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機械加工の図面記号一覧!JIS機械製図記号の意味をチェック

機械図面によく使われる機械加工の記号一覧…たくさんあって覚えられん。

こんなお悩みを解決します。

 

機械図面などでよく使われる、機械加工の図面記号を一覧表にまとめました。

図面を確認するときの参考にしてくださいね 🙂

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

機械加工の図面記号一覧①JIS機械製図の寸法公差・サイズ公差抜粋

まずは寸法公差やサイズ公差抜粋についてです。

JIS機械製図の寸法公差

寸法公差とは、図面上の物体(図形)におけるサイズ寸法に対しての許容値(誤差)のこと。

機械などの部品を加工するときは、厳密には図面の寸法通りに製作できないことが多いです。

じっさいの寸法にバラつきが出てしまう原因は、加工の条件やその時の気温や素材など原因はさまざま。

よって、実用性に問題が出ない程度の許容値である最大値と最小値を決める必要があります。

JIS機械製図の寸法公差・サイズ公差の基準

公差等級 基準寸法の区分
記号 説明 許容差

0.5以上

3以下

3を超え

6以下

6を超え

30以下

30を超え

120以下

精級 ±0.05 ±0.05 ±0.1 ±0.15
中級 ±0.1 ±0.1 ±0.2 ±0.3
粗級 ±0.2 ±0.3 ±0.5 ±0.8
極粗級 ±0.5 ±1 ±1.5

→つづき

公差等級 基準寸法の区分
記号 説明 許容差
120を超え

400以下

400を超え

1,000以下

1,000を超え

2,000以下

2,000を超え

4,000以下

精級 ±0.2 ±0.3 ±0.5 -
中級 ±0.5 ±0.8 ±1.2 ±2
粗級 ±1.2 ±2 ±3 ±4
極粗級 ±2.5 ±4 ±6 ±8

 

機械加工の図面記号一覧②JIS機械製図の幾何公差

つづいては幾何公差についてです。

幾何公差の定義

幾何公差とは、図面上の物体(図形)におけるサイズ・形・大きさ・位置関係などにおける許容値(誤差)のこと。

サイズだけでなく、形や位置に許される誤差まで定義しているところが寸法公差とのちがいです。

JISは幾何公差を「幾何特性仕様(GPS:Geometrical Product Specification)の規格を幾何特性ごとに表現する公差」と定義しています

 

またデータムとは、加工や寸法測定をするときに基準となる面や線のことを表します。

データム記号を表す三角記号には白抜きと黒塗りの2種類がありますが、どちらを使っても大丈夫です

幾何公差の図面記号と意味

幾何公差名 図面記号 意味 データムの有無
真直度 【真っ直ぐさ】 を指定するもの

平面ではなく直線に適用され、中心線や母線などの曲がりを表す

長尺物などの反りの許容などに利用される

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平面度 【表面の凸凹さ】を指定するもの

上下に離れた2つの平面の間に挟まれた一定の距離にある

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真円度 【まんまるさ】を指定するもの

軸や穴・円錐などの円形断面の丸みを表す

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真円度とは?記号・公差・基準についてまるっと解説

円筒度 【まんまる】と【真っ直ぐさ】を指定するもの

円筒のゆがみを表す

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線の輪郭度 輪郭線(表面の切断面に現れる線要素)のゆがみを表す
面の輪郭度 曲面(表面)などが指定した通りにできているかを指示するもの

面の輪郭度は、線の輪郭度とちがって指定曲面全体が対象

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平行度 データムに対して平行であることが求められるときに指示するもの

2つの直線または平面が平行であることを示す

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平行度の記号や測定方法!平面度とのちがいも解説

直角度 データム(基準となる平面、直線)に対して直角であるかを指定するもの

直角度で指定する数値は角度ではなく単位はmm

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傾斜度 指定する直線や平面が90°以外の傾斜を指定したもの

傾斜度で指定する数値は角度ではなく単位はmm

位置度 基準となる点や直線に対してどれだけ正確な【位置】にいるかという許容値を示すもの

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【位置度】幾何公差の意味や記号の表示方法

同軸度・同芯度 円筒など対象物の中心軸が基準となるデータム軸からどれだけひらいているかを示すもの(許容値)
対称度 データムを基準として、どの程度対称の位置関係にあるかを指示するもの

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【対称度】測定方法・記号・普通公差の基準がすぐわかる

円周振れ データム軸直線を軸とする回転体をデータム軸直線のまわりに回転したとき、その表面が指定された位置または任意の位置において指定された方向に変位する許容値のこと
全振れ データム軸直線を軸とする円筒面または垂直な円形平面であるべき対象物をデータム軸直線の周りに回転したとき、その表面が指定した方向に変位する大きさを表したもの

