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トンネルの構造・名称や種類!入口の名称や掘削工法の種類も図解で解説

トンネルの種類や構造・名称が知りたい

こんなお悩みにお答えします。

トンネルとは山や道路、海底などを通る(地下)構造物。

いちどはどこかでくぐったことがあるのではないでしょうか?

だけど【トンネル】と一言で言っても、種類や施工方法はさまざま。

そこで今回は、トンネルの種類や構造・名称について【用途、建設場所・掘削工法・入口(抗門)】別にそれぞれまとめました。

ぜひ参考にしてください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

 

トンネルの構造・名称や種類!入口の名称や掘削工法の種類も図解で解説

トンネルの種類を解説していきます!

トンネル用途別の種類や構造名称

トンネルの用途別の種類は以下のように分けられます。

トンネル用途別種類

  1. 交通用(道路トンネル)
  2. 交通用(鉄道トンネル)
  3. 交通用(地下鉄トンネル)
  4. 水路用トンネル
  5. 都市施設用トンネル
  6. その他の地下空間
用途別名称 内容

交通用(道路トンネル)

主に道路におけるトンネルで、

  1. 高速道路
  2. 一般道
  3. 歩道用

に分けられる

交通用(鉄道トンネル)

主に鉄道におけるトンネルで、

  1. 新幹線
  2. 在来線
  3. ケーブルカー
  4. トロッコ用

などがある

交通用(地下鉄トンネル)

鉄道地下部分のトンネル

ほぼ全線が地下をもぐる地下鉄や地下駐車場なども含まれる

水路用トンネル

上水道、工業用水、農業用水

などの送水のためのトンネルや、

水力発電、ダムの仮排水トンネルなどがある。

都市施設用トンネル

電力、ガス、通信、下水道などのライフラインのためのトンネル

これらをひとつにまとめた共同溝も含まれる

その他の地下空間

石油、ガスなどの備蓄のための地下施設

都市における洪水調節用の地下貯留施設

地下街など

トンネルと一言でいってもこれだけの種類があります

 

トンネル建設場所による種類や構造名称

トンネルはつくられる場所によっても呼び名が変わります。

代表的なものはこちらです。

トンネル建設場所による種類

  1. 山岳トンネル
  2. 都市トンネル
  3. 水底トンネル

 

建設場所別名称 内容

山岳トンネル

山岳部につくられるトンネル

(山岳トンネル工法を用いた場合に呼ぶときもある)

都市トンネル

都市、市街地地下に建設するトンネル

水底トンネル

海(海峡)、湖沼、河川をくぐるトンネル

 

 

トンネル施工方法(掘削工法)による種類や構造名称

トンネルの施工方法もさまざまで、

  1. NATM工法
  2. シールド工法
  3. 開削工法
  4. 沈埋工法
  5. TBM工法

などがあります。

 

施工方法

(掘削工法)

内容 概略図
山岳工法トンネル 発破、機械による掘削後、

  • 吹付けコンクリート
  • ロックボルト
  • 支保工

により地山の安定を確保して掘進する工法

NATM(ナトム)工法が標準となっている。

掘削時の切羽自立が適用の前提条件である

シールド工法トンネル シールドマシンを地中において掘進させ、

抗壁をシールド外殻およびセグメントにより保持しながらトンネルを構築する工法

土砂崩壊を防ぎながら施工できる

密閉型シールドと開放型シールドの2種類がある

開削工法トンネル 地表面から掘削し、所定の位置にボックスカルバートやアーチカルバートなどの

トンネル構造物を構築後に埋め戻し、地表面を復旧する工法

施工上の制約はあまりない

沈埋工法トンネル 地上であらかじめ分割した函体などのトンネル構造物を構築

船などで移動し、海底に沈めてから接合する工法

水密性の確保が重要となる

TBM工法 TBMは「トンネル・ボーリング・マシン」の略

山地などにある強固な地盤にトンネルを掘るのに向いていて作業スピードが速いことがメリット

デメリットは、機械が高額なことで、短距離を掘ることにはあまり向いていない

工程としては先端のカッターヘッドが回転することで、掘削したあとに壁を作りながら掘り進める

【参考画像引用:戸田建設さま】

トンネルの覆工とは、トンネル掘削後に内側からコンクリートなどで補強することです。

一方、トンネル工事では一般的な工事よりもさらに危険が伴うので、安全対策など十分に計画する必要があります。

 

トンネルの入口(抗門)の種類や構造名称

トンネルの抗門とは、トンネルの出入口にあたる部分の構造のことです。

山止めの機能をもつ面壁型と、山止めの機能をもたない突出型があります。

山止めとは、地盤や土砂がくずれないように設ける一般構造物の総称です

 

形式名称 形状

(構造)

特徴
面壁型 重力式 地形への適応はよい

基礎の地耐力が必要

経済性・安定性があまりよくない

ウィング式 地形への適応はよい

トンネル延長が短くなり経済的

背面土圧を受ける場合などに適用

突出型 突出式 地形が比較的なだらかな場合に適用

開削工法で施工する場合に適用

雪崩などが起きる積雪地に適用

竹割式 地形が比較的なだらかな場合に適用

トンネル延長が長くなり経済性はよくない

美観が要求される場合に適用

 

 

トンネルの構造・名称や種類!入口の名称や掘削工法まとめ

トンネル種類まとめ

用途別名称

  1. 交通用(道路トンネル)
  2. 交通用(鉄道トンネル)
  3. 交通用(地下鉄トンネル)
  4. 水路用トンネル
  5. 都市施設用トンネル
  6. その他の地下空間

建設場所(構造や名称)

  1. 山岳トンネル
  2. 都市トンネル
  3. 水底トンネル

施工方法(掘削工法)

  1. NATM工法
  2. シールド工法
  3. 開削工法
  4. 沈埋工法

抗門(出入口)

  1. 面壁型(重力式、ウィング式)
  2. 突出型(突出式、竹割式)

 

 

今回は以上です。

ありがとうございました。

 

の記事を書いている人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国公立大学の土木工学科卒業
  • 大学卒業後、某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験を持つ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛け、危険物取扱者乙4などの資格もち
  • 今はブログで土木施工管理技士の勉強方法や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。

 

 

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