今回のテーマは【ボンエルフ】
シケインやハンプなどの事例のほか、デメリットなどもまとめました。
都市デザインや道路計画を設計する上で知っておきたい内容ですので、ぜひチェックしてみてください。
ボンエルフとは?シケインやハンプなどの事例や道路とデメリット
ボンエルフとは?都市デザイン(道路)を考える
ボンエルフとは、まちづくり(都市デザイン)を考える時に、歩行者と自動車が安全に共存できるように工夫した道路整備のことです。
人や車が利用する生活道路を自動車や自転車がわざとジグザクに進むように設計して自然に通行速度を緩めさせたり、自動車を遮断して人が安全に歩行できたりします。
また、道路に張り出すように花壇やオブジェ、街路樹などを設け、道路自体を蛇行させ段差を設けるなどの方法もあります。
とくに大規模な戸建住宅の分譲地や大型マンションの敷地内で採用され、機能性に加えデザイン性も考慮して設計されることが多いでしょう。
またボンエルフと併せてラウンドアバウトについてもチェックしておきましょう。
ボンエルフの方法や事例
それでは、さらにくわしくボンエルフの方法や事例を見ていきましょう。
ボンエルフの方法(事例)はこんな感じです。
ボンエルフの事例
- 狭さくや街路樹(植物)を設ける
- 遮断する(バリケードの設置など)
- 連続ハンプ・シケインの設置
狭さくや街路樹(植物)などを設ける
狭さくや街路樹(植物)を設けることで、自動車の進入を遮ったり、スピードを緩めたりする効果があります。
遮断(バリケードの設置など)
車を遮断することで、いわゆる「歩行者天国」をつくります。
車が通らないため、歩行者は安全に通行することができます。
ハンプ・シケインなど
ハンプとは道路の路面に設けられた凸状(もり上がっている)部分のこと!
通過する車両を一時的に押し上げるもので、事前にこれを見たドライバーが速度を落とすことがねらいで、歩行者・自転車の安全な通行を確保することができます。
とくにハンプを連続して設置すると、より自動車の速度減効果が得られますよ 🙂
【連続ハンプ】
また、ボンエルフの事例としては以下のようなものが挙げられます。
とくにオランダやドイツなどではボンエルフ関連の法律が数多くあり、歩行者と自動車との共存が図られています。
都市名 | ボンエルフの事例 |
オランダ(フローニンゲン市) | 歩行者は道路幅全幅が使え、自動車の制限速度は15㎞/h未満
自動車は指定場所以外の駐車は禁止 |
ドイツ(ハンブルク市ハルブルク区) | シェアドスペースの整備
交通規制は「交通静穏化空間」を使う 路上駐車スペースの配置によるシケイン |
ドイツ(ハノーファー市) | 交通静穏化空間での花壇や遊具によるシケイン |
オランダ(デルフト市) | 公園を設けてクランクをつくる |
沖縄県浦添市仲西小学校 | ハンプを実験的に設置(長さ6m、平坦部2m)
好評につき本格実施に移行 |
一方で、沖縄県浦添市で実施されたハンプ設置箇所での速度抑制効果は以下のとおりです。
設置前 | 設置後 | |
平均速度 | 24.5㎞/h | 16.9㎞/h |
時速30㎞/h以上の速度で通行する車 | 29.7% | 1.4% |
(参考引用:ハンプ設置前後の交通状況(出典:沖縄県公共交通活性化推進協議会)
平均速度は設置前後で7.6㎞/h低くなり、時速30㎞/h以上の速度で通行する車は、28.3%減ったそうです。
ボンエルフのデメリット
ボンエルフのデメリットとしては、車両と歩行者・自転車などとの接触事故です。
歩道と車道が共存しているため、車がスピードを落としていたとしても、不注意などで事故が起こる可能性があります。
さらに【緊急時】などもデメリットとして挙げられます。
例えば、ボンエルフ内の敷地で救急車を呼ばなければならない状況に陥るなどした場合、どうしても現場に着くまでの時間が長くなる傾向にあります。
ボンエルフとは?シケインやハンプなどの事例や道路とデメリットまとめ
ボンエルフとは、まちづくり(都市デザイン)を考える時に、歩行者と自動車が安全に共存できるように工夫した道路整備のこと
ボンエルフの事例
- 狭さくや街路樹(植物)を設ける
- 遮断する(バリケードの設置など)
- 連続ハンプ・シケインの設置
ボンエルフのデメリット |
車両と歩行者・自転車などとの接触事故
・歩道と車道が共存しているため、車がスピードを落としていたとしても、不注意などで事故が起こる可能性がある。 緊急時 ボンエルフ内の敷地で救急車を呼ばなければならない状況に陥るなどした場合、どうしても現場に着くまでの時間が長くなる傾向 |
以上です。
ありがとうございました。