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土質試験(室内試験)の種類とは?乾燥密度など土質試験結果一覧表

土質試験(室内試験)種類まとめ
室内土質試験の種類が知りたい!おしえて~!

こんなお悩みを解決します。

土質試験は大きく分けて、室内試験と原位置試験のふたつに分類されます。

今回は室内試験についてくわしく見ていきましょう。

また、動画で確認したい方はこちら 🙂

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国公立大学の土木工学科卒業
  • その後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

土質試験(室内試験)の種類とは?乾燥密度など土質試験結果一覧表

土質試験は、土の判定分類のための試験と、土の力学的性質を求める試験の2つに分類できます。

試験の目的A(土の判定分類のための試験)

試験の種類 細分 試験結果から求められるもの 試験結果の利用
含水比の測定 含水比 w 土の基本的性質の計算
湿潤密度や乾燥密度の測定 湿潤密度 ρ(i)

乾燥密度 ρ(d)

土の締固め度の算定
土粒子密度の測定 土粒子の密度 ρ(s)

間げき比 e

飽和度 Sr

空気間げき率 va

粒度、間げき比、飽和度、空気間げき比の計算
相対密度の測定 最大間げき比 e(max)

相対密度 Dr

自然状態の粗粒土の安定性の判定
粒度試験 粒径加積曲線 粗粒土による土の分類、材料としての土の判定
ふるい分析 有効径 D10
沈降分析 均等係数 Uc
コンシステンシー試験 液性限界の測定 液性限界 w(L) 塑性図による細粒土の分類

自然状態の細粒土の安定性の判定

 

塑性限界の測定 塑性限界 w(p)
塑性指数   I(p)

試験の目的B(土の力学的性質を求める試験

試験の種類 細分 試験結果から求められるもの 試験結果の利用
せん断試験 一面せん断試験 せん断抵抗角 Ф

粘着力 c

基礎、斜面、擁壁などの安定計算

細粒土の地盤の安定計算

細粒土の構造の判定

一軸圧縮試験 一軸圧縮強さ q(u)

粘着力 c

鋭敏比 S(i)

三軸圧縮試験 せん断抵抗角 Ф

粘着力 c

圧密試験 e-log曲線

圧縮係数 a(v)

体積圧縮係数 m(v)

圧縮指数 Cc

透水係数  K

圧密係数 C(v)

粘土層の沈下量の計算

粘土層の沈下速度の計算

透水試験 透水係数  K 透水関係の設計計算
締固め試験 含水比-乾燥密度曲線

最大乾燥密度 ρ(d)max

最適含水比 w(opt)

路盤および盛土の施工方法の決定

施工管理・相対密度の算定

CBR試験(室内) 支持力値 たわみ性舗装厚の設計
それぞれくわしく見ていきましょう!

 

種類①含水比の測定ー室内土質試験ー

含水比とは、土のなかの水の質量と、土粒子の質量の比のことです。

土の構成図(空気・水・土粒子)

含水比の式は以下のとおりです。

含水比の計算式

種類②湿潤密度や乾燥密度の測定ー室内土質試験ー

湿潤密度と乾燥密度の言葉の定義は以下のとおり。

  • 湿潤密度:土の間げき中の水分を含めた土の単位体積質量のこと
  • 乾燥密度:土の単位体積当たりの土粒子だけの質量のこと

土の構成図(空気・水・土粒子)

湿潤密度の式

湿潤密度の計算式

乾燥密度の式

乾燥密度の計算式

 

種類③土粒子密度の測定ー室内土質試験ー

土粒子の密度とは、土の固体部分の単位体積あたりの質量のことをいいます。

土の固体部分というのは、土や砂利、石などの固体有機物のことです。

間げき比や飽和度、空気間げき比などが分かります。

このことから、土の締固め程度や、有機質土の有機物含有量などが求められます。

土の構成図(空気・水・土粒子)

間げき比の式

間げき比の計算式

間げき率の式

間隙率の計算式

飽和度の式

飽和度の計算式

空気間隙率の式

空気間隙率の計算式

 

 

種類④相対密度の測定ー室内土質試験ー

相対密度とは、バルク状態の土の密度に対して、その物質の密度の比のことです。

バルクとは土が詰まっている密な状態のこと!

