今回のテーマは【水道管の埋設】
既設管内巻込工法や刃口推進工法など、水道管の埋設工法について、水道事務所で工事を担当していた私が、種類や工法をまとめましたので参考にしてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ!
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学の土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 水道事務所の勤務経験あり
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信中!
既設管内巻込工法や刃口推進工法とは?水道管の埋設方法を図解で解説
水道管の埋設工法には、大きく分けて開削工法と非開削工法の2つがあります。
種類をざっくり分けるとこんな感じ 🙂
開削工法 | 道路を上部から掘削しながら管を埋設する工法 |
非開削工法 | 推進工法 |
シールド工法 | |
既設管内布設工法 |
開削工法は、道路を上部から掘削しながら管を埋設する工法で、最も一般的に用いられています。
開削工法は非開削工法に比べ、工事費が安く済むというメリットがありますが、交通や第三者に配慮する必要があるのがデメリットと言えるでしょう。
とくに市街地では、地下埋設物の輻輳などの物理的な制約条件や、交通の事情、騒音・振動などの観点から開削工法を採用できない場合があり、非開削工法が増える傾向にあります。
それでは非開削工法について、さらにくわしくみていきましょう。
推進工法(刃口推進工法やセミシールド工法(泥水式))
推進工法とは、管を立坑に設置したジャッキで押し込みながら布設する工法です。
布設する管の口径や推進する延長などによって、刃口推進工法やセミシールド工法などの種類があります。
また推進工法は、軌道、河川、幹線道路などの横断に用いられることが多く、施工延長50~100m前後が一般的といわれています。
一方で、土質条件や現場環境によっては、数百メートルにもおよび長距離施工も可能です。
刃口推進工法 | |
セミシールド工法(泥水式) |
シールド工法
シールド工法は、大口径で延長が長い工事に用いられます。
シールドマシンと呼ばれる鋼製円筒形のトンネル掘進機で掘削し、セグメントと呼ばれる覆工を組み立てながらトンネルを構築する工法です。
地質などの現場条件により、開放型や密閉型などの工法に大別され、推進延長も推進工法より長く、500~1,000mが標準的で、場合によっては数㎞におよぶ場合もあります。
既設管内布設工法(既設管内巻込工法や既設管破砕推進工法)
老朽管などの既設管を更新する場合の非開削工法です。
既設管を長期間にわたり断水することが可能な場合に採用されることが多くなっていますが、既設管と新設管の口径の関係によりいくつかの工法があります。
既設管より口径の小さな管に更新する場合には、既設管を鞘管として、その内部に新設管を敷設する、【既設管内布設(挿入)工法や既設管内巻込工法】が採用されます。
水需要が減少するなどして施設をダウンサイジングすることが可能な場合などに適していると言えるでしょう。
一方で、既設管と同程度以上の口径に更新する場合は、既設管を破砕しながら新設管を推進する、【既設管破砕推進工法】が採用されます。
既設管内布設(挿入)工法 | |
既設管内巻込工法 | |
既設管破砕推進工法 |
既設管内巻込工法や刃口推進工法とは?水道管の埋設方法まとめ
開削工法 | 道路を上部から掘削しながら管を埋設する工法 | ||
非開削工法 | 推進工法
管を立坑に設置したジャッキで押し込みながら布設する工法 |
刃口推進工法 | |
セミシールド工法 | |||
シールド工法 | シールドマシンと呼ばれる鋼製円筒形のトンネル掘進機で掘削し、セグメントと呼ばれる覆工を組み立てながらトンネルを構築する工法 | ||
既設管内布設工法
老朽管などの既設管を更新する場合の非開削工法 |
既設管内布設(挿入)工法
既設管より口径の小さな管に更新する場合 |
||
既設管内巻込工法
既設管より口径の小さな管に更新する場合 |
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既設管破砕推進工法
既設管と同程度以上の口径に更新する場合 |
以上です。
ありがとうございました。