こんな疑問にお答えします。
標準貫入試験とは土質調査のなかの原位置試験のひとつで、N値を求めるものです。
わかりづらい試験手順や目的、測定方法を図解や表でまとめました。
参考になればうれしいです。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
標準貫入試験で何がわかる(N値)?手順や目的・測定方法を解説
標準貫入試験の目的は、N値を測定し地層の判別や土の硬軟の判定に利用することです。
N値とは、ボーリングロッドの先端にサンプラーをとりつけ、63.5±0.5㎏のハンマーを76±1cmの高さから自由落下させて、ボーリング孔先端のサンプラーが地盤に30㎝貫入するのに必要な打撃回数のことです。
標準貫入試験をおこなうことで地盤の特性を知り、構造物や道路をつくるときの指標や基準値とします。
そのほかの原位置試験については、また別記事で併せてご確認ください。
標準貫入試験の手順
- ボーリング機械を設置する
- ボーリングロッドの先端にサンプラーをとりつける
- 63.5±0.5㎏のハンマーを76±1cmの高さから自由落下させる
- ハンマーにより、サンプラーが地盤に30㎝貫入するときの打撃回数を測定
標準貫入試験による調査結果から判別推定
区分 | 判別推定できる事項 |
標準貫入試験の調査結果からわかること(総合的) |
①構成土質 ②深さ方向の強度変化 ③支持層の位置(地表からの深さと配列) ④軟弱層の有無(圧密沈下計算の対象となる土質の厚さ) ⑤排水条件 |
また、原位置試験のである平板載荷試験や現場CBR試験についても併せてチェックしておくとよいです。
標準貫入試験や地盤とN値との関係
N値と地盤の関係は以下のとおりです。
N値と砂の相対密度および粘性土のコンシステンシー
土質 | N値 | 相対密度 | 土質 | N値 | コンシステンシー |
砂 | 0~4 | 非常にゆるい | 粘性土 | 2以下 | 非常にやわらかい |
4~10 | ゆるい | 2~4 | やわらかい | ||
10~30 | 中位の(ゆるいと密のあいだ) | 4~8 | 中位の(やわらかいとかたいのあいだ) | ||
30~50 | 密な | 8~15 | かたい | ||
50以上 | 非常に密な | 15~30 | 非常にかたい | ||
30以上 | 固結した |
(引用:道路土工-土質調査指針)
良質な支持層と判定できるN値
土質 | 良質な支持層と判定できるN値 |
砂質土 | 30以上 |
粘性土 | 20以上 |
標準貫入試験による調査結果からわかること
標準貫入試験ではN値を推定することで、沈下に対する許容支持力(砂地盤)や、コンシステンシー(粘性土地盤)など、土の特性を知ることができます。
区分 | 判別推定できる事項 | |
標準貫入試験の調査結果からわかること(N値) | 砂質土地盤 |
相対密度 せん断抵抗角 沈下に対する許容支持力 支持力係数 弾性係数 液状化強度 |
粘性土地盤 |
コンシステンシー 一軸圧縮強さ(粘着力) 破壊に対する極限および許容支持力 |
標準貫入試験で何がわかる(N値)?手順や目的・測定方法まとめ
標準貫入試験まとめ
- 標準貫入試験の目的は、N値を測定し地層の判別や土の硬軟の判定に利用すること
- N値とは、ボーリングロッドの先端にサンプラーをとりつけ、63.5±0.5㎏のハンマーを76±1cmの高さから自由落下させて、ボーリング孔先端のサンプラーが地盤に30㎝貫入させるのに要する打撃回数のこと
- 良質な支持層と判断できるN値は、砂質土で30以上、粘性土で20以上
標準貫入試験の手順
- ボーリング機械を設置する
- ボーリングロッドの先端にサンプラーをとりつける
- 63.5±0.5㎏のハンマーを76±1cmの高さから自由落下させる
- ハンマーにより、サンプラーが地盤に30㎝貫入するときの打撃回数を測定
標準貫入試験で求められるもの
区分 | 調査結果からわかること | |
調査結果から総合判定する事項 |
構成土質 深さ方向の強度変化 支持層の位置(地表からの深さと配列) 軟弱層の有無(圧密沈下計算の対象となる土層の厚さ) 排水条件 |
|
N値から推定される事項 | 砂質土地盤 |
相対密度 せん断抵抗角 沈下に対する許容支持力 支持力係数 弾性係数 液状化強度 |
粘性土地盤 |
コンシステンシー 一軸圧縮強さ 破壊に対する極限および許容支持 |
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
この記事を書いている人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もちです。
- 今はブログやYouTubeで土木施工管理技士や土木知識をメインに情報発信をしています。