今回のテーマは【締固め機械の種類と選定】です。
タンパとランマの違いやタンピングローラーの特徴などをチェック!
締固め機械について、種類や特徴、選定基準などをまとめましたので参考にしてください。
締固め機械の種類(原理による分類)
締固め機械は、締固めの原理によって分類できます。
締固めの原理 | 締固め機械 |
主として機械の自重を利用し、ローラを転がして押し付ける(輪荷重) | ロードローラ
タイヤローラ |
突く・たたく(衝撃力) | タンピングローラ
タンパ(ランマ―) |
振動させる | 振動コンパクタ
振動ローラ |
さらに地盤の状況もコーン指数によって確認しておきましょう。
タンパとランマの違いとは?タンピングローラーの特徴や締固め機械の種類&選定
締固め機械の種類と特徴はこんな感じです 🙂
締固め機械の種類
- ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)
- タイヤローラ
- タンピングローラ
- タンパ(ランマ―)
- 振動コンパクタ
- 振動ローラ
ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)の特徴
ロードローラは、最も一般的に使われている締固め機械のひとつです。
ほぼ平らになった盛土面を、さらに締め固めるのに用いられます。
種類は、鉄輪ローラともよばれる3輪式のマカダムローラと、2軸式と3軸式のタンデムローラの2つです。
マカダムローラ
マカダムローラは、その高い線圧によって砕石や砂利道の締固めや、アスファルト混合物の初期転圧に有効とされています。
しかし仕上げ精度は、タンデムローラに劣りますね 🙂
タンデムローラ
タンデムローラは逆に、締固め力ではマカダムローラに劣ります。
しかし、仕上げ面の平坦性に優れ、すじを残すことが少ないので、アスファルト混合物の仕上げ用として多く使われています。
タイヤローラの特徴
タイヤローラは、空気タイヤであるため、鉄輪に滑りにくいです。
そのため、勾配のある場所やすべりやすい条件での転圧が比較的かんたんにできます。
また、締固めの特性として、輪荷重によるものだけでなく、タイヤの空気圧を組み合わせることにより、締固め力を変化させることができるのです。
いっぽう、走行速度も20~25㎞/hと速いので、自走による回送も可能ですよ。
タンピングローラの特徴
タンピングローラの締固め効果は、質量および突起の数、形状、寸法、配列などによって異なるので、使用目的や土質に応じた機種選定が求められます。
突起の先端に荷重を集中させることができるので、土塊や岩塊などの破壊や締固めに効果があり、土工作業での重転圧に有効です。
粘性土の締固めにも効果的と言われていますが、鋭敏比の大きい高含水比粘性土では、突起による土のこね返しによって、かえって土を軟化させることもあるので注意が必要。
また、均一粒径の砂の締固めには不向きです。
タンパやランマ―の特徴や違い
タンパは、約2~4kw程度の小型エンジンや電動機で、スプリングを介して振動板(平板)に連続的に振動を与え、土の表面をたたいて締め固めるものです。
質量は50~60㎏前後のハンドガイド式のものが多いです。
高含水比の砂質土、粘性土以外の土質に広く利用でき、補助締固め機械として、
- せまい場所
- 他の大型締固め機械が使えない場所
- 路肩
- 小規模の埋戻し部分
などの締固めに使われます。
そしてタンパとランマの違いは、タンパはランマよりエンジンが一回り大きく、加圧版の上に載っています。
よってランマより一度に加圧できる面積が大きく締固め回数も多いです。
振動コンパクタの特徴
振動コンパクタは、偏心体を高速回転させて、遠心力を発生させる起振機を平板のうえに直接装備したもの。
この振動によって、締固めと自走を同時におこないます。
- 盛土法面・法肩
- せまい場所の路床
