構造物に作用する力を【荷重(load)】と言います。
荷重の作用の仕方はさまざまで、等分布荷重、集中荷重、等変分布荷重などと名称が変化しますよ!
ってなわけで、それぞれの荷重についてもう少し掘り下げていきます。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
等分布荷重を集中荷重に変換!単位や等変分布荷重も併せて解説
代表的な荷重の種類は以下のとおり。
荷重の種類
- 等分布荷重
- 集中荷重
- 等変分布荷重
等分布荷重
等分布荷重とは、ある長さに同じ大きさの荷重が連続して作用する荷重のこと。
たとえば、路面全体に積もった雪の荷重は、等分布荷重の一例です。
よって等分布荷重の単位は、単位長さ当たりの力となるので、kN/m、N/mとなります。
また集中荷重に返還すると、長方形の重心となり、中心部に延長×力の集中荷重がかかることになります。
例:L=10m、荷重が2kNのときは、20kN・mの力が中心、5mのところにかかる
集中荷重
集中荷重は、自動車や列車の車輪のように、路面や線路と点で接して作用する荷重のことです。
荷重は点で作用するため、集中荷重の単位はkN、Nなどとなります。
等変分布荷重
等変分布荷重は、等分布荷重の大きさが徐々に変化する分布荷重(kN/m)です。
たとえば、地下構造物のカルバートなどにかかる土圧は、深さが深くなると圧力が増加する等変分布荷重の一例となります。
曲げモーメント図&せん断力図一覧についてはまた別記事でご確認ください。
等分布荷重・集中荷重・等変分布荷重の計算例題
それでは、荷重に関する計算例題を解いてみましょう。
ぜひチャレンジしてみてください 😉
問題1(等分布荷重&集中荷重の変換)
問題:以下図のはりについて、P₁とP₂の応力を求めなさい。
【解答】
はりの問題でのポイントはこちら 🙂
ポイント
- 上下の力のつり合い
- モーメントつり合い
この2つについて式を立てられれば、大抵のはりの問題は解けるようになります。
上記の力のつり合いについて式を立ててみると、
上下のつり合い⇒1kN+5kN×4m+5kN=P₁+P₂
モーメントのつり合い(P₁)⇒1kN×1m+P₂×4m=5×4×4/2+5×5
よって、
P₁=10kN
P₂=16kN
解答:P₁=10kN、P₂=16kN
そのほか、構造力学の問題については、また別記事でご確認ください。
問題2(等変分布荷重の変換)
以下の等変分布荷重がかかる構造物(はり)について、反力V₁、V₂を求めなさい。
【解答】
まずは、等変分布荷重を合力にしましょう。
合力は等変分布荷重である三角形の面積となり、位置は重心部分となります。
よって上記の図解から、上下の力のつりあいと、モーメントの式をつくります。
①上下の力のつり合い:V₁+V₂=9kN
②V₁点まわりのモーメント:9kN×4.0m=V₂×6.0m
②の式から、V₂=9×4/6=6kN
①の式に代入するとV₁+6kN=9kN
V₁=3kN
解答:V₁=3kN、V₂=6kN
構造力学の公式については別記事でまとめていますのでチェックしておくとよいでしょう。
等分布荷重を集中荷重に変換!単位や等変分布荷重まとめ
ポイント
- 等分布荷重とは、ある長さに同じ大きさの荷重が連続して作用する荷重のこと。
- 等分布荷重の単位は、単位長さ当たりの力となるので、kN/m、N/mとなり、計算時の力の位置(変換)中心部となる。
- 等変分布荷重は、等分布荷重の大きさが徐々に変化する分布荷重(kN/m)
- 等分布荷重の合力位置(変換)は重心地点で考える
以上です。
ありがとうございました。