今回は、【コンクリートの劣化機構】をまとめました。
こんなお悩みを解決できるはず!
コンクリート劣化機構は以下のとおり。
コンクリート劣化機構の種類
- 中性化
- 塩害
- 凍害
- 化学的侵食
- アルカリ骨材反応
原因や現象、劣化防止対策をまとめていますので参考にしてくださいね。
それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。
コンクリート劣化機構の種類!劣化原因や劣化防止対策を解説
コンクリート劣化機構①中性化
コンクリートの中性化とは、コンクリート内に二酸化炭素が入ることで、アルカリ性が下がり、ひび割れたり強度が落ちたりする現象です。
中性化の原因は二酸化炭素です。
中性化 | |
劣化要因 | 二酸化炭素 |
劣化現象 | コンクリート内に空気中の二酸化炭素が侵入し、セメントの水和によって生じた水酸化カルシウムと反応し、徐々に炭酸カルシウムとなって、コンクリ―トのアルカリ性が低下する現象 |
劣化防止対策 | タイル、石張りなどの仕上げ、かぶりを大きくしたり気密性の吹付け材を施工する |
中性化についてさらにくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンクリート劣化機構②塩害
コンクリートの塩害とは、コンクリート内に塩化物イオンが入ることで、ひびわれやはく離を引き起こす現象です。
とくに海近くのコンクリート構造物によく見られます。
塩害 | |
劣化要因 | 塩化物イオン |
劣化現象 | コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進させ、コンクリートのひび割れやはく離、鋼材の断面減少を引き起こす現象 |
劣化防止対策 | コンクリート中の塩化物イオン量を少なくする、高炉セメントなどを使う。 |
塩害についてさらにくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンクリート劣化機構③凍害
凍害とはコンクリート内の水分が溶けたり凍ったりすることで、コンクリート表面がボロボロになる現象のこと。
凍害 | |
劣化要因 | 凍結融解作用(溶けたり凍ったり) |
劣化現象 | コンクリート中の水分が凍結と融解をくりかえすことによって、コンクリート表面からスケーリング、微細ひび割れやポップアウトなどの形で劣化する現象 |
劣化防止対策 | AE剤やAE減水剤を使う、耐凍害性の大きな骨材を使う。 |
スケーリングとはコンクリートの表面がフレーク状に剥離(はくり)する状態。
ポップアウトとは、コンクリート表層部がまるく穴が空いたように抜け落ちてしまう現象のことです。
凍害についてさらにくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンクリート劣化機構④化学的侵食
コンクリートの化学的侵食とは、コンクリート内に酸性物質や硫酸イオンが入ることで、コンクリートを劣化させてしまう現象です。
化学的侵食 | |
劣化要因 | 酸性物質・硫酸イオン |
劣化現象 | 酸性物質や硫酸イオンとの接触によりコンクリートの硬化体が分解したり、化合物生成時の膨張圧によってコンクリートが劣化する現象 |
劣化防止対策 | コンクリートの表面を保護する、水セメント比を小さくして密実なコンクリートとする。 |
化学的侵食についてさらにくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンクリート劣化機構⑤アルカリ骨材反応
アルカリ骨材反応とは、反応性骨材(シリカ)によって、コンクリート中のアルカリ性水溶液と反応し、異常膨張やひびわれを発生させる現象です。
アルカリ骨材反応 | |
劣化要因 | 反応性骨材(シリカ) |
劣化現象 | 骨材に含まれる反応性シリカ鉱物や炭酸塩岩を有する骨材が、コンクリート中のアルカリ性水溶液と反応して、コンクリートに異常膨張やひび割れを発生させる現象 |
劣化防止対策 | 高炉セメントやフライアッシュを使う、骨材のアルカリシリカ反応試験で無害と確認された骨材を使用する。 |
アルカリ骨材反応についてさらにくわしく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
コンクリート劣化機構の種類!劣化原因や劣化防止対策まとめ
コンクリート劣化機構 | 劣化要因 | 劣化現象 | 劣化対策 |
中性化 | 二酸化炭素 | コンクリート内に空気中の二酸化炭素が侵入し、セメントの水和によって生じた水酸化カルシウムと反応し、徐々に炭酸カルシウムとなって、コンクリ―トのアルカリ性が低下する現象 | タイル、石張りなどの仕上げ、かぶりを大きくしたり気密性の吹付け材を施工する。 |
塩害 | 塩化物イオン | コンクリート中の鋼材の腐食が塩化物イオンにより促進させ、コンクリートのひび割れやはく離、鋼材の断面減少を引き起こす現象 | コンクリート中の塩化物イオン量を少なくする、高炉セメントなどを使う。 |
凍害 | 凍結融解作用(溶けたり凍ったり) | コンクリート中の水分が凍結と融解をくりかえすことによって、コンクリート表面からスケーリング、微細ひび割れやポップアウトなどの形で劣化する現象 | AE剤やAE減水剤を使う、耐凍害性の大きな骨材を使う。 |
化学的侵食 | 酸性物質・硫酸イオン | 酸性物質や硫酸イオンとの接触によりコンクリートの硬化体が分解したり、化合物生成時の膨張圧によってコンクリートが劣化する現象 | コンクリートの表面を保護する、水セメント比を小さくして密実なコンクリートとする。 |
アルカリ骨材反応 | 反応性骨材(シリカ) | 骨材に含まれる反応性シリカ鉱物や炭酸塩岩を有する骨材が、コンクリート中のアルカリ性水溶液と反応して、コンクリートに異常膨張やひび割れを発生させる現象 | 高炉セメントやフライアッシュを使う、骨材のアルカリシリカ反応試験で無害と確認された骨材を使用する。 |
今回は以上です。
参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
この記事を書いている人
- 元公務員(土木)の土木ブロガー💻
- 国立大学土木工学科卒業(学士)
- 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もち
- 某県庁の公務員土木職として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
- 今はブログで、土木施工管理技士の勉強方法や土木知識などをメインに情報を発信しています。