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プライムコートとタックコートの違いとは?使い分けや施工上の注意点もプロが解説

プライムコートとタックコートの違いは、舗装工事の基礎知識として土木施工管理技士の試験や現場でよく問われるポイントです。

どちらもアスファルト舗装における重要な工程ですが、施工する位置・目的・散布量が異なります。

そのため、違いを正しく理解しておかないと、施工管理や試験対策で混乱しやすい部分でもあります。

この記事では、プライムコートとタックコートの違いをわかりやすく比較しながら、使い分けの考え方や施工上の注意点まで詳しく解説していきます。

 

プライムコートとタックコートの違いとは?【PK3とPK4の使い分け】

プライムコートとタックコートについて解説していきます。

プライムコートpk3とタックコートpk4の違い

プライムコートとタックコートのちがいは、散布箇所(つかう位置)と役割がちがいます。

プライムコートをつかう場所は基層を上層路盤のあいだで、役割は路盤とアスファルトとのなじみをよくするためです。

そしてタックコートは表層と基層に使い、接着の役割をもちます。

よって順番的にはプライムコートが先で、そのあとにタックコートを使用します。

ちなみに現場でよく使われるpk‐4とpk‐3というのは、タックコート用(pk‐4)か、プライムコート用(pk‐3)かということです。

プライムコートとタックコートの使い分け

プライムコートとタックコートの使い分けを解説していきます。

まず、以下の道路断面図をご覧ください。

一般的な道路断面図

一般的な道路断面
表層
タックコート

(表層と基層のあいだ)

基層
プライムコート

(基層と上層路盤のあいだ)

上層路盤
下層路盤
路床
路体
アスファルト乳剤 タックコート プライムコート
散布箇所(使う位置)の違い 表層と基層のあいだ(アスファルト層) 基層と上層路盤のあいだ
種類の違い PK4(タックコート用) PK3(プライムコート用およびセメント安定処理層養生用)
効果の違い 基層と表層の接着を強化する 路盤とアスファルトのなじみを良くする

つまりタックコートは  表層と基層のあいだ(アスファルト層)、プライムコートは基層と上層路盤のあいだに使われます。

アスファルト乳剤とは、加熱して液状化したアスファルトに水や界面活性剤などいろんな薬品を加えて、高速で混ぜ合わせ乳化させた液状のアスファルトのことだよ!

 

基層がない場合のプライムコートとタックコートの考え方

一方で、基層がない断面の場合について考えてみましょう。

考え方としては、アスファルトとアスファルトをつなぐ場合にタックコートと覚えておくと良いです。

だから土や砕石の上にアスファルトを施工するときはプライムコートを使います。

ちなみに瀝青安定処理路盤の上に舗装する場合はタックコートなのでご注意くださいね。

オーバーレイの場合のプライムコートとタックコートの考え方

 

オーバーレイ工法では、既存のアスファルト舗装の上に新しい舗装を重ねていきます。

このとき重要になるのが「どの乳剤を使うか」というポイントです。

結論から言うと、オーバーレイではプライムコートは使わず、タックコートが主役になります。

プライムコートは、砕石路盤に浸透させて表面を固めるための乳剤です。路盤とアスファルト層のなじみを良くし、防水性を高める役割があります。

しかし、オーバーレイで相手になるのは既存のアスファルト舗装。すでに固まっていて浸透させる必要がないため、プライムコートの出番はありません。

一方、タックコートはアスファルト層同士をしっかり接着させるための乳剤です。

オーバーレイでは、既存舗装と新しい舗装の間に確実な接着力が必要になります。

タックコートを適切に散布することで、

  • 層間剥離の防止
  • 荷重の伝達性向上
  • 舗装の耐久性アップ

といった効果が得られます。

プライムコートとは?目的と施工上の注意点【アスファルト乳剤PK3】

まずはプライムコートを散布する目的から見ていきましょう。

プライムコートの目的

プライムコートとは一体なんのために行うのか、目的はこちらです。

  1. 路盤表面部に浸透し、その部分を安定させる
  2. 雨などによる路盤の洗掘、表面水の浸透を防止
  3. 路盤から水分が毛管上昇するのを遮断する効果
  4. 路盤とその上に施工するアスファルト混合物とのなじみを良くする

(引用:日本アスファルト協会)

毛管上昇とは、管状の物体の中にある液体が層を上昇する現象のこと!管のサイズが小さいほど上昇しやすくなります。

 

ちなみにプライム(prime)は英語で「最初の、はじめの」という意味です。

舗装の"はじめに“散布するからプライムコート!

