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平板載荷試験の読み方とは?費用や方法(やり方)基準・目的も解説

平板載荷試験ってなに?

こんなお悩みを解決します。

 

平板載荷試験(読み方:へいばんさいかしけん)は土質試験のひとつ。

目的や試験のやり方、費用などをまとめましたので参考にしてください。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

平板載荷試験とは?目的はなに?

平板載荷試験とは、地盤にだんだんと荷重をくわえることで沈下量を測定し、地盤反力係数やK値(支持力係数)を求めるものです。

地盤の支持力の判定や締固めの施工管理に利用されます。

地盤反力係数は以下の式で求められます。    

地盤反力係数(kN/m3)=地盤反力度(kN/m2)÷沈下量(m)

一方、平板載荷試験と同じ土質試験では、現場CBR試験標準貫入試験も必ず確認しておきましょう。

平板載荷試験の方法(やり方)や基準

平板載荷試験の手順はこんな感じです。

  1. 試験する位置を選定する
  2. 平板載荷試験場所の整地&確認
  3. 載荷板の設置
  4. 載荷装置の組み立て
  5. 載荷方法
  6. 沈下量の測定

試験する位置を選定する

構造物などをつくるときにはその場所を、広い範囲の工事であれば、代表的な地盤となりうる場所を選定して試験をおこなってください。  

 

平板載荷試験場所の整地&確認

試験地盤面は載荷板の中心から1m以上の範囲を水平に整地します。

とくに載荷板をおく部分は、地盤を乱すことのないよう水平で平滑な面に整形しましょう。

ただし、最終的な整形は地盤の変化や乱れをさけるために試験直前におこなってください。

また、平板載荷試験をおこなう地盤面の状況は十分に確認しておくことをおすすめします。  

 

載荷板の設置

載荷板は直径30cm、厚さ25mm以上のの鋼製円形板です。

地盤面に水平でスキマなく密着するように設置します。

載荷板が水平に設置されていない状態で試験をおこなうと、載荷板の低い方向に応力が集中してしまうことも…。

そうすると正しい結果が得られませんので注意してください。

 

載荷装置の組み立て

載荷装置は、ジャッキ、支柱、載荷ばり、反力装置(重機など)から構成され、載荷板に偏心荷重が加わらないように組立ててください。

載荷装置としては次のような条件が必要となります。

  • 計画最大荷重に対し、120%以上の載荷能力を持つ構造である
  • 載荷重を全体にまんべんなく伝達でき、載荷板に偏心荷重が作用しないような構造とする
  • 荷重を安全に操作できて、無負荷に近い状態にもできる
  • 気象の変化や載荷板の沈下によって支障がない
  • 装置全体が、組立て・試験・解体などの作業が安全にできる構造である

載荷方法

荷重は予備載荷のあと、計画最大荷重を原則として、8段階以上に等分割して載荷します。

予備載荷の目的は、4個の変位計(ダイヤルゲージ)が正常に作動することを確認することと、地盤の表面と載荷板とのふれる部分の乱れ具合を把握することです。  

荷重の増減はすみやかに一定速度で!

荷重保持時間は30分くらい、除荷及び再載荷についてのくりかえし過程では5分くらいの一定時間としてください。

 

沈下量の測定

沈下の測定は、荷重をかける段階で所定の荷重がかかったあとにおこないます。

経過時間0分、1分、2分、5分、10分、15分、20分、25分、30分のときに測定してください。

最大荷重載荷のあとは、5分間隔で各荷重を段階ごとにへらして、荷重のもどりに対する沈下量の復元を測定します。

沈下量は、載荷板の4隅から基準ばりに設置した4個のダイヤルゲージで1/100mm単位まで読み取ったものの平均値をとることが多いです。

実荷重(kN)を求める式は、

直径30cmの円形載荷板の接地面積は A=0.15×0.15×π=0.07(㎡)であることから、

実荷重(kN)= 0.07(㎡)× 荷重強さ(kN/㎡) となります。  

 

平板載荷試験の費用はどのくらい?

平板載荷試験の費用は8万円~15万円です。

1日に実施できる回数が限られているため、試験箇所がおおい場合は必然的に日数がふえ、費用もふえます。  

 

平板載荷試験の読み方とは?費用や方法(やり方)基準・目的まとめ

ポイント

  • 平板載荷試験(へいばんさいかしけん)は地盤反力係数やK値(支持力係数)を求める試験
  • 地盤の支持力や締固めの施工管理に利用される
  • 試験方法は、水平で地盤の代表となる場所をえらび、だんだん荷重を加えて沈下量を測定する
  • 試験費用は8万円~15万円くらい  

平板載荷試験の方法&手順

  1. 試験する位置を選定する
  2. 平板載荷試験場所の整地&確認
  3. 載荷板の設置
  4. 載荷装置の組み立て
  5. 載荷方法
  6. 沈下量の測定

 

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

この記事を書いた人

名前:ちゃんさと

  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などのの資格もちです。
  • 今はブログで土木施工管理技士や建設関連などをメインにさまざまな情報発信をしています。

 

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