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直接基礎とは?種類(ベタ基礎・布基礎)と杭基礎との違い・設計条件を解説

直接基礎とは?種類(ベタ基礎・布基礎)と杭基礎との違い・設計条件を解説

直接基礎とは、建物や構造物の荷重を杭などを使わず、地盤に直接伝える基礎形式のことです。

地盤条件が良好な場合に採用されることが多く、ベタ基礎や布基礎、独立基礎(フーチング基礎)などの種類があります。

一方で、軟弱地盤では杭基礎が採用されることもあり、基礎形式の違いを理解することは設計や施工を学ぶうえで重要です。

この記事では、直接基礎の基本的な仕組みから種類、設計時に確認する安定条件、さらに杭基礎との違いまでをわかりやすく解説します。

直接基礎とは

まずは直接基礎の基本について解説していきます。

直接基礎の定義

直接基礎とは、建物や橋梁などの構造物の荷重を杭などの支持材を用いず、基礎底面から地盤に直接伝える基礎形式のことです。

基礎の底面(フーチング)を地盤に直接設置し、その地盤の支持力によって構造物を支えます。

一般的な種類には、ベタ基礎・布基礎・独立基礎(フーチング基礎)などがあります。

直接基礎は構造が比較的シンプルで施工性が良く、杭基礎と比べてコストを抑えやすいという特徴がありますが、十分な支持力を持つ地盤であることが前提となります。

直接基礎が使われる地盤条件

直接基礎は、構造物の荷重を安全に支えられる良好な地盤が地表付近に存在する場合に採用されます。

具体的には、支持力が十分にあり沈下が小さい地盤であることが重要です。例えば、砂質土や砂礫層、締まった粘性土などは直接基礎が適用されやすい地盤です。

また、地盤の強さはボーリング調査や標準貫入試験(N値)などによって確認され、一般的にN値が大きいほど直接基礎の採用が検討しやすくなります。

良質な支持層の目安は、砂・砂れき層ではN値が30以上、粘性土ではN値が20以上かつ圧密のおそれがない地盤です。

砂・砂れき層 N値が30以上
粘性土 N値が20以上

さらに直接基礎では、外力をほとんどその底面で地盤に伝えるため、基礎底面と地盤とのなじみが重要になります。

一方、軟弱地盤や圧密沈下が大きい地盤では、支持力不足や不同沈下のリスクがあるため、杭基礎など別の基礎形式が採用されることが多くなります。

 

直接基礎のメリット・デメリット

直接基礎のメリット・デメリットはこちらです。

項目 メリット デメリット
構造 構造がシンプルで設計・施工が比較的わかりやすい 地盤の支持力に大きく依存する
コスト 杭基礎に比べて施工費用を抑えやすい 軟弱地盤では使用できない場合が多い
施工性 施工工程が比較的少なく工期を短縮しやすい 不同沈下が発生する可能性がある
施工機械 大規模な杭打ち機などが不要 地盤調査や地盤改良が必要になることもある
適用条件 地盤が良好な場合は経済的で効率的 地盤条件が悪い場合は杭基礎など別の基礎形式が必要

直接基礎は「地盤が良い場所では経済的で施工しやすい」というメリットがありますが、地盤条件が悪い場合は採用できないという制約があります。

そのため、実際の設計ではボーリング調査や標準貫入試験(N値)などによって地盤の強さを確認し、基礎形式を選定します。

直接基礎の種類

直接基礎にはいくつかの形式があり、構造物の形状や荷重のかかり方、地盤条件などによって使い分けられます。

代表的なものとして、ベタ基礎・布基礎・独立基礎(フーチング基礎)があります。

ベタ基礎

ベタ基礎とは

ベタ基礎とは、建物の底面全体を一枚の基礎スラブで支える基礎形式です。

建物の荷重を基礎底面全体で地盤に伝えるため、荷重が広い範囲に分散される特徴があります。

そのため、不同沈下が起こりにくく、比較的軟弱な地盤でも採用されることがあります。主に住宅などで多く用いられる基礎形式で、防湿性や耐震性にも優れている点が特徴です。