相対密度の式

相対密度の計算式

e(max)とは砂が一番ゆるくなった状態の間げき比、e(min)は砂が一番密になった状態の間げき比のこと!

ちなみに、

自然状態での砂が最もゆるい場合には、(e=emax)であるからDr=0

最も密な状態にある場合には、(e=emin)であるからDr=1

すなわち、Dr は0~1の範囲にあって、一般には砂の締まり状態を判定するのに、次のような区分に分かれています。

  • ゆるい状態の砂:0<Dr <1/3
  • 中くらいに締まった状態の砂:1/3<Dr <2/3
  • 密なあるいはよく締まった砂:2/3<Dr <1

emax、edminの値は砂の粒度や粒子形状、細粒分の含有量などによって変わります。

 

粒度や粒子形状による砂の間隙比の関係は以下のとおりです。

土の種類 土の区分 e(max) e(min)
均等な粗粒土 清純な粗粒土(細ないし中粒砂) 1.00 0.4
標準砂 0.8 0.5
同じ粒径の球状粒体(理論値) 0.92 0.35
粒度のよい粗粒土 シルト質砂 0.9 0.3
清純な砂 0.95 0.2
シルト・砂・レキ混合土 0.85 0.140

 

種類⑤粒度試験ー室内土質試験ー

粒度試験は、土のなかに含まれるさまざまな土粒子が土全体のなかでどれくらいの割合を占めているかが分かる試験。

この試験から得られた粒径の分布状態を表したのが粒径加積曲線です。

土の粒径加積曲線

粒度試験の結果により、粗粒土や砂質土の性質を判定する資料として使われます。

そのほか試験結果は、

  • 路盤材や裏込め材の良否の判定
  • 透水係数の判定
  • サンドドレーンやサンドマット材料の良否判定
  • 軟弱な砂地盤の液状化判定

などにも利用されます。

 

種類⑥コンシステンシー試験ー室内土質試験ー

土のコンシステンシーとは、土に含まれている含水量によって土の状態が変化することや、変形のしやすさが異なることなどの総称のことです。

土は含水比によって、

固体→半固体→塑性体→液性体

と変化します。

コンシステンシー限界を示す含水比

液性限界および塑性限界の図は以下のとおりです。

液性限界と塑性限界

液性限界

液性限界とは、土が液体から塑性の状態にうつる境界の含水比のことです。

 

塑性限界

塑性限界とは、土が塑性体から半固体の状態にうつる境界の含水比のことです。

土の含水比が塑性限界以下になると、土がもろくなって亀裂を生じたり、自由に変形しにくくなります。

 

塑性指数

塑性指数とは、液性限界と塑性限界の差です。

塑性指数Ip=WLーWp

粘性土の安定性の判定などに使われます。

 

種類⑦せん断試験ー室内土質試験ー

せん断試験とは、土をある面でせん断し、その面上にはたらく力を調べる試験です。

せん断試験から求められることは以下のとおり。

  • せん断強さ
  • せん断応力
  • 内部摩擦角
  • 粘着力

これらにより、土の斜面安定、支持力、土圧などの検討に使われます。

 

一面せん断試験

一面せん断試験(直接せん断型)

土の供試体をある決まった面でせん断し、その面上のせん断応力とせん断強さを直接調べる方法です。

基礎や斜面などの安定計算に利用されます。

 

一軸圧縮試験

一軸圧縮試験(間接せん断型)

粘性土を円筒形に成形し、供試体の一軸(上下)方向に圧縮力を作用させ、せんだん強さを求める試験です。

粘性土地盤のせん断強さの測定に利用され、一軸圧縮強さquの1/2が粘着力cとなります。

一軸圧縮試験についてさらにくわしくは別記事でご確認ください。

 

 

三軸圧縮試験

三軸圧縮試験(間接せん断型)

同じ状態の円柱形供試体を3個つくり、それぞれ異なった水圧のもとで上下に圧縮してせん断破壊させます。

その時の各ピストン荷重を測定します。

地盤の安定計算や構造の判定に利用されます。

さらにくわしくは三軸圧縮試験★求められる値や試験の種類(UU・CU・CD)でご確認ください。

 

