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閉合誤差や閉合比の求め方!トラバース測量の計算&緯距経距・方位角の求め方とは?

トラバース測量(多角測量)とは、

基準点から測点A⇒測点B⇒測点C…といった具合に測点を結んで測量区域を多角形で示し、多角形の各辺の長さと角度で位置関係を求める測量です。

測点間の測定方法は三角測量と同じだよ

ちなみに測線の連なったものをトラバースといいます。

この記事ではトラバース測量(多角測量)の計算方法をサクッと解説!(閉合誤差・閉合比・方位角の求め方も含む)

実務や試験勉強にぜひお役立てください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉

 

閉合誤差や閉合比の求め方!トラバース測量の計算&緯距経距・方位角の求め方とは?

トラバース測量(多角測量)は大きく分けて3種類あり、概要は以下のとおりです。

閉合トラバース 多角形の辺が最終的に基準点に戻ってきて閉じた状態になるもの
開放トラバース 多角形の辺が最終的に戻ることなく解放された状態のもの
結合トラバース 三角点などの高い精度をもつ2つの基準点を結ぶもの

なお、トラバース測量(多角測量)での角の調整は一般的に、まず誤差を均等に配分し、余分は1”(1秒)ずつ順に配分します。

一方、方位角とは、以下の図のように調整された内角をもとに書く測線が北(N)を0°にして時計回り(右回り)に何度になるか計算したものです。

【方位角】

 

ここで閉合トラバースの方位について例題です。

ぜひチャレンジしてみてください。

例題)

表は図のような閉合トラバースの内角を測定した結果です。

測線ABの方位がN30°00’Eのとき、測線BCの方位を求めなさい。

測角 測定値
A 102°30’
B 113°30’
C 86°30’
D 57°30’
360°00’

 

【解答】閉合トラバースの求め方

以下の解図をみてみると、測線BCの方位はSからEに向かって83°30’、すなわちS83°30’Eであることがわかります。

方位角と方位のちがいには注意してくださいね。

 

閉合誤差と閉合比の計算の求め方とは?トラバース測量(多角測量)

閉合トラバースにおいて、距離と角度の測定に誤差がなければ、緯距L(N(北)-S(南)方向の測線分力)の総和ΣLと経距D(E(東)-W(西)方向の測線分力)の総和ΣDは、いずれも0となります。(以下図解参照)

総和ΣLは北方向がプラス(+)、南方向がマイナス(-)として、総和ΣDは東方向がプラス(+)、W方向はマイナス(-)として計算します。

計算の公式は以下のとおり。(上記の図解参照)

緯距の総和:ΣL=L₁+L₂+L₃+L₄+L₅(上向きが正、下向きが負)

経距の総和:ΣD=D₁+D₂+D₃+D₄+D₅(右向きが正、左向きが負)

 

しかしながら、測量をいくら正確に行っても誤差は必ず生じ、以下の図のように原点1で閉じないで1-1’の開きができてしまいます。(以下図解参照)

この開きが閉合誤差Eであり、緯距の誤差E(L)=ΣL、経距の誤差E(D)=ΣDなので、閉合誤差Eは、E(L)とE(D)を2辺とする直角三角形の斜辺で求めることができるということです。

また、閉合比Rはトラバースの精度を表すもので、測線の総和をΣℓとすれば、

で求められます。

なお、ここまでは閉合トラバースについて説明しましたが、結合トラバースではE(L)=ΣL、E(D)=ΣDとはならないので注意が必要です。

 

結合トラバース測量の問題

それでは結合トラバースの問題を解いてみましょう。

例題)

下図のようなA,Bが既知測点である結合トラバースにおいて次の値を得た閉合誤差(m)と閉合比を求めなさい。

既知測点Aの座標値:(-38.627m,-6.490m)

既知測点Bの座標値:(-28.028m,56.073m)

ΣL:緯距の総和=10.593m

ΣD:経距の総和=62.555m

Σℓ:測線長の合計=66.5m

結合トラバース測量問題の解答

【解答】

緯距の誤差E(L)、経距の誤差をE(D)とした場合、2つの基準点を結ぶ結合トラバースではE(L)=ΣL、E(D)=ΣDとはなりません。(※閉合トラバースではないため)

A、Bが既知測点ですので、結合トラバースについて緯距の誤差E(L)と経距の誤差E(D)を求めれば、

E(L)=-28.028-(-38.627)-ΣL=10.599-10.593=0.006m

E(D)=-56.073-(-6.490)-ΣD=62.563-62.555=0.008m

となります。

したがって閉合誤差Eと閉合比Rは、

閉合誤差E=√E(L)²+E(D)²=√(6/1,000)²+(8/1,000)²=10/1,000=0.010m

閉合比R=E/Σℓ=0.010/66.50=1/6,650

 

一方、角測量の誤差水準測量の誤差についても併せてチェックしておきましょう。

 

トラバース調整の計算方法(コンパス法則とトランシット法則)

トラバースの調整にはコンパス法則とトランシット法則の2つがあります。

トラバース調整の種類

  1. コンパス法則
  2. トランシット法則

トラバース測量計算➀コンパス法則

測線の長さに比例して誤差を分配する方法で、公式は以下のとおりです。

緯距(経距)の調整量=緯距(経距)の誤差×(その測線長)/全測線長

で調整量を決定します。

 

トラバース測量計算②トランシット法則

一方、トランシット法則は、緯距、経距の大きさに比例して誤差を分配する方法です。

緯距(経距)の調整量=緯距(経距)の誤差×その測線の緯距(経距)/緯距(経距)の絶対値の和

で調整量を決定します。

公式が似ているので注意してください

 

トラバース測量の計算方法!閉合比・方位角の求め方や閉合誤差まとめ

トラバース測量(多角測量)での角の調整は一般的に、まず誤差を均等に配分し、余分は1”(1秒)ずつ順に配分する

方位角とは、以下の図のように調整された内角をもとに書く測線が北(N)を0°にして時計回り(右回り)に何度になるか計算したもの

閉合トラバースにおいて、距離と角度の測定に誤差がなければ、緯距L(N(北)-S(南)方向の測線分力)の総和ΣLと経距D(E(東)-W(西)方向の測線分力)の総和ΣDは、いずれも0となる

閉合誤差と閉合比の計算式

トラバース調整の計算方法

コンパス法則 トランシット法則
測線の長さに比例して誤差を分配する方法

公式

緯距(経距)の調整量=緯距(経距)の誤差×(その測線長)/全測線長

緯距、経距の大きさに比例して誤差を分配する方法

公式

緯距(経距)の調整量=緯距(経距)の誤差×その測線の緯距(経距)/緯距(経距)の絶対値の和

 

以上です。

ありがとうございました。

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員(土木職)の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ
  • 現場監督・施工管理の経験あり
  • 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛けの資格もち
  • 今はブログで土木、土木施工管理技士の勉強方法や公務員のあれこれ、仕事をメインにさまざまな情報を発信中!
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