- 構造物の裏込め・埋戻し
- せまい場所のアスファルト舗装
などに使用されます。
振動ローラの特徴
振動ローラは、タイヤローラやマカダムローラのような静的ローラに比べて、次のような特徴があります。
振動ローラ★ポイント
- 振動により締固め効果が深層まで及ぶので、材料の層の敷き均し厚さを厚くできる
- 締固め効果が大きく、少ない転圧回数で十分な締固め度が得られる
- 同じくらいの締固め効果を期待する場合、ロードローラにくらべて小型もので対応できる
- 起振力、振動数、振幅、走行速度を変えることによって、材料の性状に応じた締固めができる
- アスファルト舗装の締固めにおいて、同一ローラを使用して種々のアスファルトの締固めができるなど、混合物の温度に対して適応性が広い
- 熟練したオペレータを必要とする
盛土の構成部分と土質に応じた締固め機械の選定(道路土工要領)
締固め機械は、現場状況によって選定してください。
ただし参考として、道路土工要領における基準(盛土)がありますので、以下に示します。
締固め機械の選定
①ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)
②タイヤローラ
③振動ローラ
④タンピングローラ
⑤ブルドーザー
⑥振動コンパクタ
⑦タンパ(ランマ―)
土工 | 土質\締固め機械 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | 備考 | |
普通型 | 湿地型 | |||||||||
盛土
路体 |
岩塊など
掘削・締固めによっても、容易に細粒化しない岩 |
◎ | ●
大 |
●
大 |
硬岩塊 | |||||
風化した岩や土丹など
掘削・締固めにより部分的に細粒化する岩 |
〇
大 |
◎ | ◎ | ●
大 |
●
大 |
軟岩塊 | ||||
単粒度の砂
細粒分の欠けた切込み砂利 砂丘の砂など |
○ | ○ | ● | ● | 砂
レキまじり土 |
|||||
細粒分を適度に含んだ粒度分布の良い締固め容易な土
マサ 山砂利など |
◎
大 |
◎ | ◎ | ● | ● | 砂質土
レキ混じり砂質土 |
||||
細粒分は多いが鋭敏比の低い土
低含水比の関東ローム 軟質土丹など |
〇
大 |
◎ | ● | 粘性土
レキ混じり粘性土 |
||||||
含水比調節が困難でトラフィカビリティが容易に得られない土
シルト質の土など |
● | 水分を過剰に含んだ砂質土
シルク質土 |
||||||||
高含水比で鋭敏性の高い土
関東ロームなど |
● | ● | 鋭敏な粘性土 | |||||||
路床 | 粒度分布の良いもの | ○ | ◎
大 |
◎ | ● | ● | 粒調材料 | |||
単粒度の粒度分布の悪いレキまじり砂
切込砂利など |
○ | ○
大 |
◎ | ● | ● | 砂
レキ混じり砂 |
||||
法面 | 砂質土 | ◎
小 |
◎ | ● | ||||||
粘性土 | ○
小 |
○ | ○ | ● | ||||||
鋭敏な粘土
粘性土 |
● |
◎⇒有効なもの
○⇒使用できるもの
●⇒トラフィカビリティの関係でほかの機械が使用できないので、やむを得ず使用するもの
●⇒施工現場の規模の関係で、他の機種が使用できない場所でのみ使用するもの
大⇒大型機種
小⇒小型機種
締固め機械の諸元&性能
締固め機械の性能をあらわす、諸元と性能についてまとめましたので参考にしてください。
締固め機械
項目 |
締固め機械
諸元および性能 |
線圧 | ロードローラや振動ローラの締固め性能を判断する目安
車輪にかかる荷重をその車輪の幅(締固め幅)で除した値 車輪単位幅あたりの荷重でN/cmと示す |
輪荷重 | タイヤローラの締固め性能を判断する目安
タイヤ1輪あたりの荷重で、軸荷重をタイヤ本数で除したもの(N/本であらわす) 一般に輪荷重が増すと、深さ方向の締固め力が増す |
