土木施工管理技士&土木知識のWEB図書館

土木LIBRARY

土木公式集まとめ!土質力学・水理学・構造力学の三力公式

土木には欠かせない三力(サンリキ)である【構造力学・土質力学・水理学】

 

覚える公式がたくさん…

正直、全部なんて覚えてられないですよね(笑)

そんなわけで、よく使う三力の公式をまとめて土木公式集をつくってみました 🙂

 

土木のテスト勉強や、土木の現場・設計などでぜひ使ってください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ~

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木)として7年間はたらいた経験を持つ。(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。

土木公式集まとめ!土質力学・水理学・構造力学の三力公式

土木三力公式

  1. 土質力学
  2. 水理学
  3. 構造力学

土木公式集まとめ➀土質力学

まずは土質力学です。

土質力学公式のみ確認したい方は別記事でご確認ください。

土質力学は、主に土の構成や土圧・水圧、粘着力などを求めます。

 

土の構成の公式

 

名称 土の公式 定義
含水比w (Ww/Ws)×100% 土の中に含まれる水分量の割合
間げき比e Vv/Vs 土のなかの間隙(スキマ)と土粒子の比
間げき率n (Vv/V)×100% 土全体の間隙の割合
飽和度Sr (Vw/Vv)×100% 土の間げきはすべて水で満たされた状態
乾燥密度ρd ms/V(t/㎥) 土粒子だけの重量に対する、全体積の比率(水分を含まない)
乾燥単位体積重量γd Ws/V 土の全重量を土の全体積で割った値(水分を含まない)
湿潤密度ρt m/V(t/㎥) 土粒子だけの重量に対する、全体積の比率(水分を含む)
湿潤単位体積重量γt W/V 土の全重量を土の全体積で割った値(水分を含む)

 

土の土圧・水圧の公式

構造物に対して、土圧や水圧、載荷重などがかかるときの公式です。

構造物の種類 公式(計算式)
擁壁にはたらく土圧

載荷重Pa₁=q・ka・H
土圧Pa₂=1/2・γ・H²・ka
水圧Pw=1/2・w・h²
自立矢板にはたらく土圧

主動土圧Pa=1/2・γ・(H+D)²・ka
受動土圧Pp=1/2・γ・D²・kp
地下埋設物に働く土圧

静止土圧Ph₁=1/2・γ・h₁²・ko
静止土圧Ph₂=1/2・γ・h₂²・ko

 

内部摩擦角Фの公式

土粒子同士のまさつなどよる、せん断強さを角度で表したもの。

内部摩擦角が大きくなれば、土のせん断強さは強くなります。

標準貫入試験N値 内部摩擦角Ф 条件
大崎の式 √20N +15≦45° -
道路橋示方書の式 √15N +15≦45° N:砂の値、ただしN>5
ダナムの式 √12N +15≦45° 粒度が一様で丸い粒子の場合

条件により使う公式が異なるので注意しましょう。

 

土の粘着力cの公式

土の粘着力とは、その名のとおり【土のねばり気】のこと。

標準貫入試験N値 土の粘着力c=6~10N
一軸圧縮強度qu(kN/㎡) 土の粘着力c=qu/2

土のせん断強さ(強度)は、内部摩擦角と土の粘着力の合計で表されます。

よって内部摩擦角と土の粘着力は、土のせん断強さ(強度)求めるための定数であるとも言えますね 🙂

 

一軸圧縮強度の公式

一軸圧縮強度とは、側圧がない状態で圧縮荷重をかけたときの強度のことです。

一軸圧縮強度は三軸圧縮強度よりかんたんでかつ、地盤の力学性状を測定するのに効果的な方法なので、地盤改良の現場では一軸圧縮強度が一般的に実施されています。

標準貫入試験N値 一軸圧縮強度qu=100N/8
コーン指数qc 一軸圧縮強度qu=5qc
ちなみに三軸圧縮試験は、3方向から圧縮力を加えたときの強度のこと。3方向とは、鉛直方向(Z方向)、水平方向(X,Y方向)の3つです。

 

