土木施工管理技士 第1次検定 土木・土木施工管理技士

1級土木の基礎工問題を徹底分析!第一次検定で出やすい分野とは?

1級土木基礎問題

こんにちは、1級土木施工管理技士のちゃんさとです。

今回のテーマは【1級土木の第一次検定★基礎工】です。

試験問題Aにおいて毎年4問程度出題されており、選択問題とはいえ、土工、コンクリート工と同様に、基礎工はしっかり押さえておきたいところです。

過去問を分析し、出やすい問題やポイントについてまとめましたので、受験する方はぜひ確認してみてください。

一方で、同じ内容をyou tubeでも配信していますので、動画で見たい方は以下をご覧ください 🙂

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂

 

1級土木の基礎工問題を徹底分析!第一次検定で出やすい分野とは?

杭基礎機械

基礎工問題はざっくり分けて以下の項目について問われます。

1級土木★基礎工問題

  1. 既製杭(中堀り杭工法・プレボーリング)
  2. 土留め壁および土留め支保工(自立土留め、切梁式、控え杭タイロッド式土留め、アンカー式)の特徴や施工
  3. 場所打ち杭工法
  4. 直接基礎
  5. 鋼管杭の現場溶接の施工
  6. 場所打ち杭の鉄かごの施工および組み立て
  7. さまざまな基礎形式

そして、出題率的にも上記の順番ですので、時間のない方などは、上位1~4(既製杭~直接基礎)くらいを中心にやると良いでしょう。

基礎分類 工法
直接基礎 原地盤をそのまま利用
地盤改良、安定処理、軟弱地盤工法などを行う
杭基礎 既製杭基礎工法 打込み工法

  1. 打撃工法
  2. 振動工法
  3. 圧入工法(打込み)
埋込み工法

  1. プレボーリング工法
  2. 中堀り工法
  3. ジェット工法
  4. 鋼管ソイルセメント工法
  5. 回転杭工法
  6. 圧入工法(埋込み)
場所打ち杭基礎工法 人力・機械掘削(深礎工法)
機械掘削

  1. オールケーシング
  2. リバース
  3. アースドリル
ケーソン基礎 オープンケーソン工法
ニューマチックケーソン工法
設置ケーソン工法
特殊基礎 鋼管矢板基礎工法
多柱基礎工法
地中連続壁基礎工法
それぞれの項目についてみていきましょう!

1級土木対策①既製杭(中堀り杭工法・プレボーリング工法)

既製杭基礎の埋め込み工法には、

  1. プレボーリング工法
  2. 中堀り工法
  3. ジェット工法
  4. 鋼管ソイルセメント工法
  5. 回転杭工法
  6. 圧入工法(埋込み)

などの種類がありますが、1級土木の試験でよく出るのは中堀杭工法、プレボーリング工法の2つです。

中堀り杭工法 最終打撃方式は、ある深さまで中堀り沈設した杭を打撃によって所定の深さまで打ち込むが、支持層上面から杭径の3倍程度以上を残して中堀りから杭込みへ切り替えるのがよい

セメントミルク噴出攪拌方式は沈設中に杭径以上の拡大掘りや1m以上の先掘りを行ってはならないが、根固め部においては所定の形状となるよう先掘り、拡大掘りを行う。

プレボーリング杭工法 掘削は、掘削孔に傾斜や曲がりおよび崩壊が生じないよう注意して行い、掘削孔が崩壊するような場合はベントナイトなどを添加した掘削液を使用するのがよい

地盤の掘削抵抗を減少させるため、掘削液を掘削ピットの先端部から吐出させるとともに、孔内を泥土化して孔壁の崩壊を防止する

杭を埋設する際、孔壁を削ることのないように確実に行い、ソイルセメントが杭頭部からあふれ出ることを確認する必要がある

そのほか、既成杭における一般的な注意事項なども出題されますので確認しておきましょう。

過去問一例

  • 中間杭の位置精度や鉛直精度が低いと、切梁の設置や本体構造物の施工に支障となるため、精度管理を十分に行う
  • 橋梁下部の杭基礎は、支持杭基礎と摩擦杭基礎に区分され、長期的な基礎の変位を防止するためには、一般に支持杭基礎とするとよい

 