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円周振れと全振れのちがい|円周振れの普通公差(JIS)もチェック

 

 

 

図面記号の意味一覧&機械加工③JIS製図の付加記号

機械の図面でよく使われる付加記号は以下のとおりです。

付加記号名 記号
サイズ公差・幾何公差の相互依存性の指示

完全形体の包絡面を規制

最大実体サイズをもつ完全形状の包絡面の中に、サイズ公差を守った部品が入れば合格で、入らなければ不合格と決めることを指示する記号

E:Envelopeの略

自由状態でのサイズ公差や幾何公差を超えた変形を示す

部品の場合は、交差記入枠の幾何公差に続けてを記入し、非剛性部品であることを指示する記号

F:Free stateの略

最小実体公差方式の適用を指示する記号

L:Least Material Requirementの略

最大実体公差方式の適用を指示する記号

M:Maximum Material Requirementの略

形体の突出部に対して適用する公差を指示する記号

P:Project Tolerance Zoneの略

ANSI規格での記号

2009年版ASMEY14.5では削除

S:Regardless of Feature Size(RFS)の略

接平面の指示(ASMEのみ)

表面に接する平面が、データム平面に対してどれだけ傾いてるかの度合い

平行度とはちがい、表面の凸部を規制し凹部は規制しない

T:Trangent Planeの略

面の輪郭度において、オフセット量が公差域をはみ出してもよい範囲を規制(公差域の限界)

ISO/JISでは【UZ】と表記

U:Unequally Disposed Profileの略

浅座ぐり(ASMEのみ)

穴の入り口をさらに大きな直径で一段深く削りおとす加工の指示

統計的公差(ASMEのみ)

統計により、組立の構成部品に公差を割り当てる指定を指示

連続形体(ASMEのみ)

幾何学的に単一とあつかわれる場合に指定を指示

CF:Continuous Featureの略

公差付き形体

幾何公差の種類、記号や公差、位置などの指定を指示

データムの位置
データムを設定するための線・点・領域
理論上正確なサイズ(TED)

TED:Theoretically Exact Dimension

共通公差域

はなれた位置にある複数の形体をひとつの公差域としてみなす指定指示

CZ:Common Zone

輪郭度(全周)

矢印で示した形体の全周に幾何公差を適用

輪郭度(全体)

矢印で示した形体の全体に幾何公差を適用

可動データムターゲット

指定したデータムターゲットとそれに関連するデータムは移動可能であることを示す

 

 

 

図面記号の意味一覧&機械加工④JIS機械製図の表面の粗さ

表面の粗さに指定がある場合、表す記号は以下のとおりです。

JIS機械製図の表面粗さ表記

基本は新JISでの表記になりますが、参考に旧JISの表記も載せておきます。

旧JIS 新JIS
A: Ra 算術平均粗さ

B:加工方法

C:カットオフ値

C’:基準長さ・評価長さ

D:筋目の方向

E:削り代

F:Ra以外のパラメーター

G:表面うねり

A: 通過帯域または基準長さ、表面性状パラメータ記号とその値

B:複数パラメータが要求されたときの二番目以降のパラメータ指示

C:加工方法

D:筋目の方向

E:削り代

 

機械加工を表す図面記号

加工方法を表す記号は以下のとおりです。

記号 加工方法 参考
P 平削り Planing
M フライス削り Milling
MP 平フライス削り Plain Milling
DR リーマ仕上げ Reaming
 L 外丸削り Turning (Lathe Turning)
LFC 面削り Facing
B 中ぐり Boring