許容支持力度の公式

地盤に荷重を加えてもせん断破壊に対して安全であり、しかも地盤のせん断変形にともなう沈下が、許容量以下であるような地盤の支持耐力のことです。

長期許容支持力度 qa=1/3(α・c・Nc+β・γ₁・B・Nr+γ₂・Df・Nq)
短期許容支持力度 qa=2/3(α・c・Nc+β・γ₁・B・Nr+1/2・γ₂・Df・Nq)

qa:許容支持力度(kN/㎡)

c:地盤の粘着力(基礎底面下)

γ₁:基礎底面下の地盤の単位体積重量(kN/㎥)

γ₂:基礎底面より上にある地盤の単位体積重量

Df:最低地盤面から基礎底面までの深さ(m)

B:基礎の最小幅(m)

一般的な土地の支持力(地耐力)は、3t/m2以上(1m2当たり3トン以上の荷重に耐えられる)といわれています。

 

ダルシーの法則

ダルシーの法則とは、動水勾配と土中を流れる水の速度の関係を表したものです。

ダルシーの法則 v=ki
動水勾配 i = h / L

kは透水係数、hは水頭差、Lは水平キョリです。

 

 

土木公式集まとめ②水理学(水文学)

つづいては【水理学(水文学)】

水理学では、流量や流速、降雨強度などを求めることができます。

 

基本公式(流量・流速・流積)

きほん公式

Q=AV(㎥/s)
Q:流量(㎥/s)、A:流積(断面積)(m)、V:平均流速(m/s)
マニング

V=1/n[R^(2/3)I^(1/2)](m/s)
V:平均流速(m/s)、n:粗度係数、I:動水勾配、R:径深=A/S、A:流積(断面積)(m)、S:潤辺(m)
へ―ゼンウイリアムス

V=0.849C・R^(0.63)I^(0.54)](m/s)
V:平均流速(m/s)、n:粗度係数、I:動水勾配、R:径深=A/S、A:流積(断面積)(m)、S:潤辺(m)
円形管の場合(RをD/4に変更)

V=0.849C・(D/4)^(0.63)I^(0.54)](m/s)
シェジー

V=C√RI(m/s)
V:平均流速(m/s)、C:シェジーの流速係数、I:動水勾配、R:径深=A/S
マニング式によるC

C=1/n×R^(1/6)
バサン式によるC

C=87/(1+r/√R)
ガンギレ―・クッタ式によるC

C=【23+(1/n)+0.00155/I】/〈1+(23+0.00155/I・n/√R〉・√RI
オリフィス

Q=Ca√2gH
Q:流量(㎥/s)、C:流量係数≒0.61、a:オリフィス断面積(㎡)、H:水面からオリフィス中心までの高さ(m)

水門の公式

きほん公式(水門)

Q=Cbd√2g(h-d)
C:流量係数≒0.62~0.66、b:水路幅(m)、d:内空高(m)、h:水面高(m)
自由流出

Q=C₁bd√2g(h₁-d)
C₁:流量係数(h₁/d>2.5の場合0.62~0.66)、b:水路幅(m)、d:内空高(m)、h₁:ゲート上流水深(m)
もぐり流出

Q=C₁bd√2g(h₁-h₂)
C₁:流量係数(h₁/d>2.5の場合0.62~0.66)、b:水路幅(m)、d:内空高(m)、h₁:ゲート上流水深(m)、h₂:ゲート下流水深(m)

 

降雨強度とピーク流出量の公式

降雨強度

I=a/(t^(c)+b)
I:降雨強度、t:降雨時間、a、b、c:地域によって定まる定数
ピーク流出量

Q=(1/360)・f・r・A
Q:ピーク流出量、f:流出率、r:降雨強度(mm/h)、A:流域面積(ha)

堰やフルード係数の公式

三角堰(直角三角形)

Q=C・h^(5/2)(㎥/s) Q:流量(㎥/s)、h:越流水深(m)、D:堰高(m)、B:水路幅(m)
流量係数C=1.354+(0.004/h)+(0.14+(0.2/√D))×(h/B-0.09)²
四角堰

Q=C・b・h^(3/2)(㎥/s) Q:流量(㎥/s)、b:越流幅(m)、h:越流水深(m)、D:堰高(m)、B:水路幅(m)
流量係数C=1.785+(0.00295/h)+0.237h/D-0.428√(B-b)h/BD-0.034√B/D
全幅堰

