こんなお悩みにお答えします。
電気探査について原理や試験方法(比抵抗法)をまとめましたので参考にしてください。
また、電気探査は原位置試験のひとつです。
原位置試験はいろんな種類があるので、併せて確認しておくと良いでしょう。
電気探査の試験方法とは?比抵抗法や原理・深度についてまるっと解説
電気探査試験とは、土木関係などで地盤のなかを調べる原位置試験のひとつです。
地盤の【比抵抗値】を求めることができ、その結果、地下水や金属鉱床、断層などの地質状況を推定できます。
電気探査試験の原理
鉄や金などの良導体を含む鉱床や水・粘土などは電流の比抵抗は小さく、花岡岩や砂岩などの岩は、一般的に比抵抗が大きくなります。
この性質を利用して、地中に打ちこんだ一対の電極から電気を流すことにより、地下の電気的な性状である【比抵抗値】を調べることができます。
電気探査の試験方法(比抵抗法)
比抵抗法とは、地表に設置した一対の電流電極から電流を流し、別の一対の電位電極間の電位差を測定することによって、各電極の位置または間隔における見掛比抵抗値を求めます。
そしてその値を解析することによって、地下の比抵抗構造を推定する方法です。
探査目的、対象に応じてさまざまな電極配置が用いられます。(電極配置の方法によっては、地形による影響を受ける場合もあり)
代表的な電極配置としては、
- 2極法(ポール・ポール法)
- 3極法(等間隔CPP法)
- 4極法(ウェンナー法、エルトラン法、ダイポール・ダイポール法、シュランベルジャー法)
などがあります。
また、比抵抗の変化を調べる【位置・方向】における探査方法は、
- 垂直探査(ある測点の深さ方向への比抵抗変化を調べる)
- 比抵抗2次元探査(ある深さの水平方向への比抵抗変化を調べる)
- 比抵抗値3次元探査(あるエリアの地下の比抵抗変化を調べる)
などがあります。
いっぽうで、電気を使って比抵抗を測定する方法であるため、比抵抗が小さいと感度は強く、逆に比抵抗が大きいと感度はにぶくなる傾向があります。
そして電気探査では、異なる地層であっても比抵抗値が同じであれば同様の地層と見なされ、同様の地層であっても含水や風化などにより比抵抗値が異なれば、別の地層と見なされるので注意が必要です。
さらに探査精度は、電極間隔が大きく、探査深度が深くなればなるほど低下します。
このため、探査目的・探査深度・測線長などに合わせて電極間隔を適切に設定する必要がありますよ。
電気探査試験の深度について
探査深度は、電極間隔の最大展開長の1/3~1/5程度です。
電極間隔がせまいと、電場は地下表層部にしか形成されません。
そうすると、得られる地下の情報は浅い部分に限られてしまいます。
逆に電極間隔を広くとることができれば、より深部の情報を得ることができるということです。
電気探査の試験方法とは?比抵抗法や原理・深度についてまるっと解説まとめ
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
この記事を書いている人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国公立大学の土木工学科卒業
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらいた経験を持つ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士の資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信をしています。