 

プライムコートの施工上の注意点

プライムコートには一般的にPK3(プライムコート用およびセメント安定処理層養生用)と呼ばれるアスファルト乳剤を使います。

散布量は一般に1~2リットル/㎡が標準です。

散布面積が広い場合は、アスファルトディストリビュータを用いてまんべんなく散布します。

(参考写真:アスファルトディストリビュータ)

 

 

タックコートとは?目的と施工上の注意点【アスファルト乳剤PK4】

つづいてはタックコートです。

目的や施工上の注意点についてみていきます。

タックコートの目的

タックコートの目的は、アスファルト層である「表層」と「基層」のあいだに散布し、層間の接着を強化することです。

接着剤と同じような役割だね!

 

ちなみにタック(tack)というのは英語で「つなげる」、「結合する」という意味があります。

 

くわしい定義は以下のとおりです。

「新たに舗設するアスファルト混合物層とその下層の瀝青安定処理層、中間層、基層との接着および継目部や構造物との付着を良くするために行います」

(引用:日本アスファルト協会)

タックコートを散布しないと、アスファルト層間の接着強度が弱くなります。

そうすると車が走行するときに層間でズレが生じ、アスファルト層の早期損傷につながってしまうのです。

 

タックコートの施工上の注意点

タックコートは、一般的にPK4(タックコート用)と呼ばれるアスファルト乳剤を使います。

散布量は0.3~0.6リットル/㎡が標準です。

アスファルト乳剤の散布にはプライムコートと同じく、アスファルトディストリビューターを使用します。

(参考写真:アスファルトディストリビュータ)

またアスファルト舗装の手順とポイントもチェックしておくとよいです。

タックコートとプライムコートの違い【比較表】

タックコートとプライムコートの違いについて比較表でまとめました。

項目 プライムコート タックコート
目的の違い 路盤とアスファルト混合物を接着させる アスファルト層同士を接着させる
散布する位置の違い 路盤の上 既設舗装や下層アスファルトの上
主な役割の違い 路盤の表面を安定させ、アスファルト混合物との付着を良くする 舗装層同士の付着を高め、層のずれを防止する
使用する材料の違い アスファルト乳剤 PK-3 アスファルト乳剤 PK-4
散布量の違い 1~2ℓ/㎡ 0.3~0.6ℓ/㎡
施工するタイミングの違い 路盤施工後、表層を舗設する前 基層や既設舗装の上に新しいアスファルトを舗設する前
主な対象の違い 粒状路盤などの未舗装面 既設アスファルト舗装や基層
施工のポイントの違い 均一に散布し、浸透させてから舗設する 散布量を守り、余分な乳剤で滑りを起こさないよう注意

プライムコートは路盤とアスファルト舗装を接着させるための処理であるのに対し、タックコートはアスファルト舗装同士を接着させるための処理です。

この違いを理解しておくことで、舗装工事の施工管理や土木施工管理技士試験でも混乱しにくくなります。

 

タックコートPK4とプライムコートPK3の違いや使い分けまとめ

タックコートとプライムコートの違いは「どこに撒くか」と「何を接着させるか」です。

プライムコートは“路盤とアスファルトのなじみ向上”、タックコートは“アスファルト層同士の接着強化”が目的となります。

一般的な道路断面
表層
タックコートPK4

(表層と基層のあいだ)

基層
プライムコートPK3

(基層と上層路盤のあいだ)

上層路盤
下層路盤
路床
路体
アスファルト乳剤 タックコート プライムコート
散布箇所(使う位置)の違い 表層と基層のあいだ(アスファルト層) 基層と上層路盤のあいだ
アスファルト乳剤の種類の違い PK4(タックコート用) PK3(プライムコート用およびセメント安定処理層養生用)
効果の違い 基層と表層の接着を強化する 路盤とアスファルトのなじみを良くする

まとめ(短く覚えるならコレ)

  • プライムコート=路盤に染み込ませる“下地処理”
  • タックコート=アスファルト同士をくっつける“接着剤”

以上です。

ありがとうございました。

  • B!