今回のテーマは【UAV】を用いたドローン測量のやり方についてです。
UAVの性能や測量の作業手順をまるっと解説しました。
さらにメリット&デメリットもまとめています。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 😉
ドローン測量のやり方とは?UAV測量のメリットや地形図作成
UAVとはUnmanned Aerial Vehicleの略で無人航空機のこと。
UAVを用いた測量は、ドローンに代表される無人航空機による、数値地形図データまたは三次元点群データを作成する技術です。
一般的にはUAVとドローンは同じ意味で使われることが多いでしょう。
航空レーザ測量とはまた別ですので、別記事で併せてご確認ください。
また、測量に用いられるUAVは、以下のような性能を有するものが必要です。
UAV測量に必要な性能
- 自立飛行可能
- 異常時の自動帰還機能
- 飛行区域の地表風に耐える飛行能力
- 撮影時の飛行姿勢、デジタルカメラの水平および写角の確保
またUAV測量のメリット&デメリットは以下のとおり。
メリット | デメリット |
効率的なデータ収集や高精度な地形情報の取得
ドローンの機動性と柔軟性により、広範囲な地域を迅速かつ正確に測量することが可能 |
天候による制約や技術的な知識や経験の必要性あり
風や雨などの天候条件によって測量が制限される場合が多い 高度な技術や知識をもった専門家が必要 |
ドローン測量のやり方➀UAV測量の手順
UAVを用いた測量の作業手順は、数値地形図作成と三次元点群作成の2つに分かれます。
UAV測量の作業手順
- 数値地形図作成
- 三次元点群作成
流れはそれぞれこんな感じ 🙂
数値地形図作成
UAV数値地形図作成
- 作業計画
- 標定点の設置
- 撮影
- 空中三角測量
- 現地調査
- 数値図化
- 数値編集
- 補測編集
- 数値地形図データファイルの作成
- 品質評価
- 成果品などの整理・検査・納品
三次元点群作成
UAV三次元点群作成
- 作業計画
- 標定点および検証点の設置
- 撮影
- 三次元形状復元計算
- 点群編集
- 三次元点群データファイルの作成
- 品質評価
- 成果などの整理・検査・納品
ドローン測量のやり方②UAV測量による対空標識の設置
標定点と検証点には対空標識が設置されますが、対空標識は拡大された空中写真上で確認できるように
- 形状
- 寸法
- 色
などを選定します。
また対空標識の設置については、数値地形図作成も三次元点群作成も同じです。
そして対空標識の規格と設置については以下の表をご覧ください。
【対空標識の規格と設置】
標定点の設置は、基準点測量またはTS点の設置に準じる |
対空標識の種類 |
対空標識の模様(標準:X型・★型・円型・十型) | |
対空標識の長辺または円形の直径は、撮影する写真に15画素以上で写る大きさを標準とする | |
色を白黒を標準とし、状況により黄色や黒とする | |
UAVから明瞭に撮影できるように上空視界を確保する | |
空中写真上で色調差が明瞭な構造物が測定できる場合は、その構造物を標定点および対空標識に代えることができる | |
設置した対空標識は撮影完了後、速やかに回収し現状を回復する |
ドローン測量(UAV)による数値地形図作成
UAVによる数値地形図作成において、作成される数値地形図の地図情報レベルは、250と500が標準です。
地図情報レベル | 250 | 500 |
要求精度 | 0.06m | 0.12m |
撮影については次の点に注意してください。
- 計画対地高度および計画撮影コースを保持する(計画対地高度に対する実際の飛行の対地高度のズレは10%以内する)
- 離着陸以外は自立飛行で行うこと。
- 撮影基準面は、撮影区域に対して1つを定める(高低差の大きい地域では数コース単位に設定する)
- 同一コース内のOLは60%、SLは30%を標準とする
OL:同一コース内の隣接空中写真との重複度(オーバーラップ)
SL:同一コース内の隣接空中写真との重複度(サイドラップ)
ドローン測量(UAV)による三次元点群作成
三次元点群作成では、得られた数値写真から、三次元点群データが作成されます。
データは路線測量や河川測量の縦断面や横断面データファイルが作成されるほか、土工事の起工測量や出来高管理に用いられます。
また点群の位置精度は、その目的に応じて0.05m、0.1m、0.2m以内のいずれかを選択し、撮影飛行や撮影結果の点検においては数値地形図作成と同様です。
さらにUAV三次元点群作成では、裸地などの対象物の認識が可能な区域に適用します。
一方、三次元点群作成では標定点と検証点の2つがあります。
ちがいは以下のとおりです。
標定点 | 検証点 |
三次元形状復元計算に必要となる水平位置および標高の基準となる点
計測対象範囲を囲むように配置する点(外側標定点)と計測対象範囲内に配置する点(内側標定点)で構成される 計測対象範囲内の最も標高の高い位置と低い位置にも標定点は設置される |
計測データを点検する点
標定点および検証点には対空標識を設置する 検証点は標定点とは別に配置され、その数は標定点の半数以上とする |
また撮影において、撮影する数値写真の地上画素寸法は、作成する三次元点群データの位置精度に応じて決定してください。
撮影基準面は、撮影区域に対して1つを定めることを標準としますが、高低差の大きい地域にあっては、UAV運行の安全を考慮し、数コース単位に設定することができます。
さらに同一コースは直線かつ等高度の撮影となるように計画し、外側標点を結ぶ範囲のさらに外側に、少なくとも1枚以上の数値写真が撮影されるよう、撮影計画を立案してください。
ドローン測量のやり方とは?UAV測量のメリットや地形図作成まとめ
UAVを用いた測量は、ドローンに代表される無人航空機による、数値地形図データまたは三次元点群データを作成する技術のこと
UAV測量に必要な性能
- 自立飛行可能
- 異常時の自動帰還機能
- 飛行区域の地表風に耐える飛行能力
- 撮影時の飛行姿勢、デジタルカメラの水平および写角の確保
ドローン測量(UAV)のメリット&デメリット
メリット | デメリット |
効率的なデータ収集や高精度な地形情報の取得
ドローンの機動性と柔軟性により、広範囲な地域を迅速かつ正確に測量することが可能 |
天候による制約や技術的な知識や経験の必要性あり
風や雨などの天候条件によって測量が制限される場合が多い 高度な技術や知識をもった専門家が必要 |
UAV測量の作業手順
- 数値地形図作成
- 三次元点群作成
以上です。
ありがとうございました。