今回のテーマは【レイタンス】について!
レイタンスはコンクリートの専門用語です。
またレイタンスとブリーディングの違いや処理方法についても簡単に解説していきます。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
レイタンスとブリーディングの違いとは?処理方法を簡単に解説
【レイタンス】とは、コンクリート打ち込み後に内部の微細な粒子が浮上し、コンクリートやモルタル、セメントペーストなどの表面に形成するぜい弱な層のことです。
だからまずは、【レイタンス】はコンクリート等にとって「悪いもの」であり、「弱点」ということをおぼえておきましょう。
打設時などの施工不良によって生じます。
レイタンスとブリーディングの違い(コンクリート用語)
また、レイタンスを説明するうえで欠かせないのが【ブリーディング】です。
ブリーディングとは、フレッシュコンクリートやモルタル、セメントペーストなどにおいて、固体材料の沈降または分離によって、練り混ぜ水の一部が遊離して表面に出てきてしまう現象のこと。
この出てきてしまった練り混ぜ水のことを「ブリーディング水」とも呼びます。
つまり、コンクリートを打ち込んだ後に材料分離して練り混ぜ水が表面に出てきてしまう現象を【ブリーディング】、ブリーディングによって形成されるぜい弱な層部分を【レイタンス】と名付けられています。
ふたつは切っても切れない兄弟のような関係ですので、セットでおぼえておくと忘れづらくなりますよ 🙂
つまり違いは以下のとおり。
レイタンス | ブリーディング |
コンクリート打ち込み後に内部の微細な粒子が浮上し、コンクリートやモルタル、セメントペーストなどの表面に形成するぜい弱な層のこと
ブリーディングによって形成される |
ブリーディングとは、フレッシュコンクリートやモルタル、セメントペーストなどにおいて、固体材料の沈降または分離によって、練り混ぜ水の一部が遊離して表面に出てきてしまう現象のこと。
出てきてしまった練り混ぜ水のことを「ブリーディング水」と呼ぶ |
コンクリート打ち込みの留意点は別記事でまとめていますので、併せてご確認ください。
コンクリートのレイタンス処理方法
レイタンスを処理する方法は主に3つ
レイタンス処理方法
- 高圧洗浄
- ブラッシング
- コンクリート打継面処理剤
1.高圧洗浄
脆弱部分を、高圧洗浄を使って削り落とす方法です。
広い面積でも効果的に落とせますが、まだやわらかい状態で行うと落とし過ぎることがあるのが注意点です。
しかし作業効率や精度もブラッシングよりも良いため、現在では一般的に使用されています。
2.ブラッシング
ぜい弱な部分を、ワイヤーブラシなどの道具を使用して削り落とす方法です。
ただし人力による作業となるため、広い範囲(面積)での作業には適していません。
またワイヤーブラシの他にも、グラインダーなど電動工具を使って行うことも可能です。
3.コンクリート打継面処理剤
ぜい弱部分にコンクリート打継面処理剤を使用する方法になります。
このコンクリート打継面処理剤には①遅延タイプと②硬化タイプがあり、それぞれ使い方が異なります。
方法のちがいは以下のとおり。
遅延タイプ | 硬化タイプ |
表層部の硬化を遅らせることにより高圧洗浄で除去しやすくする方法 | レイタンス自体を硬化させてしまう方法 |
どちらも施工性を高めて短時間での処理が可能となりますが、コストはどうしても高くなる傾向にあります。
レイタンスとブリーディングの違いとは?処理方法を簡単に!まとめ
レイタンスとブリーディングの違い
レイタンス | ブリーディング |
コンクリート打ち込み後に内部の微細な粒子が浮上し、コンクリートやモルタル、セメントペーストなどの表面に形成するぜい弱な層のこと
ブリーディングによって形成される |
ブリーディングとは、フレッシュコンクリートやモルタル、セメントペーストなどにおいて、固体材料の沈降または分離によって、練り混ぜ水の一部が遊離して表面に出てきてしまう現象のこと。
出てきてしまった練り混ぜ水のことを「ブリーディング水」と呼ぶ |
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)コンクリート研究室出身
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)の資格もち
- 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信中!