種類⑧圧密試験ー室内土質試験ー

圧密試験

粘性土地盤の圧密による地盤沈下の解析を行う場合に必要となる圧密特性(沈下量と沈下時間の関係)を調べる試験です。

試験結果は、粘性土地盤の沈下量及び沈下速度の計算などに利用されます。

 

種類⑨透水試験ー室内土質試験ー

室内透水試験には2種類方法があります。

  • 定水位透水試験
  • 変水位透水試験

 

定水位透水試験

定水位透水試験は、透水性の大きい砂質土(k=10-2~10-3cm/s程度のもの)に適用されます。

あらかじめ水で飽和させた土試料に一定の水頭差を保ちながら透水させ、ある時間t(s)の間の透水量Q(cm3)を測定する方法です。

 

変水位透水試験

変水位透水試験は、透水性の比較的小さい細砂やシルト質土(k=10-3~10-6cm/s程度のもの)に適用されます。

この試験は、真空ポンプなど利用して、あらかじめ供試体内の空気を排除し、水で飽和させておきます。

そしてある水位のもとで透水を開始し、透水とともに水位が時間的に変化していく様子を測定する方法です。

定水位、変水位どちらも土の透水係数Kを求めます。

 

種類⑩締固め試験ー室内土質試験ー

土の締固め試験

締固め試験は、土の含水を変化させて、ある一定の方法で突き固めたときの乾燥密度と含水比の関係(締固め曲線)が分かります。

土の締固め曲線

これらにより、最大乾燥密度と最適含水比を求めることができます。

試験結果は、締固めの施工管理の締固め度や施工含水比の管理基準に利用されます。

 

種類⑪CBR試験ー室内土質試験ー

室内CBR試験は、室内でモールド内に資料をJISに定まった方法により突き固め、2.5mm貫入に必要な荷重つよさを求めます。

室内CBRには、

  • 設計CBR(アスファルト舗装の厚さを決定するときに使う)
  • 修正CBR(路盤材料の評価や選定のために使う)

の2種類あります。

試験結果は路盤材や路床土の支持力測定などに利用されます。

 

土質試験(室内試験)の種類とは?乾燥密度など土質試験結果一覧表まとめ

試験の目的A(土の判定分類のための試験)

試験の種類 細分 試験結果から求められるもの 試験結果の利用
含水比の測定 含水比 w 土の基本的性質の計算
湿潤密度や乾燥密度の測定 湿潤密度 ρ(i)

乾燥密度 ρ(d)

土の締固め度の算定
土粒子密度の測定 土粒子の密度 ρ(s)

間げき比 e

飽和度 Sr

空気間げき率 va

粒度、間げき比、飽和度、空気間げき比の計算
相対密度の測定 最大間げき比 e(max)

相対密度 Dr

自然状態の粗粒土の安定性の判定
粒度試験 粒径加積曲線 粗粒土による土の分類、材料としての土の判定
ふるい分析 有効径 D10
沈降分析 均等係数 Uc
コンシステンシー試験 液性限界の測定 液性限界 w(L) 塑性図による細粒土の分類

自然状態の細粒土の安定性の判定

 

塑性限界の測定 塑性限界 w(p)
塑性指数   I(p)

試験の目的B(土の力学的性質を求める試験)

試験の種類 細分 試験結果から求められるもの 試験結果の利用
せん断試験 一面せん断試験 せん断抵抗角 Ф

粘着力 c

基礎、斜面、擁壁などの安定計算

細粒土の地盤の安定計算

細粒土の構造の判定

一軸圧縮試験 一軸圧縮強さ q(u)

粘着力 c

鋭敏比 S(i)

三軸圧縮試験 せん断抵抗角 Ф

粘着力 c

圧密試験 e-log曲線

圧縮係数 a(v)

体積圧縮係数 m(v)

圧縮指数 Cc

透水係数  K

圧密係数 C(v)

粘土層の沈下量の計算

粘土層の沈下速度の計算

透水試験 透水係数  K 透水関係の設計計算
締固め試験 含水比-乾燥密度曲線

最大乾燥密度 ρ(d)max

最適含水比 w(opt)

路盤および盛土の施工方法の決定

施工管理・相対密度の算定

CBR試験(室内) 支持力値 たわみ性舗装厚の設計

 

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

 

 

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