機械加工で表面粗さに指定がない場合

いっぽう、表面粗さに指定がない場合は以下の表記を使ってください。

表面粗さに指定がない場合 記号
除去加工を行う
除去加工の要否を問わない
除去加工をしてはならない
部品一周の全周面同一表面性状の場合

また図面縮尺の合わせ方や、図面サイズについては併せてチェックしておきましょう。

機械加工の図面記号一覧表まとめ

幾何公差名 図面記号 意味 データムの有無
真直度 【真っ直ぐさ】 を指定するもの

平面ではなく直線に適用され、中心線や母線などの曲がりを表す

長尺物などの反りの許容などに利用される

平面度 【表面の凸凹さ】を指定するもの

上下に離れた2つの平面の間に挟まれた一定の距離にある

真円度 【まんまるさ】を指定するもの

軸や穴・円錐などの円形断面の丸みを表す

円筒度 【まんまる】と【真っ直ぐさ】を指定するもの

円筒のゆがみを表す

線の輪郭度 輪郭線(表面の切断面に現れる線要素)のゆがみを表す
面の輪郭度 曲面(表面)などが指定した通りにできているかを指示するもの

面の輪郭度は、線の輪郭度とちがって指定曲面全体が対象

平行度 データムに対して平行であることが求められるときに指示するもの

2つの直線または平面が平行であることを示す

直角度 データム(基準となる平面、直線)に対して直角であるかを指定するもの

直角度で指定する数値は角度ではなく単位はmm

傾斜度 指定する直線や平面が90°以外の傾斜を指定したもの

傾斜度で指定する数値は角度ではなく単位はmm

位置度 基準となる点や直線に対してどれだけ正確な【位置】にいるかという許容値を示すもの
同軸度・同芯度 円筒など対象物の中心軸が基準となるデータム軸からどれだけひらいているかを示すもの(許容値)
対称度 データムを基準として、どの程度対称の位置関係にあるかを指示するもの
円周振れ データム軸直線を軸とする回転体をデータム軸直線のまわりに回転したとき、その表面が指定された位置または任意の位置において指定された方向に変位する許容値のこと
全振れ データム軸直線を軸とする円筒面または垂直な円形平面であるべき対象物をデータム軸直線の周りに回転したとき、その表面が指定した方向に変位する大きさを表したもの
付加記号名 記号
サイズ公差・幾何公差の相互依存性の指示

完全形体の包絡面を規制

最大実体サイズをもつ完全形状の包絡面の中に、サイズ公差を守った部品が入れば合格で、入らなければ不合格と決めることを指示する記号

E:Envelopeの略

自由状態でのサイズ公差や幾何公差を超えた変形を示す

部品の場合は、交差記入枠の幾何公差に続けてを記入し、非剛性部品であることを指示する記号

F:Free stateの略

最小実体公差方式の適用を指示する記号

L:Least Material Requirementの略

最大実体公差方式の適用を指示する記号

M:Maximum Material Requirementの略

形体の突出部に対して適用する公差を指示する記号

P:Project Tolerance Zoneの略

ANSI規格での記号

2009年版ASMEY14.5では削除

S:Regardless of Feature Size(RFS)の略

接平面の指示(ASMEのみ)

表面に接する平面が、データム平面に対してどれだけ傾いてるかの度合い

平行度とはちがい、表面の凸部を規制し凹部は規制しない

T:Trangent Planeの略

面の輪郭度において、オフセット量が公差域をはみ出してもよい範囲を規制(公差域の限界)

ISO/JISでは【UZ】と表記

U:Unequally Disposed Profileの略

浅座ぐり(ASMEのみ)

穴の入り口をさらに大きな直径で一段深く削りおとす加工の指示

統計的公差(ASMEのみ)

統計により、組立の構成部品に公差を割り当てる指定を指示

連続形体(ASMEのみ)

幾何学的に単一とあつかわれる場合に指定を指示

CF:Continuous Featureの略

公差付き形体

幾何公差の種類、記号や公差、位置などの指定を指示

データムの位置
データムを設定するための線・点・領域
理論上正確なサイズ(TED)

TED:Theoretically Exact Dimension

共通公差域

はなれた位置にある複数の形体をひとつの公差域としてみなす指定指示

CZ:Common Zone

輪郭度(全周)

矢印で示した形体の全周に幾何公差を適用

輪郭度(全体)

矢印で示した形体の全体に幾何公差を適用

可動データムターゲット

指定したデータムターゲットとそれに関連するデータムは移動可能であることを示す

新JIS

A: 通過帯域または基準長さ、表面性状パラメータ記号とその値

B:複数パラメータが要求されたときの二番目以降のパラメータ指示

C:加工方法

D:筋目の方向

E:削り代

記号 加工方法 参考
P 平削り Planing
M フライス削り Milling
MP 平フライス削り Plain Milling
DR リーマ仕上げ Reaming
 L 外丸削り Turning (Lathe Turning)
LFC 面削り Facing
B 中ぐり Boring
表面粗さに指定がない場合 記号
除去加工を行う
除去加工の要否を問わない
除去加工をしてはならない
部品一周の全周面同一表面性状の場合

ありがとうございました。

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の技術ブロガー💻
  • 国公立大学の土木工学科卒業
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間はたらいた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、危険物取扱者乙4、玉掛などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報発信をしています。
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