接地圧 | タイヤ接地面の単位面積当たりの平均荷重をPaで示し、ほぼタイヤ空気圧に等しい
一般に接地圧が増すと、表面付近の密度が高まる |
起振力 | 起振機の偏心質量を回転させることによって生じる遠心力のことで、その大きさをNで表す
振動系締固め機械の性能を判断するときの目安となる |
締固め幅 | 1回の通過によって締め固められる全幅で、cm(mm)で表す
ただし、案内輪と駆動輪の線圧が異なるマカダムローラでは、全幅にわたる締固め効果が異なるため注意が必要 |
タンパとランマの違い!タンピングローラーの特徴や締固め機械の種類&選定まとめ
👷締固め原理による機械の分類
締固めの原理 | 締固め機械 |
主として機械の自重を利用し、ローラを転がして押し付ける(輪荷重) | ロードローラ(マカダムローラ、タンデムローラ)
タイヤローラ |
突く・たたく(衝撃力) | タンピングローラ
タンパ(ランマ―) |
振動させる | 振動コンパクタ
振動ローラ |
👷締固め機械の特徴
締固め機械 | 特徴 |
ロードローラ | 最も一般的に使われている締固め機械のひとつ
ほぼ平らになった盛土面を、さらに締め固める |
マカダムローラ | 高い線圧によって砕石や砂利道の締固めや、アスファルト混合物の初期転圧に有効 |
タンデムローラ | 仕上げ面の平坦性に優れ、すじを残すことが少ないので、アスファルト混合物の仕上げ用として多く使われている |
タイヤローラ | 勾配のある場所やすべりやすい条件での転圧が比較的かんたんにできる
輪荷重によるものだけでなく、タイヤの空気圧を組み合わせることにより、締固め力を変化させることができる |
タンピングローラ | 質量および突起の数、形状、寸法、配列などによって異なるので、使用目的や土質に応じた機種選定が求められる
突起の先端に荷重を集中させることができるので、土塊や岩塊などの破壊や締固めに効果があり、土工作業での重転圧に有効 |
タンパ(ランマ―) | 約2~4kw程度の小型エンジンや電動機で、スプリングを介して振動板(平板)に連続的に振動を与え、土の表面をたたいて締め固めるもの
質量は50~60㎏前後のハンドガイド式のものが多い タンパとランマの違いは、タンパはランマよりエンジンが一回り大きく、加圧版の上に載っている タンパはランマより一度に加圧できる面積が大きく締固め回数も多い |
振動コンパクタ | 偏心体を高速回転させて、遠心力を発生させる起振機を平板のうえに直接装備したもの |
振動ローラ | 振動により締固め効果が深層まで及ぶので、材料の層の敷き均し厚さを厚くできる
締固め効果が大きく、少ない転圧回数で十分な締固め度が得られる |
👷盛土の構成部分と土質に応じた締固め機械の選定(道路土工要領)の基準がある(一覧表参照)
👷締固め機械の諸元と性能
締固め機械
項目 |
締固め機械
諸元および性能 |
線圧 | ロードローラや振動ローラの締固め性能を判断する目安
車輪にかかる荷重をその車輪の幅(締固め幅)で除した値 車輪単位幅あたりの荷重でN/cmと示す |
輪荷重 | タイヤローラの締固め性能を判断する目安
タイヤ1輪あたりの荷重で、軸荷重をタイヤ本数で除したもの(N/本であらわす) 一般に輪荷重が増すと、深さ方向の締固め力が増す |
接地圧 | タイヤ接地面の単位面積当たりの平均荷重をPaで示し、ほぼタイヤ空気圧に等しい
一般に接地圧が増すと、表面付近の密度が高まる |
起振力 | 起振機の偏心質量を回転させることによって生じる遠心力のことで、その大きさをNで表す
振動系締固め機械の性能を判断するときの目安となる |
締固め幅 | 1回の通過によって締め固められる全幅で、cm(mm)で表す
ただし、案内輪と駆動輪の線圧が異なるマカダムローラでは、全幅にわたる締固め効果が異なるため注意が必要 |
以上です。
ありがとうございました。