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ダンプトラックのサイクルタイム計算方法!わかりやすく例題でチェック

今回のテーマは、

ダンプトラックのサイクルターーーッイム!

運搬機械の作業量や所要台数の決定などを、例題でわかりやすく解説します。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😀

 

ダンプトラックのサイクルタイム計算方法!わかりやすく例題でチェック

まずダンプトラックのサイクルタイムを知りたければ、以下の式を覚えましょう。

運搬機械の時間当たり作業量:Qd=60×qd×f×Ed/Cmd

Qd:運搬機械の運転1時間当たり作業量(m³/h)

qd:運搬機械の積載土量(m³)ただし、qdは山積容量以下

f:土量換算係数

Cmd:運搬機械のサイクルタイム(min)

公式の60は、単位を分(min)から時間(h)に合わせるためのもの

 

またサイクルタイムは、

運搬機械のサイクルタイム:Cmd=Cml×n/60×Eⅼ+(t₁+t₂+t₃)

とも表せます。

Cmⅼ:積み込み機のサイクルタイム(s)

n:積込み回数(回数/台)

Eⅼ:積込み機の作業効率

t₁、t₂:運搬機械の往路・復路の走行所要時間(min)

t₃:待ち時間

 

積込み回数nの公式は、

n=qd/qf×K

qf:積込み機のバケット山積み容量(m³)

qd:運搬機械の積載土量(m³)ただし、qdは山積容量以下

K:バケット係数

運搬機械の往路・復路の走行所要時間は、以下の公式で求めます。

ti=Di/Vi×60(i=1または2)

Di:走行距離(往路、復路)

Vi:運搬機械の往路・復路それぞれの平均走行速度

 

いっぽうで、組み合わせ運搬機械の所要台数Nの算定は、積算時には作業能力から求め、実走行が可能な場合はサイクルタイムから求める方法が一般的です。

N=積込み機の作業能力(m³/h)/運搬機の作業量(m³/h)

=運搬機のサイクルタイム×積込み機の作業効率/積込み時間×運搬機の作業効率

Cmd×Eⅼ/Cmⅼ×n×Ed

Cmd:運搬機械のサイクルタイム(min)

Eⅼ:積込み機の作業効率

Cmⅼ:積み込み機のサイクルタイム(s)

Ed:運搬機の作業効率

また建設機械関連ではコーン指数についても併せてチェックしておきましょう。

 

例題でわかりやすく!ダンプトラックのサイクルタイムの計算方法(その他)

ここでひとつ、ダンプトラックに関する例題を解いてみましょう。

例題)

バケット山積み容量qⅼ=1.8㎥のホイールローダで山砂を10tダンプトラック(荷台容量7.3㎥)に積み込み、片道3㎞の距離を運搬する場合のダンプトラック1台の運搬能力と所要台数を求めなさい。

 

解答)

①ダンプトラック1台への積み込み回数nを求める

ホイールローダのバケット係数K=0.8の場合、

n=qd/(qⅼ×K)=7.3/(1.8×0.8)≒5(回)

 

②ダンプトラックのサイクルタイムCmを求める

往路の運搬走行速度を30㎞/h、復路の空車走行速度を35㎞/hとすると、

t₁=3/30×60=6(min)

t₂=3/35×60=5.14(min)

待ち時間t₃=7(min)、ホイールローダのサイクルタイムCmⅼ=45(s)、作業効率Eⅼ=0.55の場合、

Cmd=Cmⅼ×n/(60×Eⅼ)+(t₁+t₂+t₃)=45×5/(60×0.55)+(6+5.14+7)

=24.96(min)

 

③ダンプトラックの時間当たりの作業量Qdを求める

ダンプトラックの作業効率Ed=0.9、土量変化率L=1.15の場合、

Qd=60×qd×f×Ed/Cm=60×7.3×1/1.15×0.9/24.96=13.73…

≒14㎥/h

 

④ダンプトラックの所要台数N

ホイールローダの作業能力Qⅼ=55㎥/hの場合、

N=Qⅼ/Qd=55/14=3.9…

≒4台

また、土量計算についてもまた別記事でまとめていますので併せてご確認ください。

 

ダンプトラックのサイクルタイム計算方法!わかりやすく例題でチェックまとめ

運搬時は、道路(交通)法による車両制限にも注意してくださいね!

運搬機械および積み込み機械 公式
運搬機械の時間当たり作業量 Qd=60×qd×f×Ed/Cmd Qd:運搬機械の運転1時間当たり作業量(m³/h)

qd:運搬機械の積載土量(m³)

※ただし、qdは山積容量以下

f:土量換算係数

Cmd:運搬機械のサイクルタイム(min)

運搬機械のサイクルタイム Cmd=Cml×n/60×Eⅼ+(t₁+t₂+t₃) Cmⅼ:積み込み機のサイクルタイム(s)

n:積込み回数(回数/台)

Eⅼ:積込み機の作業効率

t₁、t₂:運搬機械の往路・復路の走行所要時間(min)

t₃:待ち時間

積込み回数 n=qd/qf×K qf:積込み機のバケット山積み容量(m³)

qd:運搬機械の積載土量(m³)

※ただし、qdは山積容量以下

K:バケット係数

運搬機械の往路・復路の走行所要時間 ti=Di/Vi×60(i=1または2) Di:走行距離(往路、復路)

Vi:運搬機械の往路・復路それぞれの平均走行速度

組み合わせ運搬機械の所要台数 Cmd×Eⅼ/Cmⅼ×n×Ed Cmd:運搬機械のサイクルタイム(min)

Eⅼ:積込み機の作業効率

Cmⅼ:積み込み機のサイクルタイム(s)

Ed:運搬機の作業効率

作業効率や換算係数は自治体などで異なりますので、積算の際は歩掛などをチェックしてみてください。

以上です。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛けなどの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報を発信中!
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