布基礎

布基礎

布基礎とは、建物の壁や柱の下に帯状(連続した形)に設けられる基礎形式です。

基礎が建物の外周や間仕切り壁の下に沿って連続して配置され、建物の荷重を線状に地盤へ伝えます。

住宅などの比較的軽い構造物に用いられることが多く、ベタ基礎に比べてコンクリート量が少なく済むため、施工コストを抑えやすいという特徴があります。

独立基礎(フーチング基礎)

独立基礎(フーチング基礎)

独立基礎とは、柱の下ごとに個別の基礎(フーチング)を設ける基礎形式です。

柱から伝わる荷重をフーチングによって広い面積に分散し、地盤に伝えます。

主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物、橋梁の橋脚などで用いられることが多く、柱の位置ごとに基礎を設置するため、建物の構造に合わせて柔軟に配置できるのが特徴です。

 

直接基礎の設計条件

直接基礎の設計においては、以下の事項を満足しなければいけません。

①基礎が鉛直支持(沈下)、水平支持(滑動)、転倒に対し安定であること 基礎底面における鉛直地盤反力が底面地盤の許容鉛直支持力を超えないこと
基礎底面におけるせん断力が底面地盤の許容せん断抵抗力を超えないこと
基礎に作用する荷重の合力の偏心量が許容偏心量を超えないこと
②基礎の変位量が許容変位量を超えないこと
③基礎各部材の応力度が許容応力度を超えないこと

一方、直接基礎に関する鉛直支持、水平支持、転倒それぞれの安定条件や注意点は以下のとおりです。

鉛直支持に対する安定条件

直接基礎が鉛直方向の荷重に対して沈下しすぎたり、支持力破壊を起こさないための条件です。

基礎底面に作用する荷重が、地盤の許容支持力度以下であること。

そして建物の自重・積載荷重・地震時の鉛直成分などを考慮し、地盤の強度や圧密特性に応じて安全率を確保してください。

沈下量や不同沈下が許容範囲に収まることも重要で、構造物の機能や耐久性を維持するための基本的な安定条件となります。

鉛直荷重に対しては、側面の摩擦抵抗はあまり期待できないので、鉛直地盤反力のみで抵抗させましょう。

水平支持に対する安定条件

地震力や風荷重、土圧などによる水平力に対して、基礎が滑動しないことを確認する条件です。

基礎底面の摩擦抵抗力や、地盤の受働土圧などの抵抗力が、作用する水平力より十分大きい必要があります。

摩擦係数や地盤反力を適切に評価し、安全率を確保することで、基礎が横方向にずれることを防きます。

特に地震時には水平力が大きくなるため、滑動に対する余裕度が重要です。

水平荷重は、一般に基礎底面のせん断地盤反力のみで抵抗させてください。

基礎底面地盤の許容せん断抵抗力は、基礎底面と地盤との間に働くせん断抵抗力に対し、常時1.5、暴風時・レベル1地震時1.2の安全率を確保して求めましょう。

 

転倒に対する安定条件

水平力や偏心荷重によって基礎が回転し、片側が浮き上がる転倒を防ぐための条件です。

基礎に作用するモーメントに対し、基礎自重や上部構造の荷重による抵抗モーメントが十分大きいことを確認しましょう。

基礎底面の反力が偏らないよう、偏心量を小さく抑えることも重要。

転倒に対する安全率を確保することで、建物の安定性と耐震性を高める役割を持ちます。

外力である荷重の合力の作用位置は、常時には底面の中心より底面幅の1/6以内、地震時には底面幅の1/3以内にあることを条件としています。

【比較表】直接基礎と杭基礎の違い

直接基礎と杭基礎の違いはこちらです。

項目 直接基礎 杭基礎
支持方法 基礎底面から地盤に直接荷重を伝える 杭を地中に打設し深い支持層で支える
適用地盤 良好な地盤(支持力が大きい) 軟弱地盤でも採用可能
施工方法 基礎を地盤上に設置 杭を打設・埋設してから基礎を設置
コスト 比較的安い 杭施工が必要で高くなりやすい
沈下 不同沈下に注意 沈下の影響を受けにくい
主な用途 住宅・小規模建築物など 高層建築・橋梁など