Q=C・B・h^(3/2)(㎥/s) Q:流量(㎥/s)、h:越流水深(m)、D:堰高(m)、B:水路幅(m)
流量係数C=1.785+(0.00295/h+0.237h/D)×(1+ε)

ε:補正係数 D≦1m=0, D>1m=0.55(D-1)

フルード数

Fr=V/√gH Fr:フルード数、V:流速(m/s)、H:水深(m)
限界水深

Hc=∛Q²/gB² Hc:限界水深、Q:流量(㎥/s)、g:重力加速度(=9.8)、B:水路幅(m)
常流、射流、限界流の判定

H>Hc:常流

H<Hc:射流

H=Hc:限界流

フルード数とは、流体に作用する慣性力と重力の比を表す無次元量のこと。 主に造波抵抗など、重力の影響が大きいものの分析のために使われます

土木公式集まとめ③構造力学

さいごには構造力学の公式です。

構造力学では主に、応力や力のつり合い(モーメント)、はりなどの公式があります。

ここでかんたんに用語解説 :-)
土木用語 意味
垂直応力 垂直にかかる力のこと
せん断応力 物体内部のある面と平行方向に、その面にすべらせる(ずれる)ように作用する応力
ひずみ 物体に外から力を加えたときの形状または体積の変化。ねじれ・ゆがみ・ちぢみなど
フックの法則 バネが伸びるのは、引く力に比例するという法則
断面二次モーメント 曲げモーメントに対する、はり部材の変形のしにくさを表したもの
断面係数 モーメントに対する断面(形状)のまがりにくさを表したもの。

 

応力の公式

構造力学の公式はこちらです。

垂直応力σ=P/A[N/㎡] σ:垂直応力、P:外力[N]、A:断面積[㎡]

せん断応力τ=P/A[N/㎡] τ:せん断応力、P:外力[N]、A:断面積[㎡]

ひずみε=δ/l ε:ひずみ、δ:伸び(縮み)[m]、l:初期長さ[m]

フックの法則σ=Eε E:弾性係数(ヤング率)、ε:ひずみ

 

断面二次モーメントと断面係数の公式

形状 断面二次モーメント 断面係数
正方形☐ I=h⁴/12 [h=高さ] Z=h³/6  [h=高さ]
長方形▭ I=bh³/12[b=底(上)辺,h=高さ] Z=bh³/6 [b=底(上)辺,h=高さ]
三角△ I=bh³/36[b=底辺,h=高さ] Z=bh²/24[b=底辺,h=高さ]
円形 I=πD⁴/64 [D=直径] Z=πD³/32 [D=直径]

 

はりの公式

荷重の状態

単純ばり

集中荷重P

等分布荷重w

端部曲げモーメント M=0 M=0
中央部曲げモーメント M=P×(L/4) M=w×(L²/8)
せん断力 Q=P/2 Q=w×L/2
変形 δ=PL³/48EI δ=5wL⁴/384EI
たわみ θ=PL²/16EI θ=wL³/24EI
荷重の状態

片持ちばり

集中荷重P

等分布荷重w

端部曲げモーメント M=P×L M=w×(L²/2)
中央部曲げモーメント
せん断力 Q=P Q=w×L
変形 δ=PL³/3EI δ=wL⁴/8EI
たわみ θ=PL²/2EI θ=wL³/6EI
荷重の状態

両端固定ばり

集中荷重P

等分布荷重w

端部曲げモーメント M=P×(L/8) M=w×(L²/12)
中央部曲げモーメント M=P×(L/8) M=w×(L²/12)
せん断力 Q=P/2 Q=w×L/2
変形 δ=PL³/192EI δ=wL⁴/384EI
たわみ θ=0 θ=0

 

土木公式集!土質力学・水理学・構造力学の三力公式まとめ

土木三力公式

  1. 土質力学
  2. 水理学
  3. 構造力学

土質、水理学、構造力学それぞれでたくさんの公式があるのでしっかりチェックしましょう!

 

今回は以上です。

ありがとうございました。

 

 

  • B!