度分秒の計算や、弧度法と度数法の変換・計算方法をまとめました。
例題付きですのでぜひチャレンジしてみてください。
それではさっそく参りましょう、ラインナップは目次からどうぞ 🙂
度分秒の引き算や度数法・弧度法の変換!ラジアン角度の変換計算を解説
【角度と周長の関係&1ラジアンの値】
弧度法では、半径rで角度θ(ラジアン)の円弧の長さは、r×θ(ラジアン)で求めることができます。
たとえば上記の図のように角度が10”ずれた場合、100m先ではどの程度の位置のずれになるかをラジアンで考えてみると、
式:ℓ=100m×10”/ρ”=100×10”/200000”=1/200=0.005=5mm
となります。
ここで、ρ”=(180°/π)×3600”≒200000”としています。
※πは3.142とします。
さらに10”は何ラジアンかを求め、これを半径100mをかければ円弧の長さが分かります。
それでは単位の換算をしてみましょう。
度数法からラジアン単位と、ラジアン単位から度数法の2種類を例としてあげます。
度数法からラジアン単位への単位変換
例題)43°52’10”をラジアン単位に換算するといくらか。ただしπ=3.142とする。
解答)
まずはすべて度の単位にします。
43°52’10”=43°+(52/60)°+(10/3600)°=43°+0.867°+0.003°≒43.87°
次にこれをラジアン単位にすると以下のようになります。
1ラジアン=180°/πであるから、比で考えると
1ラジアン:180°/π=αラジアン:43.87より、
180°/π×αラジアン=43.87
よってαラジアン=43.87×π/180=43.87×3.142/180=0.766ラジアンとなります。
一方、測量士補試験でρ”=2”×10⁵が与えられていれば、
αラジアン=(43°52’10”)/(2”×10⁵)=(43°×3600”+52”×60+10”)/(2”×10⁵)
=157930”/2”×10⁵=0.78965≒0.790ラジアンとなります。
ラジアン単位から度数法への単位変換
つづいてはラジアン単位から度数法への単位換算です。
例題)0.383ラジアンを度数法に変換するといくらか。ただしπ=3.142とする。
解答)
まず0.383ラジアンを度数法にします。
1ラジアン=180°/πであるから、比で考えると
1ラジアン:0.383ラジアン=180°/π:α°より、
α°=0.383×180°/π=0.383×180°/3.142=21.9414°
これを度数法に変換すると次のとおりです。
21.9414°=21°+0.9414×60’=21°+56’+0.484×60”=21°56’29”となります。
度数法の求め方(角度計算)
【角度の単位】
度数法とは、その名のとおり、1°、90°、180°などといった、円周を360°等分したもの。
簡単にいえば、ぐるっと円を1周すると360°となります。
測量では、角度の観測に【度(°)】以下の単位も使用します。
度(°)以下は【分(’)】、【秒(”)】で表し、その大きさは1度=60分(=3,600秒)、1分=60秒です。
1度以下の単位は60進法で、時計の分や秒と同じと考えればOK!
また、【度、分、秒】が記号で表されることもあり、その記号は【度(°)、分(’)、秒(”)】となります。
それではここでひとつ、度数法による計算をやってみましょう。
角度の足し算と引き算の問題です。
角度(度分秒)足し算
例題は以下のとおり。
式:35°31’40”+28°42’30”を計算してみましょう。
35°31’40”
28°42’30”
それぞれの度、分、秒で数字を単純に足し合わせると、63°73’70”…①となりますね。
そしてここからが肝心です!
大きさは1度=60分(=3,600秒)、1分=60秒であるため、【秒】の部分の70は、70⇒1’+10”と表し、1分ぶんがくり上がります。
⇒63°74’10”…②
つづいて【分】の部分も同様に、74’⇒1°+14”と表せるので、1°くり上がります。
つまり、
⇒64°14’10”…【解答】となります。
角度(度分秒)の引き算
つづいては引き算!
式:28°42’30”-35°31’40”を計算してみましょう。
28°42’30”
35°31’40”
この場合、単純な引き算になるように、35°31’40”-28°42’30”で考え、不足分にマイナス(-)をつけてあげればOKです。
秒の計算⇒40”-30”=10”
分の計算⇒31’-42’=1°31’-42’=91’-42’=49’(1°繰り下げ)
度の計算⇒34°-28°=6°
つまり、
-6°49’10”…【解答】となります。
ちなみに「マイナス(-)」の角度は、一般的に左回りを表すことになります。(測量では角度は右回りがプラス(+)です)
また場合によっては-6°49’10”+360°を行い、353°10’50”とするときもあります。
つまり左回りに6°49’10”と右回りに353°10’50”は同じ方向というわけです。
度の単位と度分秒の単位変換
つづいては、度の単位と度分秒それぞれの換算です。
まずは度の単位を度分秒に換算してみましょう。
①度の単位⇒度分秒に換算(例題)
15.425°を度分秒の単位に換算すると、
15.425°=15°+0.425°
0.425°×60’=25.5’=25’+0.5’
0.5’×60”=30”
よって、15°+25’+30”=15°25’30”となります。
②度分秒の単位を度に換算
15°25’30”を度の単位に換算してみましょう。
15°25’30”=15°+25’+30”
30”÷60’=0.5’
25.5’÷60”=0.425”
よって、15°+0.425°=15.425°となります。
度数法の単位換算の基本は、1°=60’=3600”(60×60)と覚えておきましょう。
ポイント
度数法の単位換算の基本:1°=60’=3600”(60×60)
【例題】弧度法(ラジアン)と度数法の過去問(測量士補試験)
それでは最後に、測量士補試験の過去問を解いてみましょう。
角度計算の最終チェック!
ぜひチャレンジしてみてください。
一方で、測量士補試験では点高法や座標法も出題されますので、併せてチェックしておくとよいでしょう。
過去問)次のアおよびイの各問の答えを求めなさい。ただし円周率π=3.142とします。
ア:51°12’20”をラジアン単位に換算するといくらか。
イ:0.81[rad](ラジアン)を度分に換算するといくらか。
解答)
ア)1ラジアン=180°/πより
51°12’20”=51°+(12/60)°+(20/3600)°=51°+0.2°+0.006°=51.206°
よって比で考えると、
1ラジアン:180°/π=αラジアン:51.206
αラジアン=51.206×π/180°=51.206×3.142/180°≒0.894ラジアン
イ)1ラジアン=180°/πより
1ラジアン:180°/π=0.81ラジアン:β°
β°=0.81×180/3.142=145.8/3.142≒46.4036°
46.4036°=46°+0.4036×60’=46°24.216’
=46°24’+0.216×60”≒46°24’13”
度分秒の引き算や度数法・弧度法の変換!ラジアン角度の変換計算まとめ
弧度法&度数法求め方
弧度法のポイント
1ラジアン=180°/π
比で考える⇒1ラジアン:○ラジアン=180°/π:α°
(○ラジアン:与えられた(または知りたい)数値 α°⇒○ラジアンのときの角度)
度数法のポイント
度(°)以下は【分(’)】、【秒(”)】で表し、その大きさは1度=60分(=3,600秒)、1分=60秒
1度以下の単位は60進法で、時計の分や秒と同じと考えればOK!
①度の単位⇒度分秒に換算:60を掛ける
②度分秒の単位を度に換算:60で割る
角度(度分秒)の引き算では、単純な数値になるように工夫するのがポイント
以上です。
ぜひご一読ください。
ありがとうございました。