今回のテーマは【X線法によるコンクリート非破壊検査】
コンクリートX線探査の原理や特徴などをまとめましたので参考にしてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次から 🙂
コンクリートX線探査とは?X線法によるコンクリート非破壊検査の原理や特徴
コンクリートX線探査(X線法)とは、コンクリートに向かってX線を照射してコンクリート内部にある鉄筋や配管などを映し出す方法のこと。
基準としては、日本非破壊検査協会(NDIS1401)コンクリート構造物の放射線透過試験方法などが挙げられます。
密度の低いものは透過し、密度の高いものは透過しにくいというX線の性質を利用した方法で、精密なコンクリート内部の結果を得ることが可能です。
X線法に使用されるX線は、1pm~10nmという短い波長の電磁波を利用しています。
一方で、X線以外のコンクリート構造物の非破壊検査【種類&一覧】はまた別記事でまとめていますので併せてご確認ください。
X線法(コンクリートX線探査)の特徴とは?~非破壊検査~
コンクリート内部を調べるX線法の特徴はこんな感じです。
X線法の特徴
- コンクリート埋設物の状態をかんたんに解析できる
- 電気配管(弱電・強電)の推測が簡単にできる
- 探査精度が高いため、切断事故などが少ない
- X線法の撮影時間は10秒~2分くらいと短時間(壁の厚みによる)
- コンクリートの厚みは250~300mm未満にしか使えない
- X線照射装置を設置する面の反対側に、フィルムを設置できなければX線法はできない
メリットとデメリットに分けると以下のようになります。
コンクリートX線探査(X線法) | |
メリット | デメリット |
①精度の高い内部探査が可能(技術レベルが高く判別方法が客観的)
②フィルムで透過された画像は鮮明でわかりやすい ③埋設物の種類がかんたんに判定 ④鉄筋や電線管などの識別ができる ⑤電気配管の(弱電・強電)の推測ができる |
①放射線をあつかう作業には、有資格者および放射線安全管理が必要
②X線照射装置を設置する面の反対側に、フィルムを設置できなければX線法は使えない ③装置側に1.2m程度の作業スペースと、裏側にもフィルムの設置スペースが必要 ④コンクリートの厚み250~300mm程度にしか使えない ⑤ほかの探査方法に比べ、費用が割高 |
X線による被曝防止のため、照射時のみ5m以内立ち入り禁止となりますのでご注意ください。
また、X線探査にかかる費用は、撮影箇所の数にもよりますが、おおよそ10万~20万円くらいが相場です。
X線法(コンクリートX線探査)による非破壊検査が行われる実例(用途)
X線法が行われる実例
- 解体などによる破砕工事前の探査
- 耐震診断に使用するテストピース採取前の探査
- 開口部の切断工事前の探査(ウォールソーなど)
- ダイヤモンドコア削孔を行う工事前の探査(ビル設備更新工事など)
- 施工アンカーやスリット工事の事前調査(耐震補強工事など)
X線法でコンクリート内部を調べることで、
- 鉄筋の配筋位置および鉄筋径
- 空洞の有無および位置
- 埋設管などの位置および直径
- グラウト充填の状態
などが分かります。
装置もコンパクトであるため、比較的どんな場所でも測定可能です。
コンクリートX線探査とは?X線法によるコンクリート非破壊検査の原理や特徴まとめ
コンクリートX線探査(X線探査)とは、コンクリートに向かってX線を照射してコンクリート内部にある鉄筋や配管などを映し出す方法
X線法で調査可能なもの(コンクリートX線探査)
- 鉄筋の配筋位置および鉄筋径
- 空洞の有無および位置
- 埋設管などの位置および直径
- グラウト充填の状態
コンクリートX線探査(X線法)の特徴 | |
メリット | デメリット |
①精度の高い内部探査が可能(技術レベルが高く判別方法が客観的)
②フィルムで透過された画像は鮮明でわかりやすい ③埋設物の種類がかんたんに判定 ④鉄筋や電線管などの識別ができる ⑤電気配管の(弱電・強電)の推測ができる |
①放射線をあつかう作業には、有資格者および放射線安全管理が必要
②X線照射装置を設置する面の反対側に、フィルムを設置できなければX線法は使えない ③装置側に1.2m程度の作業スペースと、裏側にもフィルムの設置スペースが必要 ④コンクリートの厚み250~300mm程度にしか使えない ⑤ほかの探査方法に比べ、費用が割高 |
X線による被曝防止のため、照射時のみ5m以内立ち入り禁止
X線探査にかかる費用は、撮影箇所の数にもよりますが、おおよそ10万~20万円くらいが相場
X線法によるコンクリート非破壊検査の実例
- 解体などによる破砕工事前の探査
- 耐震診断に使用するテストピース採取前の探査
- 開口部の切断工事前の探査(ウォールソーなど)
- ダイヤモンドコア削孔を行う工事前の探査(ビル設備更新工事など)
- 施工アンカーやスリット工事の事前調査(耐震補強工事など)
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員(土木)の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木)として7年間はたらいた経験をもつ
- 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報を発信中!