土木や建築分野で3リキとよばれる、【土質力学・水理学・構造力学】
今回は、よく使う土質力学の公式をわかりやすい図解や一覧表などでまとめました。
テスト勉強や現場で、ちょっと確認したいときなどに使ってくださいね 🙂
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次から確認してください。
土質力学公式①土の構成や基本的性質
V=全体積 | m=全質量 | W=全重量 |
Vs:土粒子体積 | ms:土粒子質量 | Ws:土粒子重量 |
Vw:水体積 | mw:水質量 | Ww:水重量 |
Va:空気体積 | ma:空気質量 | Wa:空気重量 |
Vv:間げき体積 | - | - |
土の基本的性質一覧表
名称 | 公式 | 定義 |
含水比w | (mw/ms)×100% | 土の中に含まれる水分量の割合 |
間げき比e | Vv/Vs | 土のなかの間隙(スキマ)と土粒子の比 |
間げき率n | (Vv/V)×100% | 土全体の間隙の割合 |
飽和度Sr | (Vw/Vv)×100% | 土の間げきはすべて水で満たされた状態 |
乾燥密度ρd | ms/V(t/㎥) | 土粒子だけの質量に対する、全体積の比率(水分を含まない) |
乾燥単位体積重量γd | Ws/V | 土の全重量を土の全体積で割った値(水分を含まない) |
湿潤密度ρt | m/V(t/㎥) | 土粒子だけの質量に対する、全体積の比率(水分を含む) |
湿潤単位体積重量γt | W/V | 土の全重量を土の全体積で割った値(水分を含む) |
土の粒度組成
1μm | 5μm | 74μm | 0.42mm | 2.0mm |
コロイド | 粘土 | シルト | 細砂 | 粗砂 |
砂 | ||||
土質材料 |
→(つづき)
5.0mm | 20mm | 75mm |
細レキ | 中レキ | 粗レキ |
レキ | ||
土質材料 |
→(つづき)
30㎝ | |
コブル | ホルダー |
岩石質材料 |
一般的な土の湿潤密度
ρt(kN/㎥) | 沖積世粘性土 | 沖積世砂質土 | 洪積世粘性土 | 関東ローム | 泥岩 |
13~18 | 16~20 | 16~20 | 12~15 | 8~13 |
土質力学公式②構造物に働く土圧と水圧
土のなかにおいて、垂直圧力が水平圧力に作用する割合を示すものを土圧係数Kといいます。
土圧作用の状態により、土圧係数Kは、
- 主動土圧係数:ka
- 受動土圧係数:kp
- 静止土圧係数:ko
の3種類があります。
構造物の種類 | 土圧の公式(計算式) |
擁壁にはたらく土圧
|
載荷重
Pa₁=q・ka・H |
土圧
Pa₂=1/2・γ・H²・ka |
|
水圧
Pw=1/2・w・h² |
|
自立矢板にはたらく土圧
|
主動土圧
Pa=1/2・γ・(H+D)²・ka |
受動土圧
Pp=1/2・γ・D²・kp |
|
地下埋設物に働く土圧
|
静止土圧
Ph₁=1/2・γ・h₁²・ko |
静止土圧
Ph₂=1/2・γ・h₂²・ko |
土質力学公式③内部摩擦角Фの推定
内部摩擦角とは、土粒子同士のせん断力に対する抵抗値です。
条件により、使う内部摩擦角Фの式が異なりますので注意しましょう。
標準貫入試験N値 | 内部摩擦角Ф | 条件 |
大崎の式 | √20N +15≦45° | - |
道路橋示方書の式 | √15N +15≦45° | N:砂の値、ただしN>5 |
ダナムの式 | √12N +15≦45° | 粒度が一様で丸い粒子の場合 |
土質力学公式④土の粘着力cの推定
土の粘着力とは、土粒子どうしがおたがいに結合(くっつく)する力のこと!
