今回のテーマは【ラウンドアバウト(roundabout)】
デメリットやメリット、役割、交通量などについてまとめました。
道路の計画や設計をする上で知っておきたい内容ですので、該当する方はぜひご覧ください。
それではさっそくいってみましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
ラウンドアバウトのデメリット&メリットとは?役割や交通量について
【尾倉ロータリー(ラウンドアバウト)】
ラウンドアバウトとは、以下の画像のとおり、まーるい形をした環状交差点のこと!
ヨーロッパを発祥とする交差点形式のひとつであり、今では世界中で普及しています。
日本でも道路交通法改正(2014年)に基づき、【環状交差点】の名称で法律的に整備されました。
ラウンドアバウトは進入時に一時停止の必要がなく、合流と分岐をくりかえし、安全に進行方向を変えられることが特徴です。
ラウンドアバウトのメリットとデメリットのほか注意点も
ラウンドアバウトのメリットとデメリットはこんな感じです。
メリット | デメリット |
信号を必要としないため、災害時などの停電時でも円滑な交通を維持できる
交差点整備のコスト削減(信号無し) 景観の維持が保たれる 進行方向が決まっているため、対向車との事故がない 速度低減のため重大事故も起きにくい |
交通量の多い交差点には適していない
歩行者の横断方法が複雑になる スピードが落ちるため渋滞の原因になる 土地的に面積を必要とする(一般交差点にくらべ) |
メリットとしては、信号が必要ないため災害時や停電時でも円滑な交通を維持できます。
さらにコスト削減や景観維持が実現できます。
また進行方向が決まっており車の速度も遅いため、対向車との事故がなく重大事故も起きにくいです。
一方デメリットとしては、車のスピードが落ちるため渋滞の原因のなり、交通量の多い交差点には適していません。
また歩行者の横断方法が一般交差点より複雑になります。
さらに土地的にも広めな面積が必要となるので、用地(土地)買収が必要になる可能性もあるので注意してください。
ラウンドアバウトの役割や使い方
ラウンドアバウトの役割は、合流と分岐をくりかえす交差点で、安全に進行方向を変えられることです。
また、使い方は以下のとおりです。
ラウンドアバウトの通過方法
- 道路の左側に寄って徐行しラウンドアバウトに進入(この時、右からくる車に注意して進入)
- 環状部分をすでに通行している車両がある場合は、その車両に優先権があるため通行を妨害してはいけない
- ラウンドアバウト進入後は、時計回りでの通行が基本
- 自転車や二輪車に注意しながら、できる限り環状交差点の左端に沿って徐行する
- 時計回りで自分の行きたい方向の道路の手前まで進んできたら、左側の合図(ウインカーなど)を出す
- 出口やその直近に設置された横断歩道にいる歩行者などに注意
- 歩行者がいる場合は歩行者の通過を優先させてからラウンドアバウトから出る
【ラウンドアバウト標識】
ラウンドアバウトの望ましい構造(国土交通省)交通量などの基準
【糸満ロータリー】
国土交通省は、日本における【ラウンドアバウトの望ましい構造】について、適用条件や交通量、留意事項を示しています。
ラウンドアバウトを採用する場合には、国土交通省の基準に沿って道路計画を実施してください。
適用条件
(交通量)
交通量は日あたり層流入量10,000台未満
日あたり総流入交通量が10,000台以上の場合、各流出入部において、時間当たりの流入部交通容量とピーク時間当たりの流入交通量をふまえ可否を確認
(幾何構造)
外形は設計車両の種類、隣接して接続する道路の公差角度、および分離島の有無をふまえ、車両の通行軌跡を考慮し設定
中央島は、乗り上げを前提としない
(参考引用_ラウンドアバウトの望ましい構造(国土交通省))
留意事項
(交通量)
横断歩行者・自転車が多い場合、交通確保に留意
(幾何構造)
- 形状は正円もしくは正円に近い形状が望ましい
- 環道については停車帯を設置しない
- 分離島は設置することが望ましい
- 中央島は通行する車両の見通しを十分に確保できる構造とする
- 流出入部は安全かつ円滑に流出入できる構造とする
- 幅員は走行性や安全性をふまえるものとする
- 環道とエプロンは利用者が認知できるよう区分する
(交通安全施設)
- 照明は必要に応じ設置することが望ましい
- 中央島に反射板等を設置することが望ましい
- 案内標識「方面および距離(105のC)」、「方面および方向の予告(108のA)」、「方面および方向(108の2-A)」および警戒標識「ロータリーあり(201の2)」を必要に応じ設置することが望ましい
- 区画線「車道外側線(103)」および「道流帯(107)」を必要に応じ設置することが望ましい
(参考引用_ラウンドアバウトの望ましい構造(国土交通省))
併せて交通容量の定義なども確認しておくとよいでしょう。
ラウンドアバウトのデメリット&メリットとは?役割や交通量まとめ
ラウンドアバウトとは、以下の画像のとおり、まーるい形をした環状交差点のこと!(ヨーロッパを発祥とする交差点形式のひとつ)
ラウンドアバウトは進入時に一時停止の必要がなく、合流と分岐をくりかえし、安全に進行方向を変えられることが特徴
メリット | デメリット |
信号を必要としないため、災害時などの停電時でも円滑な交通を維持できる
交差点整備のコスト削減(信号無し) 景観の維持が保たれる 進行方向が決まっているため、対向車との事故がない 速度低減のため重大事故も起きにくい |
交通量の多い交差点には適していない
歩行者の横断方法が複雑になる スピードが落ちるため渋滞の原因になる 土地的に面積を必要とする(一般交差点にくらべ) |
ラウンドアバウトの役割は、合流と分岐をくりかえす交差点で、安全に進行方向を変えられること
ラウンドアバウトの望ましい構造の中で、国交省は交通量は日あたり層流入量10,000台未満と定義している
以上です。
ありがとうございました。
この記事を書いた人
- 元公務員の土木ブロガー💻
- 国立大学★土木工学科卒業(学士)
- 大学卒業後、某県庁の地方公務員(土木職)に合格!7年間はたらいた経験をもつ
- 現場監督・施工管理の経験あり
- 1級土木施工管理技士・危険物取扱者(乙)・玉掛け等の資格もち
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