②土留め壁および土留め支保工(自立土留め、切梁式、控え杭タイロッド式土留め、アンカー式)の特徴や施工

土留め壁および土留め支保工について、それぞれの特徴や施工方法について確認しておくようにしてください。

とくに、土留め支保工の①自立土留め②切梁式③控え杭タイロッド式土留め④アンカー式それぞれのちがいはチェックしておくと良いでしょう。

過去問一例

  • タイロッドの施工は、水平または所定の角度で原則として土留め壁に直角になるように正確に取り付けること
  • 土留め支保工★腹起しと土留め壁との間はすき間が生じやすく密着しない場合が多いため、土留め壁と腹起しの間にモルタルやコンクリートを裏込めするなど、壁面と腹起しを密着させること
  • 数段の切梁がある場合は、掘削に伴って設置済みの切梁に軸力が増加し、ボルトにゆるみが生じることがあるため、必要に応じ増締めを行うこと

 

③場所打ち杭工法(オールケーシング、アースドリル、リバース、深礎杭)の特徴や孔底処理

場所打ち杭工法は、

  1. オールケーシング工法
  2. アースドリル工法
  3. リバース工法
  4. 深礎杭工法

の4つに分けられますが、1級土木の試験問題ではオールケーシング工法が一番出題率が高いです。

ただし、それぞれの特徴や孔底処理については4つとも確認しておくようにすると良いでしょう。

場所打ち杭工法 特徴や施工の注意点
オールケーシング工法 コンクリート打ち込み時に一般にケーシングチューブの先端をコンクリートの上面から所定の深さ以上に挿入する

コンクリート打ち込み完了後、ケーシングチューブを引き抜く際に、コンクリートの天端が下がるので、あらかじめ下がり量を考慮する

根入れ長さの確認は、支持層を確認したのち、地盤を緩めたり破壊しないように掘削し、掘削完了後に深度を測定して行う

掘削全長にわたりケーシングチューブを用いて孔壁を保護するため、孔壁崩壊の懸念はほとんどない

アースドリル工法 アースドリル工法では、地表部に表層ケーシングを建込み、孔内に注入する安定液の水位を地下水以上に保ち、孔壁に水圧をかけることによって孔壁を保護する
リバース工法 定液のように粘着性のあるものを使用しないため、泥水循環時においては粗粒子の沈降が期待でき、一次孔底処理により泥水中のスライムはほとんど処理できる

スタンドパイプを安定した不透水層まで建て込んで孔壁を保護・安定させ、コンクリート打ち込み後、スタンドパイプを引き抜く

深礎杭工法 深礎工法では、掘削孔全長にわたりライナープレートなどによる土留めを行いながら掘削し、硬質な粘性土、硬岩など明らかに崩壊しないと判断される場合を除いて土留め材は撤去しない

 

1級土木対策④直接基礎

直接基礎は、さまざまな地盤における注意点や施工方法について出題されます。

直接基礎

  1. 斜面上や傾斜した支持層などに擁壁の直接基礎を設ける場合は、基礎地盤として不適な地盤を掘削し、コンクリートで置き換えて施工することができる
  2. 表層は軟弱であるが、比較的浅い位置に良質な支持層がある地盤を擁壁の基礎とする場合は、良質土による置き換えを行い、改良地盤を形成してこれを基礎地盤とすることができる。
  3. 直接基礎は、一般に支持層位置が浅い場合に用いられ、側面摩擦によって鉛直荷重を分担支持することは期待できないため、その安定性は基礎底面の鉛直支持力に依存している
  4. 直接基礎の底面は、支持地盤に密着させることで、滑動抵抗を十分に期待できるように処理しなければならない
  5. 基礎地盤が砂地盤の場合は、基礎底面地盤を整地し、その上に栗石や砕石を配置するのが一般的である
  6. 岩盤を切り込んで直接基礎を施工する場合は、水平抵抗を期待するためには岩盤と同程度の強度や変形特性を有する貧配合のコンクリート等で埋め戻す
  7. 擁壁の直接基礎において、基礎地盤が岩盤のときには、擁壁の安定性を確保するため、掘削面にある程度の不陸を残し、平滑な面としないように施工する
  8. 基礎地盤をコンクリートで置き換える場合には、底面を水平に掘削して岩盤を十分洗浄し、その上に置き換えコンクリートを直接施工する

 

1級土木対策⑤場所打ち杭の鉄かごの施工および組み立て

鉄かごの組み立ては、特殊金物などを用いた工法やなまし鉄線を用いて、鋼材や補強鉄筋を配置して堅固となるように行います。

そして、自重で孔底に貫入するのを防ぐため、井桁上に組んだ鉄筋を最下端に配置するのが一般的です。

さらに一般的に鉄筋かごの径が大きくなるほど変形しやすくなるので、組み立て用補強材は剛性の大きいものを使用しましょう。

ただし、鉄筋かごの組み立てにおいては、組み立て上の形状保持のための溶接を行ってはいけません。

 

