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現場透水試験の目的や方法(やり方)とは?オーガ法やケーシング法の違いも

現場透水試験についておしえてー!

こんなお悩みを解決します。

 

現場透水試験は土質試験のひとつですが、ケーシング法やオーガ法など、試験方法がいくつかあります。

試験方法の目的や方法(やり方)、違い、さらに基準や数値などについてまとめましたので参考にしてください。

 

この記事を書いている人

名前:ちゃんさと
  • 元公務員の土木ブロガー💻
  • 国立大学★土木工学科卒業(学士)
  • 某県庁の公務員(土木職)として7年間働いた経験をもつ(計画・設計・施工管理・維持管理)
  • 1級土木施工管理技士、玉掛、危険物取扱者乙4などの資格もちです。
  • 今はブログで土木施工管理技士や土木知識をメインにさまざまな情報発信をしています。

それではさっそく参りましょう、ラインナップはこちらです。

 

 

現場透水試験とは?目的や方法

現場透水試験とは、現場の地盤がどれくらいのはやさで水を浸透させるかを調べる試験です。

透水係数Kや地下水位を求めることができます。

また現場透水試験をおこなう目的は、透水関係の設計計算や地盤改良の設計に役立てるためです。

さらに地下水位の位置なども分かります。

一方、地下水位が高い場合は軟弱地盤である可能性があり、工事では軟弱地盤対策工法が必要です。

 

現場透水試験の種類&方法(やり方)!ケーシング法やオーガ法など

つづいて、現場透水試験の方法についてみていきましょう。

非定常法と定常法の使い分け・違いとは?

まず現場透水試験は、非定常法と定常法の2つに分けられます。

非定常法と定常法の使い分けは、非定常法<地盤の砂粒径10^(-4)<定常法です。

砂粒径が10^(-4)より小さければ非定常法!大きければ定常法!
  • 非定常法:測定用パイプ内の水位を一時的に低下または上昇させ、平衡状態に戻るときの水位変化を測定する方法
  • 定常法:一定水圧の水を注入して流入量を測定する方法

地すべり調査では一般的に非定常法が広く利用されており、地下水位以下の地盤を対象とすることが基本です。

方法としては、ピエゾメータ法(ケーシング法)、パッカー法、チューブ法(孔底法)、オーガー法などがあります。

このうち、回復法によるピエゾメータ法が標準の試験方法です。

 

現場透水試験方法の違い(ピエゾメータ法(ケーシング法)、パッカー法、チューブ法、オーガー法)

現場透水試験方法は、試験区間の形状などのちがいから次のように分類されます。

現場透水試験区間の形状 試験方法 単層系地盤 多層系地盤
測定用パイプの先端部の孔壁 ピエゾメータ法(ケーシング)
試験孔壁の一定区間 パッカー法
測定用パイプの底面 チューブ法
試験孔壁全体 オーガー法

単層と多層どちらでも使えるのがピエゾメータ法とパッカー法!

それぞれの試験方法のちがいは、試験区間の形状(適用範囲)がちがうよ!

また一方で、現場透水試験のほかにも原位置試験はさまざまな方法がありますので併せて確認しておくと良いでしょう。

現場透水試験の方法(やり方)

基本的な試験方法は以下のとおりです。

現場透水試験に必要な装置をセットする

  1. 試験深度の手前までボーリングを実施
  2. ケーシング(管)などをセットする
  3. 透水区間が目詰まりしないように、清水で注水とくみ上げをくりかえす
  4. しばらく清水を循環させ、へどろなどの除去と孔内洗浄をおこなう。

現場透水試験の計測

採水器(ベーラー)で地下水を汲みだします。

地下水位低下後の回復状況を以下の間隔で測定してください。

  • 0.5分(30秒)
  • 1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分(1分単位)
  • 15分、20分、30分(5分~10分単位)
  • 45分、60分…(15分単位)

水位変動がなくなるまで、もしくは翌朝に水位を測定して平衡水位(安定水位)を測定します。

 

現場透水試験の解析

 水位(対数目盛)と経過時間(算術目盛)との関係をプロットし、初期の直線部分の傾きmを求め、次式から透水係数kを算定します。

  • 不圧地下水 k=0.66×d^2×log(2L/D)×m/L
  • 被圧地下水 k=0.66×d^2×log(4L/D)×m/L

 

  • :透水係数(cm/sec)
  • m:グラフの初期直線部分の傾き
  • d:測定パイプの内径(cm)
  • :試験(透水)区間の直径(cm)
  • :試験(透水)区間の長さ(cm)
  • 水位差S:測定水位-安定水位(平衡水位)

 

現場透水試験の注意点

透水係数k=10-4~-3(cm/sec)くらいの地盤に適用する試験であるため、砂礫などの高透水性の地盤、シルトなどの低透水性の地盤には使えません。(あるいは信頼性が低くなります)

また、建設計画の湧水に関連する地盤は広範囲であることが多いです。

そのため、現場透水試験が対象とした透水区間近くの透水性だけから地盤の透水性を評価するのには、試験数量をふやす、計画全体の地盤と土の種類を確認するなどの工夫が必要となるでしょう。

さらに透水区間をつくるときに、地盤の状態を保持して仕上げることが大切で、目詰まりがないように気をつけてください。

 

現場透水試験の目的や方法!ピエゾメータ法(ケーシング法)やオーガ法の違いもまとめ

現場透水試験のまとめ

  • 現場透水試験とは、現場の地盤がどれくらいのはやさで水を浸透させるかを調べる試験
  • 現場透水試験をおこなう目的は、透水係数や地下水位をはあくすることで、透水関係の設計計算や地盤改良の設計に役立てるため
  • 現場透水試験の標準方法はピエゾメータ法(ケーシング法)
  • 非定常法と定常法の使い分けは、非定常法<地盤の砂粒径10^(-4)<定常法
  • 現場透水試験(ピエゾメータ法(ケーシング法)、パッカー法、チューブ法、オーガー法)のちがいは、地盤の種類(単層・多層)と現場透水試験区間の形状

現場透水試験の種類(非定常法と定常法の使い分け)

今回は以上です。

参考になればうれしいです。

ありがとうございました。

 

 

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