こんなお悩みを解決します。
コンクリ―トの中性化の原因や劣化現象について分かりやすく説明しますよー!
併せて対策や劣化のメカニズムもチェックしていきましょう。
コンクリートが中性化する原因と対策とは?劣化機構のメカニズムも解説
コンクリートが中性化する原因や対策についてみていきましょう。
まずコンクリートの中性化とは、
空気中の二酸化炭素とコンクリート中の水酸化カルシウムが反応して炭酸カルシウムになり、コンクリートのアルカリ性が低下する現象
のことです。
コンクリート構造物の耐久性における劣化機構のひとつです。
中性化のほかにも、劣化機構には凍害、塩害、アルカリシリカ反応、化学的侵食などがあります。
コンクリートの劣化機構として必ずチェックしておきましょう。
コンクリート中性化の原因は?
中性化の原因は、ずばり空気中の「二酸化炭素」です。
つまり、中性化の原因を根本的になくすことはできないということ。
二酸化炭素は目にみえないし、どうしようもないですよね。(笑)
コンクリート中性化の劣化機構メカニズム
中性化の劣化のメカニズムは、中性化がすすみコンクリート内の鋼材位置まで達すると、鋼材腐食が生じます。
コンクリート内の鋼材の腐食がいったん始まってしまうと、腐食物の体積膨張により、コンクリートをひび割れやはく離させ、鋼材の腐食を引きおこします。
さらに腐食が進むと、鋼材の断面減少なども伴うようになるのです。
またコンクリートは圧縮強度に比べ、引張強度が弱いため、コンクリート補強材として鋼材をコンクリート中に埋め込まれていることが多いです。
そういうこと!
コンクリートと鋼材は切っても切れない関係なのです。
コンクリート中性化の劣化指標
中性化の劣化指標で有名なのは、「中性化深さ」です。
コンクリート中性化深さ試験は、コア法、はつり法などで行うのが一般的です。
中性化深さ試験の方法は、JIS A 1152の中性化深さ測定方法に準じて行いましょう。
測定方法
コンクリートコア、小径コアやドリル法を用いて採取した試料に、指示薬のフェノールフタレインを噴霧し、着色していない部分の深さを中性化深さとして測定します。
フェノールフタレイン溶液を噴霧して、赤紫色になったら、中性化していないと判断でき、着色しなかったら、中性化していると判断できますよ。
- フェノールフタレイン→赤紫になった=中性化していない
- フェノールフタレイン→色が変わらない=中性化している
色が変わらないということは中性化していると覚えておきましょう。
コンクリート中性化の対策
それでは、中性化を生じさせないためにはどうしたら良いのでしょう??
まあこれは要するに、二酸化炭素をコンクリート中に入らせないように工夫を凝らすしかないということです。
- タイルや石張りなどで仕上げを行う。
- かぶり(厚さ)を大きくしたり、気密性の吹付け材を施工する
標準的な、建築工事などにおける最小かぶり厚さは以下のとおりです。
参考にしてください。
最小かぶり厚さ
5.3.5 鉄筋のかぶり厚さ及び間隔
(1) 鉄筋及び溶接金網の最小かぶり厚さは、特記による。特記がなければ、表 5.3.6 による。
ただし、柱及び梁の主筋に D29 以上を使用する場合は、主筋のかぶり厚さを径の 1.5 倍以上確保するように最小かぶり厚さを定める。
(引用:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成 31 年版 P31)
(引用:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)平成 31 年版)
コンクリートが中性化する原因と対策とは?劣化機構のメカニズムも解説まとめ
コンクリート劣化機構についてサクッとチェックしておきたい方は、コンクリート劣化機構まとめをご確認ください。
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。