一方、鉄かごに取り付けるスペーサーは、鉄筋のかぶりを確保するためのもので、同一深さ位置に4~6個で取り付けるのが一般的です。

また鉄かごを移動する際は、水平につり上げるため、ねじれ、たわみなどが起きやすいので、これを防止するため2~4点でつるのがよいとされています。

 

1級土木対策⑥鋼管杭の現場溶接

現場溶接での注意点や原則、検査対象などについて問われます。

例として、以下は過去問の文章を抜粋したものです。

鋼管杭の現場溶接

  • 打撃工法においてヤットコを使用したり、地盤状況などから偏打を起こす恐れがある場合には、鋼管杭の板厚を増したり半間の選択に注意する必要がある
  • 鋼管杭の現場溶接接手は、所要の強度および剛性を有するとともに、施工性にも配慮した構造とするため、アーク溶接接手を原則とし、一般に半自動溶接法によるものが多い
  • 溶接ワイヤの吸湿はアークの不安定、ブローホールなどの原因となるので、よく乾燥したものを用いる必要がある
  • 現場溶接は、良好な溶接環境と適切な施工管理のもとに行うとともに、品質が確認できるような溶接条件、溶接作業、検査結果などを記録する必要がある
  • 現場溶接完了後の外部傷の検査は、溶接線全線を対象として行う

 

1級土木対策⑦さまざまな基礎形式

さまざまな基礎形式とは、ケーソン、鋼管矢板、支持杭、摩擦杭、直接基礎、杭基礎などを指しています。

近年、道路橋や橋梁下部の基礎についての問題が新しく出題されている傾向にあります。

道路橋

  • 支持杭基礎における杭先端の支持層への根入れ深さは、杭工法によっても異なるものの、設計では少なくとも杭径程度確保することが基本となる
  • 鋼管矢板基礎は、打ち込み工法、または中堀り工法による先端支持とし、また井筒の下端拘束を地盤により期待する構造体であるため、支持層への根入れが必要となる
  • 摩擦杭基礎は、長期的な鉛直変位について十分な検討を行い、周辺摩擦力により所要の支持力が得られるように根入れ深さを確保する必要がある
  • ケーソン基礎は、沈設時に基礎周面の摩擦抵抗を小さくできるように構造的な配慮等が行われることから、永続的な鉛直荷重に対しては周面摩擦による分担支持を期待せず、基礎底面のみで支持することを原則とする
  • 直接基礎は一般に支持層位置が浅い場合に用いられ、側面摩擦によって鉛直荷重を分担支持することは期待できないため、その安定性は基礎底面の鉛直支持力に依存している
  • 杭基礎は、摩擦杭基礎として採用されることもあるが、支持杭基礎とするのが基本であり、杭先端の支持層への根入れ深さは、少なくとも杭径程度以上を確保するのが望ましい

橋梁下部

  • 橋梁下部の杭基礎は、支持杭基礎と摩擦杭基礎に区分され、長期的な基礎の変位を防止するためには一般に支持杭基礎とするのがよい
  • 斜面上や傾斜した支持層などに擁壁の直接基礎を設ける場合は、基礎地盤として不適な地盤を掘削し、コンクリートで置き換えて施工することができる
  • 表層は軟弱であるが、比較的浅い位置に良質な支持層がある地盤を擁壁の基礎とする場合は、良質土による置き換えを行い、改良地盤を形成してこれを基礎地盤とすることができる
  • 橋梁下部の直接基礎の支持層は、基礎を支持できるだけの十分な強度および剛性を有する層を選定する必要があるため、一般には沖積世の新しい表層に支持させない

上記は過去問の選択肢を一部抜粋したものなので、文章の内容や特徴もチェックしておくと良いでしょう。

また過去問の選択肢は使いまわされていることも多々あるので、正解の選択肢だけでなく、そのほかの文章をしっかり確認するようにしてください。

1級土木の基礎工問題を徹底分析!第一次検定で出やすい分野まとめ

出題率は以下の順番なので時間のない方などは、上位1~4(既製杭~直接基礎)くらいを中心にやると良い

1級土木★基礎工問題

  1. 既製杭(中堀り杭工法・プレボーリング)
  2. 土留め壁および土留め支保工(自立土留め、切梁式、控え杭タイロッド式土留め、アンカー式)の特徴や施工
  3. 場所打ち杭工法
  4. 直接基礎
  5. 鋼管杭の現場溶接の施工
  6. 場所打ち杭の鉄かごの施工および組み立て
  7. さまざまな基礎形式

以上です。

試験勉強がんばってください!(^^)!

ありがとうございました。

 

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