今回のテーマは【液性限界&塑性限界】
土の液性限界・塑性限界試験やコンシステンシー限界について、図解などを使ってまるっと解説しています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
液性限界&塑性限界とは?塑性指数や試験(求め方)・目的利用の解説
まずは液性限界&塑性限界および、関連用語を確認していきましょう。
以下の図解に示すように、液性限界WLとは、土が塑性体から液体に移るときの境界の含水比です。
また塑性限界Wpは、土が塑性体から半固体に移るときの境界の含水比のこと。
そして液性限界と塑性限界との差が塑性指数Ipで、土が塑性を示す幅を表しています。
定義をまとめるとこんな感じ 🙂
液性限界 | 土が液体から塑性の状態に移る境界の含水比をいう。
一般には多量の水分を含む土が塑性体として最小のせん断強さを示す状態の含水比とも言われている |
塑性限界 | 土が塑性体から半固体の状態に移る境界の含水比をいう。
土の含水比がそれ以下になるともろくなって亀裂を生じやすくなり、自由に変形しにくくなる境界の含水比とも言われている |
塑性指数 | 液性限界と塑性限界との差
塑性指数Ip=液性限界WL-塑性限界Wp 塑性指数が大きいほどより塑性的な土であることを示し、Ipと表す なお、自然状態の粘性土の安定性の判定に使われる |
一方で、その他の土質試験(室内試験)については別記事でまとめていますので、併せてご確認ください。
また、横軸に含水比、縦軸に土の体積をあらわしたグラフは以下のとおりです。
土のコンシステンシー限界とは、土に含まれている水分の量(含水量)によって土の状態が変化することや、変形のしやすさが異なることを指します。
土は含水比によって形態が変化していき、乾いた半固体状の土は含水比が増加するにつれて塑性体、液生体へと変化していきます。
また、土の状態を表現するとこんなイメージになるので覚えておくと良いでしょう。
土の状態 | イメージ |
固体状 | カチカチに固く固まっている |
半固体状 | ボロボロで形がつくれない |
塑性状 | ネバネバで自由な形がつくれる |
液状 | ドロドロで流れて形がつくれない |
さらに粒径加積曲線の見方についても確認しておくとよいです。
液性限界試験と塑性限界試験それぞれの求め方について簡単に解説します。
液性限界試験(求め方)
【↑液性限界測定器】
黄銅皿に、試料の最大厚さが約1㎝になるように入れ、試料の中央部で溝を切り、黄銅皿を1㎝の高さから1秒間に2回の割合で落下させます。
そして二分した溝の底部が長さ1.5㎝にわたり合流するときの落下回数が25回に相当する含水比を求めます。
塑性限界試験(求め方)
ガラス板上で試料の塊を手のひらで転がしながら直径3㎜のひも状にします。
このとき、切れぎれになるときの含水比を求めます。
そして液性限界・塑性限界どちらも、試験に使用する試料は、0.425㎜ふるい通過分を使用します。
くわしくは【JIS A 1205】に規定されていますので、そちらをご覧ください。
液性限界&塑性限界とは?塑性指数や試験(求め方)・目的利用の解説まとめ
液性限界 | 土が液体から塑性の状態に移る境界の含水比をいう。
一般には多量の水分を含む土が塑性体として最小のせん断強さを示す状態の含水比とも言われている |
塑性限界 | 土が塑性体から半固体の状態に移る境界の含水比をいう。
土の含水比がそれ以下になるともろくなって亀裂を生じやすくなり、自由に変形しにくくなる境界の含水比とも言われている |
塑性指数 | 液性限界と塑性限界との差
塑性指数Ip=液性限界WL-塑性限界Wp 塑性指数が大きいほどより塑性的な土であることを示し、Ipと表す なお、自然状態の粘性土の安定性の判定に使われる |
土のコンシステンシー限界とは、土に含まれている水分の量(含水量)によって土の状態が変化することや、変形のしやすさが異なることを指す
土の状態 | イメージ |
固体状 | カチカチに固く固まっている |
半固体状 | ボロボロで形がつくれない |
塑性状 | ネバネバで自由な形がつくれる |
液状 | ドロドロで流れて形がつくれない |
液性限界試験や塑性限界試験はそれぞれJISで試験方法が定められている。
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインに情報発信中!