 

  • 直接基礎
    → 基礎の底面で建物の荷重を地盤に直接伝える
  • 杭基礎
    → 杭を使って深い支持層に荷重を伝える

そのため、地盤が良い場合は直接基礎、軟弱地盤では杭基礎が採用されることが多くなります。

 

直接基礎の基礎底面の処理工法

基礎工事

直接基礎の適用深度は、陸上では5m未満、水上施工では水深5m未満です。

直接基礎の支持層としては、前章でもお話したとおり、砂・砂れき層ではN値が30程度以上、粘性土ではN値が20程度以上とされています。

また、直接基礎の維持部に支持地盤として不適当な地盤が存在する場合や、斜面上に直接基礎を設ける場合などには、コンクリートで置き換えるようにしてください。

 

一般に基礎が活動するときのせん断面は、基礎の床付け面のごく浅い箇所に生じることから、施工時に地盤の過度の乱れが生じないように配慮が必要です。

一方、河川敷内の直接基礎は河川の流れにより、海中の直接基礎は波浪や潮汐流により洗堀されて地盤面の低下を起こすため、その影響を考慮して、少なくとも現地盤面から将来の低下を見込んだ位置まで下げて設計上の地盤面としましょう。

 

つづいて、さまざまな条件での処理についてみていきます。

条件(状況)はこんな感じ 🙂

さまざまな直接基礎の処理

  1. 砂質地盤の場合
  2. 締まった砂礫層や岩盤の場合
  3. 埋め戻しのとき
  4. 改良地盤上の直接基礎について

1.砂質地盤の場合

砂地盤の場合、栗石や砕石とのかみ合いが期待できるように、ある程度の不陸を残して基礎底面地盤を整地し、その上に栗石や砕石を配置してください。

割栗石基礎工を行い、ならしコンクリートを打ちます。

そして割栗石は、ゆるんだ砂層に十分にたたきこむ必要があります。

滑動抵抗を増やすため底面に突起に設けるときには割栗石を貫いて、しっかり原地盤に貫入させなければいけません。

 

2.締まった砂礫層や岩盤の場合

締まった砂礫層や岩盤の場合、割栗石は用いず、地盤のゆるんだ部分を取り除いてならしてからコンクリートを打ちましょう。

この場合、ならしコンクリートと基礎地盤が十分にかみ合うように、基礎底面地盤にある程度の不陸を残し、平滑な面としないように配慮する必要があります。

 

3.埋め戻しのとき

フーチングの根入れ部分で水平抵抗をとらせる場合は、埋め戻し土砂を十分に吟味し、支持地盤よりゆるくなった状態になるのは避けましょう。

水平支持力が不足する場合は、直接基礎に突起をつける場合もあります。

そして岩盤を切り込んで施工するときには、掘削したずりでなく場合によっては貧配合のコンクリートを打つ程度の配慮が必要となります。

 

4.改良地盤上の直接基礎について

表層は軟弱だけども、比較的浅い位置に良質な支持層がある場合には、支持層まで根入れをします。

一方で、安定処理や良質土による置き換えを行い改良地盤を形成して、これを支持地盤としてその上に直接基礎を設ける方法があります。

直接基礎まとめ

直接基礎は、建物を安全に支えるための最も基本的な構造要素であり、鉛直支持・水平支持・転倒の各安定条件を適切に満たすことが重要です。

地盤特性や作用荷重を正しく評価し、必要な安全性を確保することで、長期にわたり安心して利用できる構造物が実現します。

基礎設計の考え方を理解しておくことは、建築物の信頼性を高めるうえで大きな意味を持っているといえるでしょう。

 

 

以上です。

ありがとうございました。

 

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