標準貫入試験と一軸圧縮強度では、粘着力cを求める式が異なるので注意が必要です。
標準貫入試験N値 | c=6~10N |
一軸圧縮強度qu(kN/㎡) | c=qu/2 |
土質力学公式⑤土の一軸圧縮強度quの推定
一軸圧縮強度とは、側圧がない状態で圧縮荷重をおこなうときの、試供体の強度のことです。
試供体を鉛直方向に圧縮し、圧縮力をだんだん増やしていくと、ある時点で試供体の圧縮強度はピークを迎え、そのあと強度は低下していきます。
標準貫入試験N値 | qu=100N/8 |
コーン指数qc | qc=5qu |
土質力学公式⑥地盤の許容支持力計算
地盤の許容支持力とは、建物などの荷重を加えても、地盤破壊や変形にともなう沈下が許容範囲内であるような支持耐力のことです。
許容支持力には長期と短期があり、
- 常時における基礎杭の許容支持力を【長期許容支持力】
- 短期時(地震時など)における基礎杭の許容支持力を【短期許容支持力】
と定義されています。
長期許容支持力度
qa=1/3(α・c・Nc+β・γ₁・B・Nr+γ₂・Df・Nq)
qa:許容支持力度(kN/㎡)
c:地盤の粘着力(基礎底面下)
γ₁:基礎底面下の地盤の単位体積重量(kN/㎥)
γ₂:基礎底面より上にある地盤の単位体積重量
Df:最低地盤面から基礎底面までの深さ(m)
B:基礎の最小幅(m)
α、β:形状係数(長期・短期ともに)
基礎の形状 | 連続 | 正方形 | 長方形 |
α | 1.0 | 1.3 | 1.0+(0.3B/L) |
β | 0.5 | 0.4 | 0.5-(0.1B/L) |
Nc、Nr、Nq:支持力係数(長期・短期ともに)
Ф | Nc | Nr | Nq |
0° | 5.3 | 0 | 3.0 |
5° | 5.3 | 0 | 3.4 |
10° | 5.3 | 0 | 3.9 |
15° | 6.5 | 1.2 | 4.7 |
20° | 7.9 | 2.0 | 5.9 |
25° | 9.9 | 3.3 | 7.6 |
28° | 11.4 | 4.4 | 9.1 |
32° | 20.9 | 10.6 | 16.1 |
36° | 42.2 | 30.5 | 33.6 |
40°以上 | 95.7 | 114.0 | 83.2 |
短期許容支持力度
qa=2/3(α・c・Nc+β・γ₁・B・Nr+1/2・γ₂・Df・Nq)
qa:許容支持力度(kN/㎡)
c:地盤の粘着力(基礎底面下)
γ₁:基礎底面下の地盤の単位体積重量(kN/㎥)
γ₂:基礎底面より上にある地盤の単位体積重量
Df:最低地盤面から基礎底面までの深さ(m)
B:基礎の最小幅(m)
土質力学公式⑦ダルシーの法則
ダルシーの法則とは、地下水の流れに対する見かけの浸透流速のことです。
v=ki
v:見かけの浸透流速(cm/sec)
k:透水係数、または浸透係数 (cm/sec)
i:動水勾配
動水勾配は任意の2点間の水頭差を、その2点間の透水キョリで割ったものと定義されています。
動水勾配の公式は、
i = h / L
h:水頭差(m)
L:透水距離 (m)
土質力学の公式!わかりやすい一覧表で土の構成や基本的性質も解説まとめ
土質力学公式まとめ
名称 | 土の公式 | 定義 |
含水比w | (mw/ms)×100% | 土の中に含まれる水分量の割合 |
間げき比e | Vv/Vs | 土のなかの間隙(スキマ)と土粒子の比 |
間げき率n | (Vv/V)×100% | 土全体の間隙の割合 |
飽和度Sr | (Vw/Vv)×100% | 土の間げきはすべて水で満たされた状態 |
乾燥密度ρd | ms/V(t/㎥) | 土粒子だけの質量に対する、全体積の比率(水分を含まない) |
乾燥単位体積重量γd | Ws/V | 土の全重量を土の全体積で割った値(水分を含まない) |
湿潤密度ρt | m/V(t/㎥) | 土粒子だけの質量に対する、全体積の比率(水分を含む) |
湿潤単位体積重量γt | W/V | 土の全重量を土の全体積で割った値(水分を含む) |
構造物の種類 | 公式(計算式) |
擁壁にはたらく土圧
|
載荷重Pa₁=q・ka・H |
土圧Pa₂=1/2・γ・H²・ka | |
水圧Pw=1/2・w・h² | |
自立矢板にはたらく土圧
|
主動土圧Pa=1/2・γ・(H+D)²・ka |
受動土圧Pp=1/2・γ・D²・kp | |
地下埋設物に働く土圧
|
静止土圧Ph₁=1/2・γ・h₁²・ko |
静止土圧Ph₂=1/2・γ・h₂²・ko |
標準貫入試験N値 | 内部摩擦角Ф | 条件 |
大崎の式 | √20N +15≦45° | - |
道路橋示方書の式 | √15N +15≦45° | N:砂の値、ただしN>5 |
ダナムの式 | √12N +15≦45° | 粒度が一様で丸い粒子の場合 |
標準貫入試験N値 | 土の粘着力c=6~10N |
一軸圧縮強度qu(kN/㎡) | 土の粘着力c=qu/2 |
標準貫入試験N値 | 一軸圧縮強度qu=100N/8 |
コーン指数qc | qc=5qu |
長期許容支持力度 | qa=1/3(α・c・Nc+β・γ₁・B・Nr+γ₂・Df・Nq) |
短期許容支持力度 | qa=2/3(α・c・Nc+β・γ₁・B・Nr+1/2・γ₂・Df・Nq) |
ダルシーの法則 | v=ki |
動水勾配 | i = h / L |
土質力学公式については以上です。
いっぽう、3力の水理学や構造力学の公式は別記事で併せてご確認ください。
ありがとうございました。