PHC杭・SC杭などを沈設する。
中堀り杭工法 杭内部にスパイラルオーガを通して掘削しながら、圧入または軽打で所定深さまで貫入させる。
ジェット工法 杭先端の地盤をゆるめながら、杭の自重を利用して貫入させる。
鋼管ソイルセメント工法 掘削攪拌ヘッドで原地盤を掘削しつつセメントミルクを注入・攪拌。固化体内に突起付き鋼管を沈設し一体化させる。
回転杭工法 先端に羽根がついた鋼管杭に回転力を与えて地盤に貫入させる。
圧入工法(埋込み式) 地盤を削孔して既製杭を設置する。余分な排土や泥水が発生。

場所打ち杭工法

場所打ち杭工法

  1. オールケーシング工法
  2. アースドリル工法
  3. リバース工法
  4. 深礎工法

オールケーシング、アースドリル、リバースは機械掘削で、深礎工法は人力と機械掘削の併用です。

場所打ち杭工法をざっくり説明すると以下のとおりです。(さらにくわしくは別記事でご確認ください)

工法名 内容(概要)
オールケーシング工法 チュービング装置によるケーシングチューブの揺動圧入と、ハンマグラブなどにより掘削する工法
アースドリル工法 回転バケットにより土砂掘削し、バケット内部の土砂を地上に排出する工法
リバース工法 回転ビットにより土砂を掘削し、孔内水(泥水)を逆循環(リバース)する工法
深礎工法 掘削全長にわたる山留めをおこないながら、主として人力により掘削する工法

 

基礎工法・土木工事③ケーソン基礎

ケーソン基礎の種類は3種類です。

ケーソン基礎工法

  1. オープンケーソン工法
  2. ニューマチックケーソン工法
  3. 設置ケーソン工法

3つの工法を比較すると以下のとおりです。

項目 オープンケーソン工法 ニューマチックケーソン工法 設置ケーソン工法
地盤への影響 地下水位を低下させ、地盤をゆるめることが多い 地下水の低下などはない 周辺地盤をゆるめることは少ない
海中施工 深さ60mくらいまで(摩擦をへらせた場合) 30mくらいまで 海中水深50mくらい、潮流5.5kt
地盤確認 水中作業となり、確認がむずかしい 作業室内で直接支持層を確認できる。載荷試験も可能 海中であるため調査がむずかしい
機械設備 比較的かんたん、工費が安い 機械設備は大掛かり、工費が高い 規模が大きい、工費が高い
工期(障害物除去) 工期は不安定(沈下途中に障害物がでると手間取る) 工期安定。沈下は計画的で、障害物除去もかんたん 工期安定。沈下は計画的で、障害物除去もかんたん
公害問題 市街地施工に適する(騒音・振動源なし) 市街地施工に適さない(コンプレッサーやエアロックの騒音あり) なし(海中のため周囲に影響なし)
工事の確実性 なし(水中掘削であるため手探り作業) あり(作業室があり、排水しながら作業できる) あり(海の状況もあるがきほん安定)

オープンケーソン工法

オープンケーソン工法

  1. 準備工
  2. 刃口部構築
  3. 躯体構築
  4. 掘削・沈下
  5. 支持力確認
  6. 中埋めコンクリート
  7. 中埋め材充てん
  8. 頂版コンクリート

ニューマチックケーソン工法

ニューマチックケーソン工法

  1. 刃口の据付
  2. 作業室の構築
  3. オープン掘削と第二ロッド構築
  4. エアロック、シャフトの装着
  5. 掘削
  6. 沈下
  7. 載荷試験
  8. 作業室内の底詰めコンクリートの打設
  9. エアロック、シャフトの撤去

設置ケーソン工法

設置ケーソン工法

  1. 水中発破(海中掘削)
  2. グラブ掘削(海中掘削)
  3. 底面仕上げ(海中掘削)
  4. ケーソンの製作と沈設
  5. 骨材投入(海中コンクリート)
  6. モルタル投入(海中コンクリート)

ケーソン工法についてさらに詳しくは以下の記事をご覧ください。

ケーソン工法

基礎・土木工事④特殊基礎

特殊基礎工法は、地盤改良などを併用しながら、基礎を設置する工法です。

地盤改良には表層改良・柱状改良などがあり、土に改良材を混ぜ合わせながら、硬い地盤に変えていきます。

きほん、支持層が5m以上の深い位置にある場合に用いられることが多いです。

特殊基礎工法

  1. 鋼管矢板基礎
  2. 多柱基礎
  3. 地中連続壁基礎

 

鋼管矢板基礎

鋼管矢板基礎は、P-P型継手の鋼管矢板を円形・矩形・小判形などの井筒形状につくり、支持層まで到達させて設置する工法です。

鋼管矢板の継手管内をモルタルで充てんし、その頭部を頂版(フーチング)により剛結合することによって、基礎を一体化します。

とくにP・P型継手は、継手接合部にモルタルなどを直接、あるいは袋詰して装填するため、止水性に優れているのが特徴です。

 

多柱基礎

多柱基礎工法は、主に潮流の速い場所(海の中)などで有利な工法です。

海中の支持地盤に穴を掘り、そこに大きな口径の鋼管を建て込みます。

次にその内部にコンクリートを流し込んで水面上まで立上げ、柱の頂部をフーチングで結合し、その上に橋脚などの構造物をつくります。

施工例としては、大島大橋(長崎県)、大鳴門橋(兵庫と徳島)などが挙げられますね 🙂

 

地中連続壁基礎

地中連続壁基礎は、場所打ち杭を連続して壁状に施工する工法です。

掘削のシステムは、ほとんど場所打ち杭と変わりません。

 

工法の流れはこんな感じ

地中連続壁基礎工法

  1. 泥水を孔内に満たす
  2. 掘削壁面の崩壊を防ぎながら掘削
  3. 泥水に置換
  4. コンクリートを打って壁体を形成

 

コンクリートの打ち込みにはトレミーを使います。

トレミーは内径200mm以上、1本の長さが1~3mで継手部分から漏水がない物を使用してください。

またトレミーの配置は、エレメント長手方向3mていどに1本以上とし、コンクリート上面から最低2.0m以上貫入させて、レイタンスやスライムを巻き込まないようにしましょう。

トレミーとはコンクリートを打ち込むときに使う管のこと

 

いっぽう、トレミーを使って水中にコンクリートを打設すると、頭部付近のコンクリートは、安定液と接触して分離したり、沈殿物をまきこんだりして、所定の強度を確保できません。

そのため余盛りをおこない、コンクリートの打ち止め高さを設計高さ以上とする必要があります。

余盛の量は、50cm程度が一般的です。

 

 

基礎工の概要と杭工事の種類・比較のまとめ

基礎工は、構造物の荷重を確実に地盤へ伝えるための最重要工程であり、地盤条件に応じて浅い基礎・深い基礎を使い分けます。

特に杭工事には、既製杭・場所打ち杭・ケーソンなど多様な工法があり、支持層の深さ、施工性、周辺環境への影響によって最適な方式が変わります。

各工法の特徴と適用条件を理解しておくことで、設計・施工の判断精度が上がり、トラブルのない安定した基礎構造を実現できます。

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